Shoot!!29蹴

「んじゃ今日の午後はフリータイムの後
作戦会議な。いつもの部屋集合!!」



午前の練習も終わり昼食タイム。
ゴンこと雅史の指示に選手達がウーッスと返す。
電車の都合上夕食は間に合わないので、
にとってこの食事が代表チームでの最後となる。
最後の食卓を一緒するのは潤一・敦・隆行。
何回ものじゃんけんの結果だ。

「あーもうホンマ寂しいわ。
ちゃんいないと合宿面白くなんないし。」

「イナさん・・・有難う御座います。」

ニコッと笑うに純情潤一の顔は真っ赤。
そのぷにっとした頬を隆行が肘でつつく。

「照れてんじゃねえよ。
でもちゃんのお陰で良い1週間だった!!」

「タカさんの言う通りスねー。
今日の時間は貴重だからゆっくり食べましょう。」

敦の提案に頷く二人。
苦笑する

「でも、もう皆食べ終わってますよ?」

周りを見渡せば残っているのはこのテーブルのみ。
いいのいいのと潤一はどんどんおかわり。
も最後の団欒を噛み締めるのだった。







「あれ、ちゃん風呂?」


そして食後。
タオルや洗面道具片手に浴室へ向かう
湯気を出して前から話しかけてくるのは恒靖。

「はい!!あたしまだ温泉だけは入ってないので。
ツネさんはもう入って来たんですね。」

「どうしても目の周り落としたかったからな。
やけに時間かかってしもたわ。」

恒靖の顔を見上げると確かに午前中の
あのペンの汚れはしっかりと取れ綺麗さっぱり。

「もうパンダじゃないやろ?」

関西のノリで明るく言う恒靖にも笑顔。

「そうですね、やっぱりこの素顔の方が
ツネさんは格好良いですvvv」

「ホンマ?有難うな。
あ、でもこのマスクは大切に使わせて貰うから。」

新しいジャージのポケットからプロテクターを取り出す。
そしてまた顔に装着した。

「ツネさん!!駄目ですよ!!
折角落としたのに。」

「もう大丈夫やって。
特殊コーティングして貰うたし。」

「良かったぁ・・・」

再度外した恒靖の顔を見たはホッとした表情。
恒靖はそのの目を見つめた。

「ホンマに、有難う。」

「そんな改まって言うほどの事してないですよっ。」

「今日でお礼言えるん最後やから。
俺あん時のちゃんの励ましなかったら腐ってたかもしれんし。」

焦って謙遜するに恒靖は続ける。

「俺絶対これ付けて決勝リーグ行ったるから。」

「ツネさん・・・」

その言葉に最高に嬉しくなる。
は此方こそ有難う御座いますとお辞儀。

「ツネさん頑張って下さい、応援してます!!」

「せやな。マスクをちゃんやと思って・・・って。
ホンマは本人がいてくれたら一番ええねんけど。」




「この意味分かる?俺ちゃんが・・・
誰にも負けへんくらい大好きやねん。」




いきなりの告白。
の洗面道具が地面に落ちる。
恒靖はそれを拾って手渡すと、
最後の入浴楽しんでなと笑って歩いて行った。



「もう・・・嫌だよぉ・・・。」



その瞬間ついにの目からボロボロと涙が零れた。
今まで告白されて悩んで。
張り詰めていた糸が帰るのを前にプツンと切れたのだ。
拭っても拭っても涙は止まらない。
その時


・・・?」


後ろから掛けられた声にハッと振り返る。
いたのは正剛。

「なっ何でもないんです!!
あたし温泉行くので・・・それじゃあ。」

「待てって。」

ぐいっと腕を掴まれ自分の元にを引き寄せる。



「何もなくてそない泣く訳ないやろ?」



その優しい声に思わず正剛のTシャツに顔をうずめる。
正剛はよしよしと頭を撫でると近くのベンチにを連れて来た。
しばらく黙って胸を貸す。
ようやく泣きやみは顔を上げた。

「楢崎さん・・・すいません、迷惑かけて。」

「ええよ、そんなん。
よう分からんけど大丈夫か?」

「はい・・・」

「悩んどる事ありそうやな。」

の様子をすぐ察知する。
何も言わないの手を掴むと正剛は再び立ち上がった。
そしてある部屋の前まで歩きドアを開ける。

「ん?ナラだ。
どうしたって・・・ちゃん!!??」

中から出てきたのは年宏。
隣で赤い目をしているにぎょっとした顔をする。

「ハット、ちゃんがどないしたって!??」

奥から顔を出したのは寛晃 。
その後ろから更に人が出てくる。

「泣いてるじゃん!!
ナラ泣かしたのかよ!??」

「アキさん、ちゃいますよ。」

明訓の文句に正剛は首を横に振る。
歩いてくるのは隆三と智和。

ちゃん、どうかしたのか?」

「俺らと離れるのが寂しいとか・・・」

「嬉し涙の顔じゃないだろコレは。」

分析する豊。
正剛がの背中を押して年宏に預ける。

「なんか悩みあるみたいなんスけど
俺じゃ役不足なんで・・・あと宜しくお願いします。」

「おい、ナラ!?」

ペコッと頭を下げると正剛は部屋を後にする。
取り合えずを部屋に通す年宏。

「悩み?俺でよかったら相談に乗るよ。」

シリアスした様子に正座する準。
顔が怖ぇよと和幸が準に蹴り一発。

ちゃん何でも話してみな?
前に妹みたいな存在って言ったろ?」

「ゴンさんと同意見。
ちゃんが悲しむ理由は今のうちに排除しないと。」

頷いて便乗する能活。
何と偶然にも年宏の部屋にはに告白したメンバー以外の
全員が集まっていたのだ。

その全員がを心配している。
そんな温かさにの目からはまた自然に涙が零れていた。


「実は・・・・・」




はい、フラット3ラストツネ様です!!
佳境ですマジに佳境!!・・・多分(オイ)
えー次の話でラストになります。
年内に終わらせられて良かった・・・



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