Shoot!! 18蹴

「さて、じゃあ出発!!」


年宏のその声にウースと返す選手達。
全員がバスに乗り込み試合先に向かっている所だ。
も汗をシャワーで流し、朝食も食べ終え準備万端。
右隣に座っている敦は折角のチャンスにも関わらず疲労の為爆睡。
窓越しに外を見る

「うわっ、凄い人・・・」

「早朝に皆暇やな〜。」

そのの前から恒靖が冗談めいた口調で言う。
窓からは景色が見えない程につめ掛けたサポーター達の姿。
さらにの斜め前、恒靖の隣では直樹がクスクス笑う。

「ツネ酷ぇな。俺らの為に来てくれてんだぜ?」

「でもベッカムヘアーおるで?(笑)」

父親に肩車された茶髪の子供を指差す恒靖。
さらにその二人の席の前からは雅史と豊が顔を出す。

「お前ら手ぐらい触れよ、俺みたいに☆」

「・・・何か修学旅行みたいだな。」

豊の言葉に同感だと頷く
選手達のはしゃぎようは学生レベルだ。
その時の肩を後ろから誰かが叩く。

ひゃんも食う?」

ピンクのガムを口に咥え言うのは中田浩二。
その隣では潤一がガムを膨らますのに必死になっている。

「いいんですか?」

「勿論。野球選手とかでもリラックスの為に食う人いるじゃん?」

「そうですね。じゃあお言葉に甘えてv」

ガムを口に入れる
甘い香りと味が一瞬にして伝わってくる。

「あ、美味しいー!
そういえばガムなんて久しぶりに食べたかも・・・」

「マジ?あげた甲斐あるって感じだって!!・・・あ。」


パンッ!


「うわっ、最悪や。何すんねん俺の最高記録を!!」


潤一が涙目で言う。
嬉しがりながらも潤一の風船を割る事は忘れない浩二だった。
そして程なく、前方には磐田スタジアム。
選手達は背伸びをして各々の荷物を持った。






「っしゃーホームなんて気合入るな。」


今日はボランチとして起用される予定の崇史が言う。
既に静岡産業大学の選手達は着いているようだ。
非公開の為少数のスタッフしかいないスタジアムに足を踏み入れる。
は会場を見渡して嬉しそうに笑った。

「スタジアム初めて来たけど・・・大っきいー!!」

「何や、初めてなん?」

後ろから歩いてきた恒靖が言う。

「はい!!バスケとか体育館のはよく観に行くんですけど。」

「じゃあやっぱり初勝利もプレゼントせな。」

「有難う御座います!!頑張って下さいね。」

「いや、もう姉さんに言われるよりやる気満々なるわ。」

プロテクターをつけ気合十分。
ピッチには敵・味方構わずユニフォームの連中がゾロゾロ入ってくる。
その中に一人混ざった女性。



「ツネぇ?誰に言われるよりやる気になるですって?」



そう、それは目は笑っていないが笑顔の叔母。
ニヘっと笑い返し恒靖はダッシュで中央へ。
そして試合開始が近づく。







「はぁ・・・めっさ怖かったわ、姉さん。」


「何、また怒らせたのか?」

恒靖の言葉に苦笑するのは英寿。
首を横に振る恒靖。

「ちゃうって。ちょっとからかっただけや。」

「それで十分怒らせてると思いますけど・・・」

後ろでボソッと満男が言う。
その首を絞める。

「一言余計やねんミツは。」

「ぐ・・・ぞっぞれよりいいんスか・・・?」

苦し紛れに静岡産大の選手を指差す満男。
何だと恒靖や隆行、敦や直樹までが顔を向ける。
静岡産大の会話。



「なぁ、あそこの小野さんの隣に座ってる子可愛くねえ?」

「俺もそう思った!!誰だろうな?」

「あ、俺聞いてきたぜ。日本代表の見習いのトレーナーだって。」

「マジ!?じゃあ運良ければあの子に手当てして貰えたりとか・・・」

「おっ俺頑張ろうっと!!」



日本代表に丸聞こえ。
に好意を寄せている選手達は敵意むき出しだのなんの。
手をバキバキ鳴らす敦。

「俺のちゃんに手出そうなんて・・・
そのゴール絶対ぇぶち破ってやる。」

「お前のやないけどな。
取り敢えず俺もGKまで回さずにボールクリアーしたるわ。」

「ツネに同感。
日本代表の怖さ思い知らせてやる。」

直樹も便乗。
静岡産大も何か不吉なオーラを感じ押し黙った。





『では、日本代表対静岡産大の試合を始めます!!』




――――ッ!!!!!






キックオフ!!!!





はい、練習試合です。
対静岡産大ってのは本当にあったのですが、
Shoot!!では試合内容を大幅に変える予定です。
得点したのは西澤よ!!とか思っても大目に見てやって下さい(笑)


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