オレンジ。 7



「ご馳走様でした!!」

「おばちゃんお勘定!!」

食事も終わりに近づいた時、
他の選手達よりも先にその場を
立ち去ろうとするのは氏原と末岡。
それに気付き山形が急いで蕎麦をかっこむ。

「ウジさん卑怯スよ!!
じゃんけんで決めたじゃないですか!!」

「無効ですー!!
食うの遅いのが悪いんだよ、馬鹿ノリ!!」

毒舌。
そして急いで三田の車に走って行く。
その時負けてたまるかと立ち上がる山形の腕を
宮沢が掴んだ。

「落ち着けって。」

「だってミヤさーん・・・」

「ノリとヨンハは俺らが交代するから安心しろ。」

深澤の言葉に2人の顔がパッと明るくなる。

「「マジっすか!??」」

「お前らっつーか五月蝿ぇのウジとスエだけだろ。」

確かに。
他のメンバーはその2人の闘争に巻き込まれたと
言っても過言ではない。
高橋が笑顔で三田と目線を合わせる。

「じゃ、ミタ後は頼んだから。」

「うぃーす・・・」






「「何で!!???」」


そして全員が食事を終え車に乗り込む。
三田の愛車の後部座席で今か今かと
待っていた末岡と氏原は呆然。
車に入って来たのは三田に宮沢・深澤。
肝心のいない。

「マサさん…ちゃんは?」

「あっちの車。」

末岡の問に深澤が野澤の車を指差す。
が助手席で笑いながら手を振っていた。
他にもあかんべーする小林に
メッチャ嬉しそうにガラス窓を叩く山形と英学。

「ずっりー!! 俺もあっちの車が良いッス!!」

「甘い。」

ドアに手をかける氏原にバックミラー越しで
気付いた三田がすぐにアクセル全開。

「あ゛
――最悪。折角ちゃんと同じく…痛っ!!」

「ったく俺だってとばっちりじゃねえかよ。
じゃんけんちゃんと勝ってんのによ…あたっ!!」

諦めたように体をソファに預ける二人に
助手席から宮沢がかなり痛いでこぴん。


「お前ら騒がしいからお仕置き。」







「あの、良かったんでしょうか?」


前を進む車の氏原と末岡の表情に
心配そうに高橋の方を見る

「あー大丈夫大丈夫。
ちゃんが気にする事ないから。」

「でもウジさんとスエさんの様子が…」

「元々おかしいから気にする事ないって。」

さらりと酷い英学。
しかし小林はうんうんと頷く。

「車なんか別にどうでも良いじゃん、
あいつらテンション高すぎんだよ、な?ナオキ。」

「じゃあサトルさんあっちにしますか?」

「絶対嫌。」

ニヤっと笑う高橋に小林は即拒否。
それでもなお申し訳なさそうなの肩を
山形がポンと叩く。

は何も気にすることないからさ♪
あ、ノザさん‘月岡温泉’の標識ありましたよ!!」

そう言う山形の顔は輝き
鼻歌でも歌いそうな程に嬉しげ。
話を振られた野澤も心なしかハンドルさばきが楽しそう。


「あ〜静かって幸せ☆」


一番喜びをかみ締めているのだった。






 

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