Shoot!! 
5蹴


「ミツ、今日こそお前に勝ったるからな!!」


遊技場に着いてすぐ満男に宣戦布告する恒靖。
それに苦笑する満男。

「ツネさんちゃんにビリヤード教えるんじゃなかったんスか?」

「教えるけどいいとこも見せたいやん。」

「取り合えずナインボールでいいよな?」

キリがないので直樹がゲームを始めようとする。
首を傾げる

「ナインボール??」

「えーと一番簡単なルールの奴なんだけど・・・」

結局直樹が説明をする。
ナインボールとは収縮して言うと、
9個の番号のついた玉をブレイクショット(最初のショット)でバラバラにし、
白の玉を使って順番に数の小さい物からポケットする(穴に入れる)ものである。
そして最後の9番の玉を入れた者が勝ちとなる。

「へぇ・・・なる程。」

「ルールは簡単だろ?
ま、ポケットするのが面倒なんだけどな。」

頷く
今頭の中で必死にルールが暗記されているのだろう。

「はいはーい、ブレイクショットはイチがいいと思うわ。」

「マジすかー・・・?」

挙手して発言する恒靖。
キュー(玉を打つ道具)を持って始終嫌そうな顔の大祐。
しかし年上には逆らえず渋々ショットする。
下手と自覚しているだけあって一個もポケットしない。

「うわ・・・だから俺ビリヤードやりたくないのにー。」

「ま、ドンマイ☆ほな、交代して俺な?」

恒靖が1番ボールを狙ってのショット。
強めに玉を打ち良い感じにポケットする。

「よっしゃ!!調子ええな。」

そう言いつつも次打を惜しくも外してしまう。
次はの番。
キューの持ち方も見よう見真似。
しかし

「あ・・・嘘!?」

適当に打った球が別の玉に当たり2球入る。
ミラクルショットとなった。

「上手いじゃんちゃん!!」

ちゃんセンスあんのとちゃう?イチよりも。」

「酷いスよ・・・」

しかしあくまでもミラクルショット。
初心者のビギナーズラックに過ぎない。
次を外したからキューを受け取る直樹。
緩やかな球を1球二球とポケットしていく。

「松田さん上手いですねぇ・・・」

「俺より全然ミツや豊さんのが上手いって!」

「そこに俺の名前は入ってへんのかい。」

「ツネよりは上手い自信あるし俺♪」

話つつも直樹は続けて4球も入れてしまった。

「あと3つって・・・あ!くそっ!!」

地団太を踏んで悔しがる直樹。
ラストは満男。

「これは無理じゃないスか?
俺だったら絶対入らないですよ。」

「確かにマツ良い感じにぶつけたなぁ。」

「多分・・・大丈夫です。」

大祐とツネを黙らせ静かに打つ。
勿論伊達に毎日ビリヤード台を占領していない。
満男はいとも簡単に9ボールを取ってしまった。

「はい勝ち、イエー。」

「小笠原さん凄いですね!!」

「ミツ!!もう一回勝負や!!!」

「俺はもう満足。」

「俺もマツさん同様ギブしたぃ・・・」



「イチは駄目!!!」



恒靖の言葉に爆笑すると直樹。

「頑張れイチ君!!」

ちゃん・・・そんな人事みたいに(苦笑)」

「「イチ君!!!????」」

呼び方に多大なるショックを受けている恒靖と満男。
大祐にゲームでの復讐を誓ったのは言うまでもない。



「あ、俺も入れてー。」

「俺も久々に参戦。」

そこに現れたのは食事後の敦と明訓。
敦達と一緒に入って来た崇史と伸二と智和はサッカーゲームの方へ。
そして選手達がゾロゾロと遊戯の間に入ってくる。
は邪魔にならないよう部屋の外に出た。
そしてふと窓の外を見る。


「天気いいなぁ・・・」



「じゃあ庭でも散歩する?」



が後ろを向く。
声の人物は中田英寿だった。




ビリヤードのルールが曖昧だぁ(苦笑)
でもそんな場面を想像して楽しんで頂けたら嬉しいですv


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