Shoot!! 3蹴


ちゃん、おはようさん♪」


翌日。
朝食の席についたに潤一が即声を掛ける。

「おはようございます!!稲本さん。」

「なぁ、隣座ってええ?」

「あ、どうぞ。」

潤一が上機嫌でバイキングの皿を沢山テーブルに並べる。
そこに潤一の親友兼ライバル中田浩二登場。

ちゃんおはよう!!昨日はよく眠れた?」

「はい!!浩二さん、昨日は有難うございました。
かなり楽しかったです!!」

ちゃっかりの前に座り仲良く会話をし出す浩二。
そこで思い出したかのように言う潤一。

「あ!!ちゃん俺もイナって呼んで欲しいんやけど!!」

「え?・・・じゃあイナさんで。」

満足気に頷く潤一。
そして3人で食事を取る。
勿論他の選手達は悔しがってるわけで。


「うわっ!!先越された!!」

「あいつら・・・いつもはワースト1位2位の寝坊男なのに・・・」

自分も早く起きたのに遅れをとった隆行。
そして違う事に視点がいってる豊。

「くそー、普通は年功序列やで!!なぁマツ!!」

「ツネ、そんなの初耳(笑)」

「・・・俺は落ち着いて食いたい。」

締めは正剛。



そして食事を取った後、選手達は練習へ。
も叔母と一緒にピッチに向かう。


ちゃん雰囲気に慣れてきたわねv」

「皆さん楽しい人ばかりで良かったです!!」

「じゃあ今日から仕事頑張りましょうね?」

「はい!!」

の主な仕事は怪我した選手の治療や、
不調な選手と今後の練習内容を考える事。
大学では実践出来ない内容のものだった。

ちゃん、最後に宿題出しとくわね。」

「宿題?」

「選手全員のプレーの特徴を覚えること!!」

「ええ!!?」

目を見開いて驚くに叔母が苦笑して言う。

「別に専門的な事を暗記しろとか言ってるんじゃないわ。
例えばそうね・・・戸田和幸を見て?」

叔母はリフティング最中の和幸を指差した。

ちゃんあの子と話してみてどうだった?」

「思ったより・・・しっかりしてて冷静な人だなって。」

「そうね。でも和幸はね、試合になると思い切り熱くなるのよ。
長所で言うとなかなか諦めない他の選手にとって嫌なプレーヤーなんだけど、
短所にすると熱中し過ぎて無理なプレーやファールを出しやすくなるの。」

「そうなんだ・・・」

「他の選手にも勿論プレーの癖があるわ。 これを早く知って、
それに対処するのがちゃんのトレーナーとしてのお仕事よ。」

昨日とは打って変わって真剣な表情。
は以前よりももっと叔母に深い尊敬心を抱いてしまった。
そして叔母はまたいつもの穏やかな顔に戻る。

「年下だからって引いちゃ駄目よ?
怒りたかったら怒る、殴りたかったら殴る!!
とにかく楽しくやりなさい?」

「殴んのかよ(笑)」

そう言って達の後ろをスタスタと通り過ぎる崇史。
も同じ事を考えていたので思わず吹き出してしまった。

「フク!!あんたも練習さっさとしてきなさい!!」

叔母がそう怒鳴った時だった。


「「「「イチ!!!!!!!!!」」」」


選手の叫び声が聞こえる。
がそっちの方を向くと足を抱えて倒れているのは大祐。
紅白に分かれてのミニ試合中誰かと接触してしまったらしい。
担架で運ばれてくる大祐。
叔母とは急いでそこへ走った。

「イチ、足動く?」

叔母の問いに頷く大祐。
どうやら骨に異常はないらしい。
おろおろとするの背中を叔母がポンと叩く。

「慌てないの。こんなの日常茶飯事なんだから。
多分軽い痙攣だと思うわ、ちゃんあと頼んでいいかしら?」

は頷くと大祐に肩をかしてベンチの方まで歩いた。


「市川さん足伸ばしますね?」

が大学や本で学んだ知識を思い出し処置する。

「痛くないですか?」

ちゃん大袈裟だって。どんどんやっちゃって?」

「はい。じゃあつま先今度伸ばします・・・」



そして一通り終わって大祐が立ち上がる。

ちゃん有難ね!!」

「また何かあったら言って下さいね?」

「じゃあ俺の事イチって呼んで?さん付けも駄目。 俺ら一番年近いし?」

「でも・・・」

さすがに年上を呼び捨てる程根性のない

「じゃあイチ君!!これならいい?」

「了解です!」

そしてイチは元気にピッチに戻っていった。




瞬間。




他のメンバーにどつかれる。




「お前ワザとじゃねえのー?」

「アキさん、違いますよ!!」

大祐の肩をガシッと掴む明訓。

「で?どうだったのちゃんの手当ては。」

「凄ぇ上手かったスよ!!手早いし。
それに何と言っても・・・」

「何と言っても?」



「姉さんと違って粗治療じゃない!!!」



能活の問いに大祐が嬉しそうに力説する。
それに感動する選手達。

「いいなー俺も怪我しよっかなー。」

「ヤナ・・・」

「うっ嘘っスよ!!」

隆三がチラっと睨む。
怖がるヤナ。



しかしヤナの言葉に同意見の奴は数人本当にいたとか。



サッカー選手が怪我したいなんて駄目ですよね(苦笑)
ってかもっと甘く描きたくてもこの作者の頭では・・・

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