「やー何かこっちまで緊張しちゃうなぁ・・・」
スコアボード片手にが呟く。
隣に座って笑う伸二。
「緊張するならせめて負けそうな時にして欲しいな。」
伸二の声を聞きドキッとする。
昨日の夜告白されたのだから当たり前だ。
まともに顔を見れずスコアボードを書きなぐる。
「そっそうですね・・・あ、福西さんフリーキック！」
ピッチを見てが言った。
ちなみに今日のスタメンは
FW：鈴木隆行 柳沢敦
MF：福西崇史 中田英寿 小笠原満男 戸田和幸 稲本潤一
DF：中田浩二 宮本恒靖 松田直樹
GK：楢崎正剛
この１１人。
そして開始５分日本代表はフリーキックのチャンスを得た。
FWだけでなくDFの直樹までもが静岡産大のゴール前に集中する。
崇史が蹴ったボールは綺麗に曲がり敦のところへ。
「あーくそっ！！」
しかし惜しくも敵のDFのクリアー。
地団太を踏む敦。
どんまいという風に隆行は敦の肩を叩く。
再び今度は守備のために走る日本代表。
次はMFの出番。
「甘い！！」
和幸の即行のパスカット。
そしてボールは英寿の所へ。
しかしやはり英寿は思いっきりマークの対象。
左斜めの満男にインサイドでパスを送る。
今日は絶好調の様子の満男。
立て続けに二人を抜き去り鈴木隆行に最高のクロス。
バシュッ！！！！
「っしゃああぁぁ！！！！！！！」
見事なヘディング。
吠える隆行。
敦や満男などが隆行の背中に乗ってくる。
前半１５分。
日本代表先制。
「凄い！！鈴木さんも小笠原さんも凄い！！！」
ベンチではが歓喜の声を挙げる。
豊や年宏とも手を打ち合い本当に嬉しそうにしている。
明訓や伸二はこのの様子に試合に出たいと切実に思った。
しかしこの後静岡産大が攻める。
直樹と恒靖の間を抜かれてしまったのだ。
慌てて戻る二人。
「ちくしょっ！！」
「しもた！！あかん！！」
静岡産大のFWゴール近くへ。
だが日本代表を舐めて貰っては困る。
「DF抜いたからって打たせて貰える思うな？」
そうまだ鉄壁の守りがいた。
守護神楢崎正剛。
朝練の成果も目覚しい。
先に飛び込んでいきシュート体勢にさせない。
すぐにボールを奪い直樹にパス。
はもう大興奮。
「楢崎さん格好良い！！ナイスセーブ！！」
日本代表が前半有利に進め残り１０分。
そこで
ピピーッ！！！
審判の笛が鳴る。
ピッチで足を抱えてうずくまるのは背番号５、稲本潤一。
ヘディングで競り合い着地に失敗したらしい。
即座に担架で外に運ばれてくる。
叔母と慌てて潤一の所へ向かった。
「イナさん！！」
「早く！俺すぐ戻らな・・・」
コールドスプレーを思いっきり足首に吹きかける。
「待ちなさい、取り合えず診ないと。」
「大丈夫やって！！」
ウズウズしている潤一を余所にゆっくりと箇所を診る叔母。
そしてふっと一息。
「軽い捻挫ね。内出血もしてないし。
ちゃん、テーピングで固定してくれるかしら？」
「あ、はい！！」
鞄からテープを取り出し丁寧に巻きつける。
その数分の間に潤一は水分補給。
そして治療は完了。
靴を履いてつま先をポンポンと地面で叩く。
「オッケ！サンキュ。
あ、ちゃん応援宜しく頼むわ！！」
笑顔で走って行く潤一。
落ち着く暇もなく今度は静岡産大の選手が額に出血をしてこっちへ来る。
目まぐるしい忙しさ。
そして前半終了。
「で、多分右サイドのDFは変えてくるはずだから・・・」
ハーフタイム。
控え室に戻った選手達は作戦会議に。
トルシエ監督も英寿を中心に細かな事を指示しているようだ。
ちなみに後半から出場するのは敦に代わって雅史。
満男に代わって大祐が入る。
はピッチの所々に設置してあるスポーツドリンクの補充。
その後は救急道具の整理。
トレーナーだって休む暇はない。
「あ、後半始まっちゃう！」
ピッチ脇のベンチで時計を見て叫ぶ。
そこに後ろから声をかけるのは直樹と崇史。
「ちゃんこんなことにいたのか。」
「マツ、早く戻ろうぜ。」
「え！？」
どうやらを探しに来たようだ。
は二人に連れられ控え室に。
「よし、これで全員集まったな。」
年宏が言う。
控え室には選手を始め叔母や他のトレーナー全員が集まっている。
首を傾げる。
「どうして皆さん・・・？」
「気合入れ。」
の右隣のが正剛がそう返して、円陣を組む。
左隣には隆行。
「俺らはさ、一人でプレーしてる訳じゃないじゃん？」
「そ。此処にいる皆で頑張ってるんだ☆」
雅史も便乗。
そして全員で腰を落とす。
今日キャプテンマークをつけている恒靖が叫んだ。
「後半もっと点差離すで！！！ええな！？？？」
「「「「「 おうっ！！！！！！！！！！！！！ 」」」」」
プレーの描写適当っ！！（爆）
