Shoot!! 23蹴


「暑い・・・」


楽しい宴会会場の庭から離れ、
は宿舎の椅子に座っていた。
英寿や正剛の酒のペースには到底付いていけなかったのだ。
2杯飲んだだけで頭がクラクラしてくる。


「あれ、こんなとこにいたんだ。」


その声には振り返った。
歩いてきたのは崇史。

「福西さん!!ちょっと飲み過ぎちゃって・・・」

「顔真っ赤じゃん。あ、そうだ。」

「へ?」

首を傾げる
崇史は一旦庭に戻り水を一杯持って来た。

「酔い覚ましにもなるし、少しは気分良くなるかも。」

「有難う御座いますvvv」

笑顔で受け取る
崇史は隣の椅子に腰を下ろした。

「そういえば福西さん何で此処に?」

「え、あ、うーん・・・」

「?」

いきなり言われドキっとする崇史。
は不思議そうにしている。
崇史はゆっくりとに聞いた。

ちゃんてさ、人に告白した時ある?」

「え、どうしてですか??」

「いや、ちょっと聞いてみたくなって。」

「ない・・・ですねぇ。」

今までの経験を振り返りながら答える。
崇史は腕を組んで言った。

「んー俺もさ、人に告白した事ないんだよな。
断られたら何か今まで積み上げて来た物が崩れそうで…」

「それ分かります!!凄い怖いんですよね。」

便乗する
苦笑しながら崇史は頷いた。

「俺も今までずっとそう思って来たんだ。
でもそうやってこもってるから本当に好きな奴と付き合えないんだって。」

「福西さん・・・」

崇史はの方を向いた。
物凄く真剣な眼差し。


「・・・俺今言わなかったら絶対後悔する。」




ちゃんの事本気で好きだ。」




沈黙。
は何も言えずに俯いている。
崇史は笑って大きく息を吐いた。


「っあ―――緊張した!!」


その言葉に顔を上げる
崇史は立ち上がる。

「気まずくなるとか思ってたけど意外に大丈夫なもんなんだな。」

「あの、返事は・・・?」

恐る恐るが聞く。
崇史は上を向いて考え中。

「んー俺気持ちを言えた事自体で凄ぇ満足してるんだ。
だから返事を強要するつもりはないよ。でも・・・」

「でも?」



「もし、俺と付き合う気があるなら返事下さいって事で。」



笑って言うと崇史は庭の方に戻って行った。
頭の痛さは酒の所為なのだろうか。
それとも・・・








「ツネ・・・さん?」


思考をはっきりさせる為もう一杯水を飲もう。
そう思ったは庭ではなく食堂に向かった。
そしてドアを開けたところでテーブルに1人で座っている恒靖に気付く。

「あ、ちゃん。」

「お帰りなさい!!大丈夫でしたか??」

水の事などすっかり忘れ恒靖の元に駆け寄る。

「・・・ん。心配かけてゴメンな。」

「どうかしたんですか?」

明らかに元気のない恒靖。
まぁ怪我の事を考えれば無理もないのだが。
恒靖は苦笑する。



「あんまな、怪我の状態良くないねん。」



軽く言っているがの目には強く握り締める拳が映っていた。
相当気持ちは辛く苦しいのだろう。
敢えてそれを表情に出さない恒靖。

「そうなんですか・・・」

「え?いや、何でちゃん泣いてんねん!?」

「へ!??」

は顔に手を当てた。
自分でも気付かずに涙が零れていた。
慌てる恒靖。

ちゃんが泣く事あれへんやろ?」

「そうなんですけど・・・何か、御免なさい。
こういう時励ましてあげられない自分が情けなくて・・・」

「いや、もう充分やって。
そこまで考えてくれるだけで俺は励まされとるで?」

「ツネさん・・・」

渡されたティッシュで涙を拭く
恒靖はプロテクターを取り出した。

「とにかくコレして頑張らんとな。
でも視界狭くて不便やし、極めつけに格好悪いやん?」

を笑わせようと付けてみせる恒靖。
プロテクターは白く、付けると選手としては弱そうに見える。
閃いたようには席を立った。

「ツネさん、それ少しお借りしても良いですか!??」

「別にいいけど・・・どないすんの?」

「それは秘密ですv」

「何や、気になるわー。」


「ちょっと待ってて下さいね!!」



はそう言うと自分の部屋にダッシュして行った。




予告通りの福西選手ですv
関西弁だったの気付いたの大分後だったので、
Shootでは標準語で勘弁して下さい^^;

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