Shoot!! 13蹴
「・・・遅くなっちゃって御免なさい。」
その声に叔母が振り向く。
既に朝食も終わり選手達はピッチで軽い柔軟を始めていた。
「あら、ちゃん顔色悪いわよ?どうかした?」
「え?いえ、何でもないんです、ホント!!」
首を大きく横に振ると叔母の隣に座って道具の整理をする。
勿論大祐に告白された動揺を仕事で吹っ切ろうとしているのだ。
不思議そうにを見てから視線を元に戻す叔母。
「それなら良いんだけど・・・明日は練習試合だから何かあったら困ると思って。」
そう、明日は久しぶりの練習試合。
普段はゼッケンの有無に別れての軽い紅白戦だったのだが、
今回はチームプレーの成果を見るため実践を兼ねて行うのだ。
「あ、大丈夫です!!試合が見れるなんて嬉しいですしv」
「確かにねえ。非公開なんだものスタッフ位よ?
こんな豪華な試合貸し切って見れるの。」
の反応に叔母が冗談風に笑って返す。
「姉さん、ランニングって何周だっけ??」
その声と共に走ってくるのは背番号1・GKの川口能活。
叔母が立ち上がって腰を伸ばす。
「んー・・・取りあえず10周×3ってさっきフクに言ったはずなんだけど聞いてない?」
「あっあれ?そうだっけ?」
「そうよ。あ、でも隆三は別よ?完璧完治とは言えないから5周×3。」
「そっか、分かった。でも聞きたい事山のようにあるからちょっと来て!!」
「は!?ちょっと能活??」
叔母の腕を引っ張りピッチの方に連れて行く。
その途中後ろを振り返り川口スマイル。
「ちゃん、姉さん30分位借りるな?」
「はい・・・・・・・・・」
何事かと思いながらその光景を見つめる。
そしてまたしゃがんで荷物整理。
そのに黒い影が被さった。
後ろの方に首を向ける。
「イナさん!!」
影の主は潤一。
潤一はニコッと笑うとの隣に腰を下ろした。
「どうしたんですか?」
「んー・・・正直言うとな?」
「はい。」
「ちゃんに言いたい事あったから、
能活さんに頼んで姉さん連れてって貰ったんよ。」
気の毒そうな能活を見ながら爆笑する。
そして今度は潤一の方を見る。
「まーた叔母さんに怒られるような事したんですか?」
「んー・・・まぁある意味怒らすかもなぁ。」
「かも?」
「これからの事やから、それは。
それよりさらに暴露してもええ?」
潤一は一呼吸置いてからゆっくりと話しだした。
「あんな?俺タカさんがちゃんに告白したの見ててん。」
が目を見開く。
慌てて弁明する潤一。
「あっあの、ちゃうで?ワザとやないから!!
ゴミ捨てに行ったら偶々タカさんとちゃんおって・・・」
「そうですね・・・・・ハイ、いました。」
小さく返す。
「別にバラすとかそういう気持ちはないから安心してな。」
「じゃあ何で・・・?」
てっきり茶化しに来たと思っていたは首を傾げる。
鼻の頭をかきながら恥ずかしそうに言う潤一。
「いや、あの・・・俺もちゃんの事好きやからショックや思て。」
朝の大祐に続いて本日二人目の告白。
さすがに此処まで来たらも冗談だと思ってしまう。
「お世辞でも嬉しいです、有難う御座いますv」
「は!?お世辞やあらへんって!!」
「だってイナさんみたいな凄い人があたしなんか・・・・・」
「・・・ホンマやって言ってるのに。」
「ん!」
そこでの思考は止まった。
当たり前だ。
潤一の唇が自分のと重なっているのだから。
電光石火のキス。
潤一の体では隠され、はたからは何をしているのか全然見えない。
「これでも信じられへんかな・・・?」
すぐに唇を離すとまたの隣に座る。
頭が真っ白で何も考えられない状況。
そんな事知らず潤一は続けて言う。
「タカさんがちゃんに告った時な?
ホンマにどうしようもない位に動揺してる自分がいたんや。」
「・・・・・・」
今起きた事を必死に理解しようとして頭をフル稼働させようとする。
しかし考えれば考えるほど顔は真っ赤になっていくばかり。
喋る事すらままならない。
「来た時から可愛いなって思っとったけど、
改めて再認識したわ、ちゃんの事好きなんやって。」
そして立ち上がる潤一。
ズボンに付いた草を掃う。
「返事ちゃんの帰る時までに聞かせてくれると嬉しいんやけど。」
「・・何で・・・何であたしなんか好きになってくれるんですか・・・?」
声を震わせながらも言えた一言はこの言葉。
隆行に告白されてからずっと思っていた事。
潤一はまたに向かって満面の笑みを浮かべる。
「どっかで聞いた事あるんとちゃう?
好きになるのに理由なんかないって。」
「理由が・・・ない?」
「強いて言うなら本人でも気付かない魅力があるとか。
少なくとも俺はちゃんは好きになる価値ありまくりやと思うで?」
そう言うと潤一はに向かって手を振り、
明日はちゃんの為に勝つわなど付け加えピッチにダッシュして行った。
その直後戻って来る叔母。
「全く、山ほどとか言って聞く事一つもないんじゃない!
あら?イナ何かあったの?・・・ちゃん?」
の目の前で手を振ってみる。
全く反応はない。
さっき同様不思議な目でを見つめる叔母。
「やっぱり、今日のちゃん何か変なのよねぇ・・・」
ギャ―――――――――!!!!!!!!!!
御免なさい、寒いです、すいません(パニック)
キスなんかさせるつもりは全然全く本当になかったのに・・・
所詮靖樹の甘い小説なんてこんな駄文です(汗)
馬鹿な奴ですが、カキコで感想や励まし等頂けると本当にやる気出るので、
是非お願いします(><)←切実
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