Real intention




「くっそ・・・!!」


長居スタジアム。
先ほど昇格を懸けた直接対決
アルビレックス新潟対セレッソ大阪が行われたばかりだ。
結果は3−0で新潟の完敗。
控え室に戻り氏原良二は壁に拳を叩きつけた。

「悔しい・・・っ、俺何も出来なくて・・・」

「スエ、悔しいのは皆同じ。
・・・やるだけの事はやったんだ。泣くなよ。な?」

涙を抑えきれない末岡龍二の肩をポンと
叩くのは宮沢克行。
その克行も震える手を強く握って耐えているようだった。

「サポーターの期待に答えられんかった。
こんな結果で・・・顔向け出来へん。」

「テラ・・・監督言ってただろ?
胸張って帰ろうって。」

「そうですよ。
負けたにも関わらずあの声援聞こえませんでした?」

落ち込む寺川能人を小林 悟と深澤仁博が
フォローする。
ベンチにはタオルを頭から被せ表情を隠す高橋直樹。

「守りきれなかった・・・
セルジオさんの穴埋めるって誓ったのに。」

「ナオキ・・・
ホント何がディフェンスだよ。俺も役に立てなかった。」

「いや、俺がもっと攻めれれば。
抜かれたり潰された場面が・・・畜生っ!!」

神田勝夫と安 英学も自分を責める。
部屋の雰囲気がどんどん暗くなっていく。
しかし1人ずっと笑顔を絶やさない人物が。

「また・・・また来シーズンがありますよ!!
それに試合だって全部終わってない!!」

「ノザ・・・」

秋葉忠宏がゆっくりと顔を上げる。
そう、GK野澤洋輔。
今回3得点を奪われ一番辛いのは彼のはずなのに。

「次の水戸戦に最後の力ぶつけましょう!!
俺頑張りますから!!点入れさせませんから!!」

必死に場を盛り上げようとする。
丸山良明が大きく頷いた。

「あぁ、応援してくれるサポのためにも。」

「そうですよ!!
あ、俺監督のとこ挨拶行って来ます!!」







「はぁ・・・」


ゆっくりと扉を閉めて溜息をつく洋輔。
しかし横から肩を叩かれビクっとする。

「お疲れ様。」

・・・何だびっくりさせんなよ。
うん、試合ホントお疲れだよ。」


通訳兼この洋輔の彼女でもある。
そのは首を横に振った。

「そうじゃなくて。
1人で我慢するのお疲れ様って意味。」

「我慢なんか・・・してねえよ?」

声が震えだす。
は笑顔でポンポンと洋輔の背中をさすった。

「よく頑張ったね。
でも辛かったなら言って良いんだよ?」

・・・っ!!」

その瞬間今まで塞き止めていたものが
一気に流れ出した。
自分から見れば小さなの体を強く抱きしめる。

「俺っ・・3点も・・・
俺が・・・――っ止めれば勝てるのに。」

「うん。」

「J1にも昇格出来たのに!!」

「うん。」



「ん?」



「・・・悔しいっ・・・・」



胸に溜まっていたものを全て吐き出す。
は頷いて静かに耳を傾けていた。
やがてふーっと洋輔は大きく深呼吸する。

「有難とな、何かスッキリした。」

「そっか。良かった。
洋輔・・・諦めないよね?」

「当たり前だろー?泣いた。弱音も吐いた。
もう俺の目の前には新しい挑戦への好奇心しかないよ。」

洋輔が心から本当の笑顔を見せる。
はさすっていた手で今度は背中をバシッと叩いた。



「それでこの新潟の守護神野澤洋輔!!!」








「ノザ・・・良い彼女持ってるよな。」


場面はロッカールームに。
と洋輔のやりとりは全て筒抜けだったのだ。
克行がボソッと呟く。

「俺らまで励まされた気しますよね。」

「来シーズンこそ昇格しましょう!!」

便乗する良二と英学。
アルビレックス新潟はまた結束力が高まったのだった。
次こそ・・・




Go to J1!!!!!!!!!!!!!!!




END☆



今凄い負けてショックだったんです。
でもサポが選手達を盛り立てないとと思って、
気持ち切り替えて作ってみました!!



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