Endless



「彼氏が欲しい!!!」



「「 駄目。 」」



広島県とあるマンションの一室。
可愛い妹の願いを即拒否する兄が二人。

「まだ18だろ?には早いよ。」

雑誌を見ながら優しく言うのは和幸。

「もう18だよ!?いい加減1人や2人さぁ…」

「一生作らなくて良い。」

和幸の双子の弟浩司がきっぱりと返す。
そう、この2人はサンフレッチェ広島で
若手ながら大活躍している森崎ツインズ。
今日は久々のオフ日だが体力回復の為に自宅で過ごすらしい。
不貞腐れる

「つまんなーい。いない歴18年て寂し過ぎっ!!」

そう言った瞬間の携帯が鳴り響いた。
ポケットから取り出し通話ボタンを押す。
話し始めたの顔が急に笑顔になる。


「合コン!?行く行くーvvv」


振り返る双子の兄達。
和幸が電話を取り上げる。

「もしもし、兄の和幸です。」

「ちょっと!!和幸兄何して・・・」

「少し黙ってろ。」

抵抗する妹を浩司が抑える。
和幸は電話のの友人と話し込んでいる模様。

「だからは合コンとかには向かないので。
は?いや、がいると盛り上がるって言われても・・・」

「和幸貸せって。
もしもし、弟の浩司っつーんですけど・・・」

押され気味の兄を助太刀する浩司。
は和幸の手により再度拘束。

「いいじゃん合コンくらい!!」

「あんな男だらけのとこ行っちゃいけません。」

「お酒飲むだけだからぁ〜。」

「未成年が何言ってんだ何を。」

お説教を始める和幸。
その肩を浩司が軽く叩く。

「和幸。」

「ん?」



「俺らも一緒に来て欲しいって。」



は目を見開く。
Jリーグで活躍している二人は地元の人気者。
先日和幸がU-21に選ばれアジア大会に出てからは
双子の知名度は全国規模になったのだ。

「無理!!兄ちゃん達来たら大変な事になるんだから!!」

首を横に振り慌てる
しかし当の本人達はそんな事お構いなし。
和幸がしばし考えて言う。


「んー・・・それなら良いか。」









「いい年した女が合コンに保護者つきなんて・・・」


そんな事があってから2時間後の午後6時過ぎ。
は駅前のバーの入り口に立っていた。

・・・兄達と一緒に。

「俺ら保護者って年じゃねえし。
っつーか自慢の兄貴だろ?」

フフンと偉そうに言う浩司。
確かにこの双子見た目も格好良い。
しかも色違いで同じ服を着てきたもんだから、
女子ウケ抜群だろう。
妹のは反論出来ない。

「こんなとこで喧嘩するなよ、入るぞ?」

和幸が話をまとめてドアを開けた。



瞬間



「「「「「「キャ―――vvv本物の森崎兄弟よ!!!!!!!」」」」」」



双子は一気に押し流された。
溜息をつく

「やっぱりねぇ・・・」

予想していた出来事通り。
しかしラッキーな事だとは1人で席につく。
勿論兄に似て可愛らしい目元が印象的な小顔。
ただ居るだけで男は寄って来る。

「初めまして。人気者だねー兄さん達。」

「あ、はい。迷惑かけてスミマセン。」

苦笑する
男は酒を差し出す。

「いいや、凄い兄さんで良いじゃん。俺らも飲もうよ。」

「そうですね、飲みましょう!!」

「「乾杯!!」」

はゴクゴクと一気に飲む。

「美味しーv」

「お、いけるね。もっと沢山飲みなよ。」

「うんうん!!」

お酒初体験の
どうやら気に入ったようで量をどんどん消化していく。
男は次の作戦段階である褒め殺しへ。

「それにしても滅茶苦茶可愛いよね。」

「あはは、お世辞上手いですねー。」

「マジだってマジ!?彼氏とかいないん?」

「いたらこんなとこ来ませんよ〜。」

話しながらも飲み続けていたは顔が真っ赤。
かなり酔ってきているようだ。
男はニヤリと笑う。

「嘘だーそんなモテそうなのに。
でも事実なら俺立候補しちゃうよ?」

