Shoot!!30蹴

「告白されたって誰に?」


少しずつ
胸のうちを明かすに聞くのは明訓。
じゃ俯いて小声で言った。

「鈴木さんとイチ君・・・」

「二人か。・・・それは辛かったよな。」

隆三の返答には首を横に振る。

「・・・に、イナさんに小野さんに小笠原さんに
福西さんに柳沢さんに・・・」

「オイオイ、マジかよ。」

途切れず出てくるチームメイトの数に能活茫然。
しかしはまだ続ける。

「ヒデさんに松田さんに浩二さんにツネさん・・・です。」

やっと終了。
総勢11人。
メンバーの約半分に値する。
あまりの事に室内は静まり返った。
は智和から借りたハンカチで涙を押さえる。

「本当に皆さん真剣で。
もう・・・どうしたら良いか・・・」

「せやな。1週間でこれだけの奴等に
告白されてしもたんやから気持ち分かるわ。」

親身になって寛晃が耳を傾ける。

「あたしそんなに好かれるような
女じゃないんです・・・」

「そんな事言うもんじゃないぜ?
少なくともあいつらはちゃんを肯定してるんだ。」

「ゴンさん・・・」

そこで和幸と隆三が口を開いた。

ちゃん自分の事卑下するけどさ、
ゴンさんの言う通り好かれてるって事が証拠だぜ?」

「あぁ。そりゃあ他人なんかよりは
ちゃんの事はちゃんが分かってるよ。」

「ただな、自分の事をちゃんと見ててくれる
人には敵わない。俺はそう思うな。」

「だから自分に自信を持って良いと思う。」

「でも誰が好きかも分からないし・・・
あたし最低ですよね。」

赤い目で自分の事を嘲笑する
そこで豊が静かに言った。

「よく考えてみれば分かるさ。
何もドキドキするのだけが恋じゃない。」

その時ミーティングの時間が。
全員が立ち上がる。
最後に年宏がの両肩にポンと手を置いた。


「一緒にいて安心する奴だよ。
・・・きっと当てはまる人がいるだろ?」









「「「「「「 ちゃん1週間お疲れ様!!!!! 」」」」」」


が会議室のなった部屋に足を踏み入れた瞬間。
部屋中にクラッカーの音が鳴り響く。
唖然とするに言うのは浩二。

ちゃん送別会しないとか言うからさ、
せめて感想とか聞かせてよ。」

その言葉を筆頭にスピーチコール。
は普段トルシエのいるべき場所に立つ。
そして照れながら一言。



「皆さんには本当にお世話になりました。
この代表があたしは大好きです、W杯頑張って下さい!!」



深々とお辞儀。
周りからは拍手と黄色い声援にコール。
席に戻ろうとするに雅史が言った。

ちゃん、他に言いたい事あるんじゃないの?」

「・・・・・」

緊張感が漂う部屋。
はやがて勇気を振り絞って言い始めた。

「あの、この1週間であたしなんかに
告白してくれた皆さん、本当に有難う御座いました。」

皆と言う言葉に騒ぎ始める選手。
笑う年宏達を余所には続けた。

「でも、ごめんなさい!!
あたしが・・・あたしが好きなのは・・・」

はその人物をしっかりと見た。



「楢崎さんなんです!!」



視線が一気に正剛に集まる。
張本人も相当驚いている様子。

「楢崎さんはあたしが悩んでる時、凹んでいる時、
いつも励ましてくれたんです。」

そして大きく息を吐いてふっきれた笑顔で言った。



「楢崎さん・・・大好きです。」



正剛は下を向いていたがやがて
小さな声で返事をした。



「ごめん・・・」



はハイ、分かりましたと言うと
電車に間に合わないともう一度お礼を
言って部屋を出て行った。
あきらかに泣きそうなのは誰が見ても分かる。
立ち上がるのは隆行。

「ナラ・・・まさか告白した俺らに
申し訳ねえとか思って断った訳じゃねえよな?」

「そんな事・・・」

恒靖も立ち上がり正剛を睨みつける。

