「で、誕生日プレゼントは?」


鹿島アントラーズロッカールーム。
通訳のは笑顔で両手を差し出した。
目の前の中田浩二もニッコリと笑う。


「だから、俺をあげるって。」


自分を指差す。
満面の笑みを浮かべる



「要らない。」



即答。
このやりとりに浩二のチームメイト
本山雅志と青木剛は溜息をつく。

「浩二いい加減にしなよ〜。」

「モトさんの言う通りスよ。
ちゃん怒ってんじゃないですか。」

「2人ともさすがあたしの心友!!
ってか浩二酷いよねー超嘘つき。」

拗ね気味にが言う。
今日はの誕生日。
仲の良い選手はブレスレットやら時計やら
が貰って嬉しいものをプレゼントしていた。
浩二は昨日に凄いプレゼントをやると大胆発言をし、
皆を驚かせたが結果はコレ。


「嘘なんかついてないじゃん。
俺自身がプレゼントvvv」



「「「 使えねー・・・ 」」」



三人同時にボソッと言う。
ショック気味の浩二。

「あ、ひっでー。」

「期待して損しちゃったよー。
さて、さん仕事に行って参ります!!」

は冗談交じりに敬礼すると、
雅志や剛に見送られ部屋を出て行った。






「浩二さぁ素直に言いなよ〜。」


選手だけになったロッカールーム。
雅志が浩二に向かって言う。
頷く剛。

「あんなギャグみたいな言い方じゃ
分かって貰える訳ないッスよ。」

ちゃんそうでなくても鈍感だしぃ。」

「だって・・・普段あんな馬鹿なやりとりしかしてないのに、
今更真剣になれって言う方が無理だって。」

反論する浩二。
2人は目を見合わせて返す。



「「 自業自得。 」」



同時に浩二を指差す。
剛は片眉を上げて疑いながら聞いた。

「浩二さん大体本気でちゃんの事好きなんスか?」

「大好き。」

「・・・なんで本人にはそう言えないんですかね。」

米神を軽く掻く。
そして雅志にバトンタッチ。

「今日はちゃんの誕生日だしー、
言うには絶好のチャンスだよ〜?」

「モトー協力してv」

「無理。」

「んだよー・・・剛v」

「嫌です。」

キッパリ拒否る2人。
しかし落ち込む浩二を余所にこそこそ密談。
そして2分後。

「浩二ーちゃんて可愛いよねぇ。」

「当たり前だろ?俺が好きんなったんだから。」

雅志の言葉に当然という風に返す浩二。
剛は続けて言った。


「そんな子に惚れてるの浩二さんだけだと思います?」


「は!??」


目を見開く。
雅志と剛は2人で会話をし出した。

「俺アジア大会行ってる時FC東京の石川さんに
鹿島の通訳の女の子紹介してって言われましたし。」

「あ、そういえば俺もぉ〜。
浦和のヤマさんとかガンバのヤットさんとかにちゃんの事聞かれたー。」

「あと清水の池田さんとかU-20の永田や坂田も。」

「それにぃ、宏太君に・・・」



「だ
―――!!!もう言わなくて良いって!!!」



まだまだ永遠に出てきそうな名前の連呼を
浩二が声を張り上げて止める。
雅志は人差し指を自分に向けた。

「何気に俺もちゃんの事好きだしぃ。
だから協力する訳ないでしょ?」

「あ、スンマセン俺もです。
つまりはちゃんいつ誰と付き合ってもおかしくないんですよ。」

剛が駄目押して言うと浩二は即行で立ち上がる。



「そういうのは早く言えよ馬鹿!!!!!!!!!」



捨て台詞を残してダッシュで部屋を後にする浩二。
残った2人はこんな会話。


「・・・でも、ちゃんが付き合うのは浩二だけだけどねぇ〜。」


「結局俺ら協力しちゃいましたね。」







!!考え直せって!!!!!」


トレーニングルームでアウグストと話していた
その時ドアが大きく音をたてて開き浩二が勢いよく入って来た。
は何がなんだか分かっていない。

「はぁ!?いきなり何言ってんの?」

「だっては色んな奴に好かれてんだろ!?」

必死の浩二にはきょとんとする。

「あーまぁデートの誘いとかの電話はよく貰うけど・・・」

浩二は俯く。


「・・・じゃん。」

「へ?」



には俺をやるって言ったじゃん!!!」



さっきの繰り返しには呆れ顔。

「分かったって。素敵なプレゼントどーも。」

「違うって!!」

「じゃあ何?」



「俺はマジに好きだって告白してんの!!」



さすがに驚いた表情の
浩二の顔は耳まで真っ赤。
小声で言う。

「あ、それと誕生日・・・おめでと。」

「ついでなの?」

はクスっと笑う。
そして


「今から言う言葉訳せたら付き合ったげる。」



『・・・confess seriously from the beginning and be in a lack.
Since I was also before to Koji's thing lover. 』



その場にいたアウグストがに口笛を吹いた。
浩二は勿論訳せるはずもなく完璧に困ったという表情。
さて2人はどうなったのでしょうか?



END☆



(・・・最初から真面目に告白しなさいよね。
あたしも前から浩二の事好きだったんだから。)



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