Shoot!!25蹴


「やばっ!!朝食始まりそう!!」


翌日。
昨日の徹夜が響いて爆睡してしまった
時計を見て慌ててKappaの服に着替えた。

「あ、ちゃんおはよう。」

「柳沢さんお早う御座います!!
良かったぁ、間に合って・・・」

ホッとしながら残り一つの席に座る。
隣は敦で前二人は智和と直樹。

「疲れたまってるなら寝てても良かったと思うよ?」

「明神さん心配有難う御座いますv
でもホントもう全然大丈夫ですから。」

ニコッと笑うに選手達も一安心。
全員が揃った所で朝食を開始する。

「今日は和食系か、俺好み。」

直樹が四角い箱に仕切られたおかずに満足そうに言う。
そうですねと笑って返すに敦が話しかける。

「そういえばちゃんていつまで此処に居れんの?」

「あたしですか?んーと、今日入れてあと3日ですね。」

「嘘!?もうすぐじゃん!!」

ショックと焦りを同時に感じる敦。

「そうなんです。でもベルギー戦は
家で絶対応援してますから!!」

「そっかぁ・・・かなり寂しいなぁ。」

智和もしんみりした様子。

「それはあたしもですよー。」

ちゃんみたいな良いトレーナーはそうそういないしな。」

「マツ、それあたしに喧嘩売ってんの・・・?」

隣のテーブルで話を聞いていた叔母が
直樹の発言に笑顔で拳を握り締める。

「あ、そっそっかぁー姉さんがいたの忘れてたぁv」

「最初からそう言いなさいね?」

「・・・はい。」

笑顔で誤魔化す直樹。
は二人のやりとりを笑いながら見つめる。

「とにかくさ、ちゃん死んでもトレーナーになりなよ?
それでまた日本代表の合宿に来てもらわないと。」

「嬉しいです、頑張ります!!」

敦の励ましに感激する
凄く楽しい朝食となった。








「あ、ちゃんその水貰える?」


そして練習開始から2時間。
の持っているペットボトルの水を
息を切らしながら敦が指差す。

「どうぞどうぞ。
柳沢さん今日凄く調子良くないですか?」

「サンキュ。今日ねーぶっちゃけね、
マジで良いよ。コンディション最高。」

頭から水をかけながら笑顔で言う敦。

「W杯目前で良い事じゃないですか。
このままを保てると良いですね!!」

「うん、俺もそう思う。
かなり良いよ、今回。持続させたいね。」

からタオルを受け取り顔を拭く。

「あーサッパリした。」

「でも何か好転するきっかけでもあったんですか?」

「んー・・・あっても秘密。」

「へ?」

首を傾げるに敦はへへっと笑うとまたピッチに戻っていった。


「柳沢さんどうしたんだろ・・・?」








「なぁヤナの奴変じゃね?」


場面は変わってピッチの端。
柔軟に力を入れている隆行が言った。

「そうスか?調子良い気はしますけど、
それは俺達にとってはメリットじゃないですか。」

前屈しながら返すのは隆三。
隆行は首を横に振って否定する。

「いや、そういうことじゃなくて。
何かこう・・・」

「「ちゃんに積極的。」」

浩二と英寿のW中田が声を揃えて言う。

「そう!!そんな感じ!!」

まさにソレという風に隆行が二人を指差す。

「あー・・・そういえば朝飯ん時もやたら話しかけてた気が。」

直樹も思い出したようにボソッと口を挟む。

「ヤナはあれ?ちゃんの事好きな訳?」

「あぁ、そうスよ。」

さらりと言ってのける英寿。
自分の事だけならまだしも他人の事すら何とも思わないようだ。
目を見開く3人。

「マジッスか!?ヤナさんに相談されたとか!??」

「いや、昨日ツネとヤナさんと3人で飲んだ時、
軽く言ったら真っ赤になってたか多分図星。」

浩二の問い詰めにまたもや簡潔に答える。
その時直樹がピッチ上の敦を指差した。

「あ、ヤナさんまたちゃんとこ行く。」

「足軽く引きずってる感じしね?」

「あれは嘘ね、専門家が見れば分かるのよ。」

「へぇって・・・・・姉さん!!!???」

急に現れた叔母の存在に隆三がぎょっとする。
怪訝な表情で周りに集合する隆行・浩二・直樹。

「嘘って・・・何のために?」

「そんなのあたしよりあんた達のが知ってるんじゃないの?
とにかく考えてみなさいよ、ヤナの性格。」

そう言われれば敦は試合に出たい時などは
怪我してる事を隠すような選手だ。
実際現在手首を骨折しているが辛いような
そぶりは一切見せていない。

「俺嫌な予感する。」

「まさか告る気じゃ・・・」







ちゃん。」

「ヤナさん大丈夫ですか!??」


勿論まだ素人な
敦の演技に完璧に騙されているようだ。

「どうしよう…今医療道具控え室だ・・・」

「あ、そこまでなら歩けるから。」

「でもっ・・・あ、肩貸します!!」

そして二人でロッカールームに向かう。
先に言っておくが選手・スタッフ全員はピッチ内外に集結。
部屋では二人っきりなのだ。

「腫れてはいないようですけど…何処らへんが痛みますか?」

「へ!?あ、攣っただけかも。
治った、今治ったし。」

ワザとらしく言う敦だがはホッとした様子。
優しいを敦は見つめる。

「?柳沢さんどうかしました?」

「あのさ、今日の俺なんか違う感じしない?」

「そうですか?」

きょとんとするに敦はがっかり。

「俺凄ぇちゃんにアピールしてたつもりなんだけど・・・」

それらしく振舞っていたつもりでも
には全く気付いてもらえなかったらしい。
しかし敦は諦めない。

「さて、此処で問題です。
俺のポジションは何でしょう?」

「へ?そんなのFWに決まって・・・」



「正解。」



その瞬間の口に柔らかい感触。
敦のふっくらした唇があたったのだ。
何が何だか分かっていないは茫然。

「柳沢・・・さん?」

「そう、俺のポジションはFWです。
FWは攻めてナンボのもんでしょうって事で。」



「俺は、ちゃんが大好きです。」



選手達の“まさか”が当たった。
唐突の告白。

「残り二日も攻めてくから覚悟しててな?」

いつにもなく強気な敦。
そう言うとまた元気にグランドに戻っていく。
ずるっと壁ごしに床に腰を下ろす


「何なの・・・・・・・・・・」





はい、キャラ違うヤナさんです(爆)
のほほんとしたヤナギもかなり好きなんですが、
こういう強引なのも書いてみたいなと。



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