「それがホンマなんやったら
俺ナラさんぶっ飛ばしますよ?」

「・・・・」

黙る正剛の元に直樹と浩二が歩いて来る。

「そんな事されたら俺らもっと惨めなんスよ。
分かりますか?」

「・・・でもこの際俺らの事なんかどうでも良いです。
ちゃんの気持ち踏みにじったの許しませんから。」

今にもキレそうな面々。
それを抑えて言うのは潤一。

「早く追い掛けたって下さいよ!!
ナラさんちゃんの事好きなんやろ!?」

「スマン・・・」

拳を握って謝る正剛。
その返答にようやく英寿と崇史が笑った。

「俺らに謝る時間があるなら
ちゃんのとこ行って下さい。」

「その代わりちゃん連れて
戻って来なかったら・・・」


「「「 今度こそ承知しませんから。」」」


大祐・伸二・敦がドアを開ける。
正剛はダッシュで部屋を出た。


「・・・有難う!!」








!!!!」


息切れした声でを呼び止める。
丁度合宿場を出た所。
涙を拭って振り向く

「どうしたんですか・・・?」

「嘘ついてたのバレてもうて。
…他の奴に追い出されてしもたわ。」

「嘘?」

首を傾げるを正剛は抱きしめた。
そして口付ける。




「好きや。これがホンマ。」




その答えにも正剛を抱きしめ返した。

「楢崎さん・・・っ。」

「だから俺の側におってよ。
トレーナー続けて貰う様頼むから。」

「・・・はい!!」








「って事でちゃんW杯終わるまで
見習いトレーナーやって貰う事にしたから。」


それから10分後。
を連れ戻ってきた正剛は早速叔母にお願い。
その要望はあっさりOKされた。
叔母曰くに悪いと思って1週間頼んだだけで
本当ならばずっといて欲しかったらしい。
正剛は脱力。

「何や…良かった。な、?」

「うん!!」

いつの間にやら死ぬほど仲良くなっている
二人に他の連中はムッとした表情。
割って入るのは浩二。

「あの、お取り込み中悪いんスけど、
俺アタックやめませんよ?」

「は?お前ら諦めてくれたんやないん・・・?」

「誰がそんな事言うたんですか。
ただ、今ちゃんが好きなのはナラさんやから
大人しくこの場は譲っただけですよ。」

恒靖もさらっと言い切る。
毒舌開始の直樹と潤一。

「大体ナラさんからだったら
多分俺すぐ奪えますよ。」

「トレーナー続けてくれるんやったら
そのうち心変わりするやろうし。俺に♪」

「嘘やろ・・・」

口をあんぐりあける正剛。
はよく分かっていないようだ。
隆行が首を一回大きく横に振る。

「マジに決まってんだろ。
そう簡単に諦められるかっつの。」

「同感。
って事で良いライバルですね。」

策士のような笑みを浮かべる満男。
険悪なムードがさらに悪化。

「悪いんだけどさ、俺もちゃんの事好きだから。
これからは宜しく頼むわ。」

「俺も。
ただ今回告白しなかっただけだし。」

爆弾発言は明訓と智和。
これに先程の相談に乗っていた人物全員が便乗。
正剛は慌ててを後ろに隠す。




は俺のですから!!!!!」




長い長いワールドカップ。
日本代表全員に惚れられてしまった
最後の最後でその心を射止められるのは誰でしょうか?
の心に



Shoot!!!!!!!!





オシマイ★




はい、Shoot!!完結です。
読んで下さり大変有難う御座いました。
なんと最後はナラでしたvvv
理由は特にありません(爆)
えーでも、他の選手が好きな人も沢山しらっしゃると思うので、
オチはワザとこんな感じにしてみました。
2002年W杯日本代表最高(≧▽≦)

2002・12・29 


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