another
「よし、部屋掃除したでしょ?料理も作ったしバッチリ!!」
が笑顔で言う。
とある高級マンションの一室。
テレビには何処かのスポーツ番組が放送されていて、
内容はJOMOオールスターサッカーの話題のよう。
「浩二兄凄かったなー・・・」
その様子を見て呟く。
そう、は今画面上で勝利のトルフィーを受け取っている中田浩二の実の妹。
折角のオールスター。しかも自分がイーストのキャプテンという事もあり、
浩二は妹に試合のチケットを送っていたのだ。
そしては埼玉に来て、試合後浩二のマンションにいる。
ピンポーン♪
試合が終了して1・2時間経っただろうか。
マンションのチャイムが押される。
は急いで玄関に行き扉を開けた。
扉の向こうには勿論上機嫌な兄の姿。
「ただいまー。、勝ったぜ!!」
「お帰り!!浩二兄格好良かったよv」
「サンキュ。・・・あ、紹介しますね、妹のです。」
「へ?誰かいるの・・・?」
浩二の言葉に首を傾げる。
しかし扉から覗かれる顔を見て目を見開いた。
「みっ宮本さん!?」
その人物とは宮本恒靖。
恒靖はを見てニコッと笑う。
「お、名前知ってて貰えてるなんて光栄やな。」
「え、いや、あの・・・はい。」
動揺を隠せない。それも当たり前、
恒靖はが浩二さえ差し置いてDFで一番好きな選手だ。
そんな事知りもしない浩二がのほほんと言う。
「腹減ったー。、飯出来てるよな?」
「あ、うん・・・」
「兄弟水入らずの食事に混ざってええんか?」
「全然構わないですよ、食べてって下さい。
の奴料理作り過ぎるの癖なんで。」
浩二が笑って恒靖の肩を叩く。
それに続いて靴を脱ぎだす恒靖。
そしての方を向いてまた笑顔で言う。
「んじゃ、遠慮なく邪魔するな?ちゃん。」
「はい!!」
は名前を覚えて貰った事でかなり感激していた。
そして悠々と兄達のあとを追う。
「え?手作り?マジで!?
俺ここ数年食べてないわーかなり感動モンやって。」
テーブルに並べられた暖かい夕食を見て歓喜の声を挙げる恒靖。
そして椅子にこしかける。
冷蔵庫から缶ビールを何本も出してくる浩二。
「ツネさん、飲みますよね?」
「おう、貰うわ。ちゃんも飲まへん?」
「すいません、私お酒飲めないんですよ。」
「一応未成年なんで誘惑しないで貰えます?」
冗談交じりに言う浩二。
ぶーと膨れっ面の恒靖には終始笑顔だった。
「水・・・」
そして数時間後、青ざめた浩二がそう呟く。
慌てて水を持ってくる。
その浩二を見て爆笑しているのは恒靖。
「浩二弱いのに飲み過ぎやねん!!」
「だってイースト勝ったんスもん・・・・・・・・ヤバ、吐く!!!」
そしてトイレの方にダッシュしていく浩二。
が申し訳なさそうに言う。
「宮本さん御免なさい、浩二兄限度ってもの知らなくて・・・」
「いやいや、それが浩二のおもろいとこやし。
ちゃん謝る必要ないで?・・・美味っ!!」
そして料理をまた口に頬張る。
嬉しそうな恒靖を見て緊張しながらも言う。
「あの、今日ウェスト負けちゃいましたけど・・・
キャプテンの宮本さんのプレー凄く格好良かったです!!」
「ホンマ!?ありがとうなー。
でも浩二に負けたのはごっつ悔しいわ。」
「きっと次のリーグ戦では勝てますよ!!」
元気付けようと明るく言う。
恒靖は俯いて小声で言った。
「その前にもう一つあるんやけどな・・・」
「え?」
首をかしげる。
恒靖はそのを椅子に座らせ真剣に見つめた。
「これ冗談ちゃうから聞いてくれるか?」
「?・・・はい。」
何の事か分からずきょとんとした表情の。
それにかまわず恒靖は続ける。
「あのな?俺、前からちゃんの事好きなんや。」
の顔は呆然としていた。
無理はない、憧れの選手に告白されたのだ。
「前・・・から?」
「多分ちゃん覚えてないやろうけど、
俺ら一回会った事あるねんで?」
「嘘・・・」
「いつやったかなー鹿島対ガンバ戦をちゃんが観に来てて、
浩二に差し入れか何かした時な、俺その隣におってん。」
確かに2・3年前に兄の試合を観に行ったような気がする。
もっともその時のは浩二以外の選手を誰も知らなかったのだが。
「その時俺も信じられへんのやけど一目惚れしたらしいわ。」
そう言うと椅子から立ち上がって上着を着出す。
座って下を向いたまま動かない。
そのの頭にポンと手をのせる。
「返事いつでも良いんやけど会えへんもんなぁ。
・・・あ、浩二に伝えるよう言うて?」
「浩二兄にですか!??」
びっくりして顔を上げる。
勿論恒靖に告白された事など兄に話せる訳はない。
余裕の表情で返す恒靖。
「あ、驚かんでも大丈夫やで。
浩二の奴俺がちゃんに惚れてるの知ってるから。」
「へ!!!!???」
さっきとは比べ物にならない程驚く。
その混乱様子を見てクスっと微笑すると、恒靖は帰って言った。
そこにタイミングよく浩二が部屋に戻ってくる。
「あれ?ツネさんは?もしかして帰ったわけ?」
「あ、うん。たった今・・・・」
赤くなった顔を隠しているに気付いた浩二が声をかける。
「、お前もしかしてツネさんに告られた?」
図星の様子のを見て顔に手をあてる浩二。
「やっぱ言っちゃったかーしかも俺がいない時狙ってさぁ。」
「ねぇ、宮本さんが前からって言ってたんだけど・・・本当?」
「あ、それマジだから。」
の問に即答する。
「今日オールスターの時が観に来てるって言ったんだよ、
かなりはりきったプレーしてたぜ?」
「何か・・・嘘みたいで・・・」
「ま、はそうだろうな。でも帰りも家にが泊まるつったら、
絶対遊びに行くって五月蠅くて・・・俺よりガキみたいだったって。」
頭掻きながら何で俺がこんな事・・・と呟く浩二。
はその浩二に恥ずかしそうに言った。
「浩二兄、宮本さんにOKって言ってくれる・・・?」
そして後日浩二は『不幸にしたら叩きのめしますから』と笑顔で恒靖を脅し、
シスコン振りを発揮したらしい。
END?
はい、初のサッカー短編夢。
相互記念で宮本夢リクして下さったちさこ様に捧げます☆
浩二が出張ってる・・・(笑)
anotherはオールスターでは負けたけど他の勝負はって事で(何)
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