Nursing


「モトーこの後カラオケ行かね?」


試合の終了した鹿島スタジアム控え室。
ユニフォームを着替えながら中田浩二は
荷物を大急ぎで詰め込む本山雅志に聞いた。

「へ!?コージ何か言った??
あ、時間が勿体ない〜また明日ね!!」

話をマトモに聞く様子もなく
雅志はマッハで部屋を出ていった。
きょとんとする浩二に話しかけるのは小笠原満男。

「コージもしかしてモト誘ったのか?」

「そう!!やっと風邪治ったみたいだから
聞いたのに何なんだよー。」

「それは不可能ってもんだな。」

不貞腐れる浩二に満男は苦笑する。

「不可能?」

「あぁ、さっき俺も飲みに誘ったんだけど、
『みっちゃんゴメン!!ちゃんのとこ行かなきゃ!!』
って即行で断られたし。」

ちゃんが今日なんかあんの?」


雅志が高校の時から付き合っている彼女だ。
前会った時その可愛さに浩二は雅志から奪ってやろうかと考えた程。
逆に敦や隆行なんかはどうやってGETしたのかと
ニヤニヤ絡かいまくっていた。
不思議そうな浩二に満男は頷く。

「あるっていうか…モトの風邪の看病したのちゃんだろ?」

「あ〜モトが嬉しそうに語ってたよな。」



「そのモトの風邪が今度はちゃんに移ったらしい。」









ちゃん!!!」


30分後そののアパートのドアが
大きな音を立てて開いた。
眉を八の字にし不安な顔の雅志登場。
はベットから上半身をむくりと起こした。

「モト君おかえりー。」

「駄目だよ起きちゃ!!
ご飯は食べた?何か作ろう??」

「んーあんまり食欲ないんだよね。」

「少しでも何か胃に入れないと薬も飲めないし…
あ、ちょっと待っててね?」

「?うん。」

首を傾げながらも頷く
5分後雅志は数キレのりんごを持って歩いてきた。
そう、うさぎちゃんの形のりんごを。
はクスっと笑う。

「モト君器用だねぇ。」

「それ本当に褒めてるぅ?
こっちは食欲増進させようとさぁ・・・」

「分かってる分かってる。
モト君どうもね、頂きますv」

の笑顔に雅志の顔はほんのり紅色。
それを隠す為かどうかは分からないが
今度は立ち上がって冷蔵庫に一直線。
の耳にはガラガラと氷の音が聞こえる。
雅志は戻ってくるとの額に手をあてた。

「…熱下がんないねぇ。今冷やすから。」

「あ、気持ち良い。」

「そう?なら良かった。
俺はホラ、手真っ赤だよ〜。」

の首にタオルを当てながら笑って言う雅志。
そこではふと尋ねた。

「そういえばいつもみたいに
浩二君やミツ君と遊んで来なかったの?」

「誘われたけどぉー断りました。」

「何で!?」

「だってちゃんの看病しないとだし。」

「行ってくれば良かったのに。
あたしは1人で大丈夫だよ?」

その言葉に急に雅志の目が潤んだ。
ぎょっとする

「え!?どっどうしたの??」

「ばかぁ・・・」

「へ?!」



「何でもっと俺の事頼ってくれないのさ!!」



手で涙をぬぐって続ける雅志。

「風邪だって元は俺の所為なのに
ちゃん平気平気って・・・」

「モト君・・・」

「俺はちゃんに風邪治してもらったの!!
今度は俺が治してあげる番なの!!」

移してしまった事に相当責任を感じていたらしい雅志。
はその頭を軽くなでる。

「・・・有難う。
モト君に迷惑かけたくないつもりが逆効果だったね。」


「迷惑じゃないもん。
大好きな・・・ちゃんのためなんだから。」


俯きながら恥ずかしそうに言う。

「じゃあお言葉に甘えようかな?」

「そう、それで良いの!!」

雅志の強い言葉には笑ってもう一度有難うと言うと、
ようやく眠りについた。
その寝顔をベットの脇で見つめる雅志。
そしてたまに咳き込むに辛そうな表情を浮かべる。

「移しちゃって本当にごめんね?」

そう言ってからごくっと唾を飲み込む。
そして切実そうに呟いた。



「でもお願いだから…こんな俺のことずっと好きでいて下さい。」









「んー全快全快!!」


翌日。
背伸びをしては元気に言った。
横には看病したまま眠ってしまった雅志が。

「また風邪引いたらどうするんだか・・・」

苦笑して毛布をかけてやる。
しかし目を擦りながら雅志は目を覚ました。

「んー・・・ちゃん!?大丈夫??
ダルくない?医者は・・・」


「もう治ったよ、モト君のお陰v」


笑顔のに雅志はやっとホッと一息する。

「良かったぁ〜。」

「モト君。」

「ん?」



「あたしはモト君の事ずっと好きでいるからね?」



その言葉に顔から耳までどんどん赤くなっていく雅志。
そして声を震わせて返す。

「・・・聞いてた?」

「たぬき寝入りでした♪」

えへっと笑う
酷いよ〜と言いながらも、
雅志の顔は本当に嬉しそうなのでした。



END★




ガンバVS鹿島の時の
モト君に殺られて作りましたvvv
偉い乙女っぽく・・・(笑)



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