-Step- 21


取り敢えず初戦突破に…」


「「「「「「 乾ー杯!!!!!!!!! 」」」」」」


対パレスチナ戦終了。
日本は裕一の駄目押しゴールにより2−0で勝利を収めた。
今は控え室でささやかな祝勝会を行っている所。
主将剛の音頭に全員がポカリの入ったペットボトルを上に上げる。
それをゴクゴクと一気飲みし嬉しそうな笑顔を見せるのは達也。

「っはー!!とにかくゴール出来て良かったぁ〜!!」

「嘉人のパスも良かったけど達也の
技ありシュートも中々のもんだったよ?」

頷いて更に褒めるボランチの和幸。

「カズさん、有難う御座います!!」

「ネモの粘ったゴールを俺は評価するな。」

2点目を決めた裕一にそう言うのは光。
嘉人も満面の笑みで納得しているようだ。

「それならDF陣だって0点に抑えただろ?
やっぱり0ってDFにとって嬉しいものだよな。」

「あぁ確かに。」

「よくやったよ、な?キャプテン♪」

昇平が隣にいた剛の背中を笑いながらバシっと叩く。
顔を真っ赤にしながら照れる剛。

「なっ昇平さんキャプテンなんてやめて下さいよっ///
いつも通りタケって呼んで下さいよー。」

「はいはい。
ま、とにかく何はともあれ…」



ちゃんが辞めないで済む。



これが全員の心情。
そしてこれからの原動力。
選手達が楽しそうに騒いでいると



「…余裕だなお前ら。」



全員の声が一気に静まる。
入って来たのは勿論監督山本正邦。
敵意むき出しの隼磨が絡んでいく。

「余裕こいてなんかないっスよ別に。
つかの間の幸せに浸って何が悪いんスか。」

「本当の束の間にならなきゃ良いがな…。」

ふっと笑う監督を啓太が睨みつける。

「どういう…意味スか?」

「どういう意味もなにも」



「パレスチナ相手にこんなに苦戦してるお前らだからな。」



間髪入れず帰ってくる解答。
監督は大きく息を吐いて続けて言った。

「パレスチナのディフェンスに得点出来なかった前半。
もっとあのチームにスタミナがあれば負けていただろうな。」

「そんなの言い出したらキリないんとちゃいますか?」

表情を崩す事無く反論するのは大輔。

「松井、黙って聞け。DFだってそうだ、
何とか無失点に抑えられたと言っても過言ではない。」

その言葉に唇を噛む剛と拳を強く握る昇平。



「まだお前ら危機感が足りないんじゃないか?」



それでを守る。
よくそんな事が堂々と言えたもんだな。
そう続いてきそうな監督の言い回し。
ついに冷静組の光と裕一が立ち上がる。

「それで士気でも高めてるつもりスか?」

「監督に何言われようとも俺達今後も」

そして全員で声を揃えて



「「「「「「 負けるつもり有りませんから。 」」」」」」



そう、何が何でも負ける訳にはいかない。
監督は揃った声を聞いてまた溜息をつく。

「何を言っても無駄のようだな。
まぁ次の試合がどうなるか見物だよ。」

そう言って部屋を出て行く。
出て行った瞬間壁に拳をぶつける悟志。

「あーくそ!!絶対ぇ得点してやる!!」

「当然や。もう文句なんか絶対言わせへん。」

大輔に続き頷く選手達。
そこで暗いムードを振り切るように笑顔で直宏が言った。


「じゃあ、もう帰ろうよ。」


全員の動きが止まる。
そして

「そうだよな!俺も腹へってクタクタ!!」

「俺もス!!皆で帰りましょう!!」

便乗する嘉人と剛。
皆気持ちは一緒だった。




帰ろう、ちゃんの元へ!!!!!!!







はい、またちょっと久々更新。
だんだん主人公出番少なくなってきた(汗
まぁ次回は沢山出るはずなんで!!
どんどん監督も性悪になってきてますが、
最後ではちゃんと元に戻しますんであしからず!!


 

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