「お待たせしました！！」
３０分ほど経っただろうか。
恒靖のいるリビングに息を切らせた
が戻ってきた。
「遅くても逃げはせんよ。
でも急にどないしてん？」
苦笑してから首を傾げる。
は恒靖から借りたプロテクターを取り出した。
「すいません、綺麗にしようと思ったら
時間かかってしまって・・・」
「！？・・・コレ、ちゃんが？」
「ハイ！！」
頷くに驚いた様子の恒靖。
無理もない、プロテクターは
何処も彼処も全て真っ黒に塗られていたのだから。
はニコッと笑い恒靖にそれを手渡す。
「黒って相手を怖がらせる作用があるんですよ？
・・・頑張って下さい。」
恒靖はそう言うの手を見た。
ところどころ油性ペンがついている。
「頑張ってくれたんやなぁ。」
「いえ、大した事やってないですよー。」
「あ、頬にもついとるで？」
クスっと笑いの右頬に手をやる。
「ホントですか！？いつつけたんだろ？？」
「ちゃん・・・有難うな。」
不思議そうなに優しく言う恒靖。
は首をぶんぶんと横に振る。
「そんなっ！！
ただツネさんが少しでもやる気になってくれればと思って…」
「充分やる気になっとるよ。・・・ちゃんのお陰や。」
その言葉にの表情はパッと明るくなる。
恒靖は早速そのNewプロテクターを装着した。
「どうや？鏡ないから俺じゃ分からへんねん。」
「似合いますよ！！
良かった〜迷惑って言われたらどうしようかと・・・」
ホッとした様子の。
そこに宴会を終えた浩二や智和が通りかかる。
「うわっ、ツネさんイメチェンですか！？」
「格好良いですよ！！それに強そうス！！」
「あ、ホンマに？これちゃんがやってくれてん。」
「羨ましーちゃん俺にも作って？？」
得意げな恒靖に浩二も上目遣いでにお願い。
しかし恒靖がそれを遮る。
「駄・目・や。コレは俺だけの特権やねん♪」
「ちぇ。良いな〜。」
拗ねる浩二。
はその光景にクスクスと笑みを漏らす。
その後続々と戻ってくる選手達全員に
恒靖がからまれたのは言うまでも無い。
「ちゃんてホンマええ子やなぁ。」
を含めほとんどのメンバーが各自の部屋に戻った深夜。
恒靖はやっと気分が晴れ酒を飲み始めていた。
付き合っているのは敦と英寿。
「当たり前だろ？何言ってんだ今更。」
「いや、前から思っとったんですけど、
今日の事とかで改めて思いましてん。」
「確かに選手のために此処までやってくれる子
ちゃん以外にいないな。」
「せやろ！？何か俺…むっちゃ感動したわ。」
ちらっとプロテクターを見て言う英寿に
うんうんと強く頷く。
そこでほんのり酔っている敦が頬杖を付いて言った。
「ちゃんて本気で付き合ってる奴いないのかな。」
「いないと思いますよ？」
「何でヒデにそないな事分かるん？」
即答する英寿に恒靖の頭には疑問符。
英寿は残り少ないウィスキーを一気に飲み干した。
「だってタカさんの告白に彼氏いるからって断らなかったらしいし。」
恒靖は崇史に聞いた事を思い出し納得した様子。
しかし頭が真っ白の敦。
「は！？何ソレ！？タカさんが何だって？？」
「知らないんですか？タカさんがちゃんに告白したの
もう選手達の間ではかなり広まった話ですよ。」
「全く知らなかったし・・・」
驚く敦。
恒靖は新たな疑問を英寿に問う。
「ちゃん返事してないん？」
「そうらしい。まぁ会って１日目だったし、
すぐ決断しろってのも無理だとは思うけど。」
「あーせやなぁ、いきなりやもんな。」
「１日目！？？」
新たにどんどん出てくる新事実に敦は茫然。
軽く頭を掻く。
「ヤッバいなぁ・・・」
「？何がですの？」
「へ！？いや、別に何も！！」
慌てて誤魔化す敦。
しかしすぐに英寿が駄目押しの一言。
「ヤナさんもちゃんの事好きみたいですね。」
敦の顔は真っ赤。
何と分かり易い人なのだろう。
英寿は微笑する。
「別にバレたからってどうなる訳じゃないですし
安心して下さいよ。」
「お前なぁ・・・恥ずかしいって気持ち分かんねえの？」
「ヒデは何かちょっとズレてますんで気にせえへんで下さい。」
恒靖が慌ててフォロー。
英寿は続けて大胆発言。
「それに俺もちゃんの事好きだし。」
これには２人とも目をパチクリ。
「そっそうなん？」
「隠す事じゃないから言ったまでだよ。」
平然と酒を注ぐ。
敦は心配そうな表情。
「あの、ヒデは告白とか・・・」
「まだしてませんよ。」
「まだっちゅー事は？」
「近々告白する予定はあるな。」
簡潔に答える。
言い知れぬ不安感を抱く恒靖。
どんどんと焦りを感じる敦。
そして３人の夜は更けていった。
はい、予想通りという主人公の行動です!!
そして次の相手は誰でしょうね？
多分この３人の中の誰かだと思います（曖昧）