「えー本気ですかぁ?」

泥酔中。
その男は耳元で囁く。

「・・・この後さ、2人で抜け出さね?」


「そうしましょうか♪」



そうはさせないのは兄貴2人。



「はい、没収。」


和幸がカクテルを奪い自分で飲み干す。
お持ち帰りしてえのに。
そう思った男は心の中で舌打ち。
しかし表面上笑顔で返す。

「お兄さん達モテモテですねー羨ましいな。」

「てめぇに兄さん呼ばわりされる覚えはねえんだよ。」

浩司がギロリと睨む。
そして男をどけるとの左右の席を陣取った。


「あれー?兄ちゃん達飲まないの〜?」


目もうつろになってきたの頭を和幸が撫でる。

「飲んでる飲んでる。
、お前は自分の限界ってもんを知らないとな。」

「まだ全然大丈夫れすよー・・・ら。」

「何処がだって・・・寝てるし。」

喋った瞬間テーブルに顔を伏せて寝息を立て始めた


「やれやれ、どれ程飲ましてくれたんだか・・・」


ニッコリと男の方を見る和幸。
目だけは笑っていない。
男は後ずさりする。

「こっこんな弱いなんて知らなくて!!」

「まさか酔わせてどうにかしようなんて思ってなかったよな?」

浩司が手をボキボキと鳴らす。
そして双子一緒に



「「 に手出したら殺すぞ? 」」



男はついに観念。
すいませんと謝ると即行で逃げて行った。





「これだから合コンなんて行かせたくねえんだよ。
ったく、ー起きろー。」

騒動も一段落し、
ぶつくさ言いながらを揺する浩司。
むくっと起き上がり目を擦る

「嫌ぁー・・・まだ居る!!」

「どの口が言ってんだどの口が。」

「浩司、俺がおぶるよ。」

「ん、頼む。俺車まわすから。」

そして和幸と浩司は店を後にした。


「「 お邪魔しました。 」」


静かになった部屋。
しかし



「「「「「「羨まし――――――――vvvvvvvvv」」」」」」




女子達の絶叫に男子はコケる。

「はぁ!?あんなん超シスコンじゃん!!」

「何言ってんの!!顔が良ければ有りなのよ!!」

「そうよ!!和幸さんにおぶわれた―――いvvv」

「あたしは浩司さん!!クールで素敵なのvvv」

「それにしてもたまに2人の言動がダブる所・・・双子最高★」

を呼べばあの二人は必ずついてくる。
女子はますますを合コンに誘う決意をするのだった。






「浩司、良い子いた?」

「いねえよ。興味ねえもん。和幸は?」

「俺も。でも彼女位作れば?」

車の中。
爆睡するを余所に2人はこんな会話をする。
浩司は運転しながらミラーごしに後部座席のを見た。



「だってよ、より可愛い女なんかいねえんだもん。」



そのに膝枕している和幸も頷く。


「だよな。がいれば充分。
にも俺らがいる。だから当分に男はいらない。」


「これからも守らなきゃな。」


「ああ。」


こうして森崎兄弟の夜は更けていった。









、おはよう。」


翌朝。
食卓に料理を置きながら和幸が挨拶する。

「頭痛い・・・昨日あたし何かした?」

「別に何も。飲んだくれて寝てただけ。」

TVにリモコンを向けながら返す浩司。
は寝癖の立った頭を軽く触った。

「マジで!?全然覚えてないよー。」

胃薬を渡す和幸。

「弱いんだから無理するなよ?」

「和幸の言うとおり。
っつーかもう合コン行くな。」


「えー・・・でも彼氏欲しいもん!!!」



「「 駄目。 」」



こうしての日常は繰り返される。



END?




はい、奥に続き自己満夢第2段(笑)
大好きな森崎ツインズですvvv
どうしても兄・妹設定で書きたかったんですよね。
気に入って下さったら嬉しいです!!

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