Shoot!! 11蹴
「んじゃちゃんオヤスミー♪」
浩二が笑顔で言う。
時間は午後11時。
卓球に熱中してこんな時間になってしまったのだ。
もお辞儀を返して部屋に戻る。
「ちゃん?」
ドアノブに手を掛けた所で誰かに呼び止められる。
その人物はの叔母だった。
「今日一日お疲れ様vどうだった?」
「楽しかったです!!
選手の皆さんも本当に良くしてくれるし・・」
「あいつらちゃんとあたしで態度違いすぎるわ、全く!!」
膨れっ面の叔母を見て笑う。
「そんな事ないですって。
叔母さん滅茶苦茶信頼されてますよ?」
「だったらもう少し優しくしてくれたっていいと思わない?」
「うーん・・・皆にとって叔母さんて甘えられる存在なんですよ、きっと。」
「そう?」
「そうですよ!だから絡んだり拗ねたり出来るんじゃないかな。」
そう言うを微笑して見つめる叔母。
「ちゃんの言う事って全部信じたくなるわね。
それもちゃんの徳の為せる技なのかしら・・・??」
何を言っているのか気付かず首を傾げる。
首を横に振って何でもないと言うと叔母は自分の部屋に戻って行った。
「さてと。今日の分書かなきゃ。」
も部屋に入り椅子に腰掛ける。
机には何やら沢山の白い紙。
は眼鏡を掛けると鉛筆を持った。
「イチ君と楢崎さんの怪我は大した事なし・・・と。
森岡さんは少し右足に痛みがあるって言ってたでしょ?それに・・・・・・」
「あれ、まだ寝てないんか?」
寛晃が言う。
1階の大広間、そこにはソファに座ってTVを見つめている英寿と敦がいた。
先に気付いた敦が寛晃の方を向く。
「モリシさん!!いや、ヒデがコレ見てたから俺もつい・・・」
敦が画面を指差す。
映っていたのはW杯予選での初戦の相手・ベルギーのプレー場面だった。
ほぅ。と言って寛晃も腰を下ろす。
「コレ俺見た事ない奴やな・・・」
「今日の練習試合の奴らしいです、さっき届いたばっかりで。
俺が監督にすぐ見たいつったんスよ。」
視線をTVに向けながら簡潔に述べる英寿。
寛晃もすぐに画面を見て意見を言い始める。
「あ、此処でヒデが抜けられればチャンスあるんとちゃうか?」
「俺もそう思います、一番最善なのはタカへのパス。」
「タカさんにはもっと前に走ってて貰うよう言わないと。」
「他にもDF4人もおるわりには穴がありそうやな・・・」
「明日全員で見るからその時に検討した方がいいと思います。」
「あーおしいって!!パスカット上手いっ。」
熱中して話あう3人。
勿論W杯で悲願の一勝目を飾るために必死なのだ。
「あっ、そこ!何か違和感あるんだよなぁ・・・」
急遽マッサージ室となった小さな部屋。
医療系のトレーナーに腿を押してもらっている明訓が言う。
「今日のあれじゃないスか?
ヘディングでシュートしてから着地した時の。」
「うわっ、ちょっとしこりありますって。」
同部屋、椅子に座って返すのは智和。
痛々しそうに目を瞑るのは満男。
「あーそうかも。明神よく見てたな。」
「ちょっと無理な体勢だったような気がしたんで。」
「あんま無茶なプレーは避けないとスよね。」
「ベルギー戦まであと少しだもんな・・・」
顔をベットの側に俯ける明訓。
満男が話し始める。
「ワントップのビルモッツは手強いスよね。」
「それはマツさんやツネさんに任せようって。」
「俺はFWの視点からいくとファン・デル・ヘイデンが嫌だ。」
「ディフェンスも上手いけど攻守共にやる選手ですもんね。」
「速さで対抗出来るか・・・・・」
ベルギーについて感じた事を言う。
赤い悪魔は体格的に日本より勝っている。
だからこそ日本は技・チームプレーで頑張る。
この小部屋でも話し合いは夜中まで続いた。
「なぁ、今丁度DF三人やしラインコントロールどうしたいか聞きたいんやけど。」
に挨拶したあと恒靖が言う。
直樹と浩二は足を止めた。
「ライン上げすぎるのだけは絶対避けたい。」
浩二が意見する。
それに反論するのは直樹。
「でも下げたまま突破されたらそれこそ終わりだろ?」
「両側つまり俺とマツさんが上がり過ぎるんスよ、
ツネさんが両側カバーするのってかなり辛いですって。」
「やっぱりとにかく実践してみんとな。
何か今日の夜にベルギー戦のビデオ届くんやって。」
「んじゃそれに合わせて対策練らないとだな。」
DFチームは口論となる。
やはりトルシエが導入したフラット3はまだ完璧とは言えないのだろう。
それぞれがW杯に向けて真剣に悩んでいた。
毎回恋話だとサッカー選手っぽくないので(笑)
今回は仕事を真面目にやる主人公や試合に臨む選手達書いてみました。
えっとこの話はW杯前1週間という設定です!!
今頃かよ!?ってツッコまないで下さい^^;
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