INSIDE *1*


「俺は絶っ対贔屓しないからな。」


が準備の為ピッチにコーンやボールを
出し始めた直後、背後からそんな声が。
振り返っても首を傾げたままの

「えーと…誰だっけ?何か言いました?」


「坂田だ、坂田大輔!!俺は例え
波戸さんの妹だって贔屓しないからな。」

そう、そこに居たのは坂田大輔。
名前すら覚えられてないようでさらに怒り気味。
は少し怪訝な表情で問う。

「贔屓?」

「仕事サボったり選手に手伝わせたり…」

その解答に頭にくる
初の会話である事なんかお構いなし。

「はぁ?そんな事する訳ないでしょ!?
そっちこそどうせ手を抜くって思って偏見じゃん!!」

はっ、子供くさ。
そう言われても言い返せない大輔。
やっと出た言葉が

「え、えと、お前年下なんだから敬語使えよ!!」

「自分より精神年齢低い奴になんかタメ語で充分ですー。」

舌を出してそう言った後はスタスタと歩いていく。
半ばシカトされ地団太を踏む大輔。

「くっそー何だよアイツ!!生意気、すげえ生意気!!」

「ははっ、早速に絡んだのか坂田。」

「しかも負けとるっぽいしな、アホやわ。
に勝てる訳ないやろ、俺と張ってんねんで?」

その様子を見ていたようで歩いて来たのは
の兄康広と大輔を馬鹿にしに来た大介。
大輔の顔は悔しさで一杯。

「波戸さんと似てなさ過ぎっスよ〜!!
口悪いしすぐキレんし…」

は口悪いかもだけど、なんか気に障る
事言わなきゃ怒ったりなんかしないよ?」

「どうせ何かお前が言ったんやろ?」

「それは…」

確かに。
口はお世辞にも良いとは言えないが、
チームの中でを悪く言う者は一人もいない。
しかし絶対に認めたくない大輔。

「でっでも絶対本性隠してるんスよアイツ!!」

「ほぉ…んじゃ観察してみたらどうや?」

「観察?」

「そや、が変な事したら言ってみぃ。
俺もの評価変えてやるさかい。」

「マジっスか!!??
俺やりますよ、絶対暴いてみせます!!」

大介のニヤリとした表情に気付かずに大輔はやる気満々。
康広だけは大介の不敵な笑みに気付いて溜息を漏らした。


「はぁ、あの顔はまた何か考えてるな…」








「お、ちゃん一度にそんなに持てんの?」


ボールを持てるだけ持って歩いていた
それに気付いて手を差し伸べるのは直樹。
しかしは首を横に振る。

「マツさん!あ、大丈夫ですから!!」

「いいって、重いから手伝うし。」

「駄目なんです!!」

意地でも渡さない
不思議そうな表情を直樹が浮かべると、
は不機嫌そうにさっきの大輔との事を話した。
聞いた瞬間直樹は爆笑。

「はははっ!!」

「いきなりですよ!?何なんですかあの坂田って奴は!!」

「さぁねぇ。今までスタッフに絡んだ事なんか
一度もないんだけどな。おかしな奴。」

「悔しいから毎日死ぬ気で働きます!!」

「ま、死なれちゃ俺が困るから程ほどに頑張ってな。」

グシャグシャとの頭を撫でてから
練習の為他の選手達の元へ走っていく直樹。

「あっ、ヤバ!!ボール…」

恥ずかしさからボールを落としてしまうだった。








「…さん!那須さん!!」

「へ!??」


場所は変わって直樹が来る前のピッチ。
何度呼びかけても反応のない大亮の名前を
祐大朗は思い切り叫んだ。
ようやく祐大朗の方に向く大亮。

「もう、何ボーっとしてるんスか。
しかも顔が滅茶苦茶怒ってるし…」

「え、そんな事ないって。で、何か用?」

慌てて否定する大亮。
祐大朗は監督の話聞きましょうよと苦笑する。

「用も何もペアでストレッチっス。」

「あ、あぁゴメンゴメン…」

そしてペアでストレッチ開始。
しかし度々止まる動きに祐大朗は大亮の
厳しい視線の先を見た。

「あれって…」

祐大朗の目に飛び込んで来たのは楽しそうに会話する直樹と
全く大亮の怒る要素など何もない光景だ。
しかし祐大朗は分かってしまった。

「痛っ!」

背中合わせの時に必要以上にキツイ腕の締め。
上に乗っていた祐大朗が声を挙げる程。
丁度その時祐大朗が見たのは直樹に撫でられる


「あーそれでか…」



大亮のを想う気持ちに最初に気付いたのだった。





はい、どーも2話目にございます。
え?坂田のキャラが違う?
知りませーん存知ませーん(最悪)
もうホントに管理人の独断ですがお許しを!!
今までで一番展開の速い連載。続きも頑張ります★


   

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