Shoot!! 7蹴
「俺我慢の限界かも・・・」
楽しかった遊びの時間も終わり午後の練習が始まる。
パス練をしながら呟くのは隆行。
そのパートナーである隆三が首を傾げる。
「何だ急に。我慢?」
「朝起きれば既にイナやコージが席取ってるし、
飯誘おうと思えばツネやマツの先約があったり・・・!!」
隆行が力を入れて隆三に向かってボールを蹴る。
それを胸で受け取る隆三。
「うおっ!危なっ。・・・・ちゃんの事か。」
「俺このままじゃマジで見込みないよな。」
「タカ・・・本気で惚れてんのか?だってまだ・・・」
今度は怪訝な表情の隆三から隆行へのパス。
それを軽く足で止める隆行。
「分かってる。まだ会って1日しか経ってないって事くらい。」
「だったらまだ時間あるだろ。」
「でもどの道ちゃん1週間しかいないんだぜ?
って事は、もうそのうちの15%近く一緒に過ごしてる事になる。」
「うーん・・・」
隆三が唸る。
無理やりなこじ付けだろうが、正論にも感じない事はない。
しかし此処で隆三の思考をストップさせる隆行の一言が。
「今日さ、夕食はやっとちゃんの隣で食えるんだよ。」
「へぇ、仲良くなるチャンスだな。」
「いや・・・飯食い終わったら告ってみようと思って。」
目を見開く隆三。
真剣な顔の隆行に冗談だとも思えない。
相手の事を心配するような苦笑をして言う。
「そうか。俺に否定する権利はないからな・・・頑張れよ。」
「っつ・・・」
少し辛そうな息を漏らす正剛。
隆行の決意など知らぬは医務室にいた。
突き指した正剛を手当てしている所なのだ。
「あっ、ゴメンなさい!!」
「いや・・・別に大した事はないから。」
「楢崎さんて本当に強い精神力ですよね。」
「・・・は?」
正剛の人差し指をテーピングしながらが言った。
首を傾げる正剛。
「あの、いつだったかな・・・
鼻骨骨折して鼻血出しながらゴール死守してた奴です。」
「あぁ・・・シドニー五輪か。」
正剛が少し遠い目をして言う。
その時の事を思い出しているのだろう。
だが自分のそのプレーが知られているとは思わなかった。
は正剛の解答にうんうんと頷く。
「そう!!それです!!
物凄く感動して・・・今でも鮮明に場面思い出せる位なんですよ?」
「その時はもう自分しかいないって思ってたから。」
「その精神力で痛みをカバー出来るのが凄いと思うんです。」
少し驚いた様子の正剛。
そんな事を言って貰ったのは初めてだったのだ。
がさらに手にネットを被せて笑顔で言う。
「はい!一応終わりました。
もしまだ異常あったら言って下さいね?病院付いていきますから。」
「・・・・・有難う。」
今度はが驚いた表情をみせる。
多分合宿に入って初めて正剛の笑顔を見たのだろう。
も嬉しくなりさらに満面の笑みをする。
「どうしたしまして!!」
そして医務室を出て行く正剛。
有難う。は手当てのお礼だったのだと思っているが、
正剛から見ればプレーを覚えていてくれた事に対しての感謝でもあったのだった。
正剛のに対しての感情が少し変化していたのは誰も知らない。
本人でさえも・・・
「ちゃん!!」
午後の練習が終わるとすぐに隆行が走ってくる。
理由を分かっているため笑顔で反応する。
「鈴木さん、夕飯の時宜しくお願いしますね?」
「了解!!んじゃ行こっか。」
そして食事処に着く。
鍋から湯気が立ち上り、選手達の食欲を促進させる。
「しゃぶしゃぶだーv」
嬉しそうなの顔を見て隆行は上機嫌で前に座る。
ちなみにの隣は能活、隆行の隣は準とキーパーで埋まっている。
そして全員で合掌。
練習の疲れなど忘れはしゃぐ選手達。
しかし隆行だけは柔らかい肉さえも中々喉を通らない状況だった。
ごくっと唾を飲み込み隣のに言う。
「ちゃん、あのさ・・・」
「何ですか?」
「食べ終わったら話あるんだけどいい?」
今回は甘くに挑戦!!
想像で無口そうな楢崎さんと森岡さん出したりに挑戦。
そして トップバッターは鈴木隆行さんに決定しました★
これからどんどん甘くなるように頑張りたいですv
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