「じゃあ5時に駅前ね?ん、分かった。」


とある高校の放課後。
はそう言って携帯を切った。
走ってくるのは親友中村珠子。

「ねっねっ、今のってツネさん!?」

「あ、うん。そうだけど?」

「こんな時間に電話なんて珍しいね。」

「今日あたしの誕生日じゃん?
だから食事に行こうって言いたかったみたい。」

「マジで!?ツネさん素敵ーv
あたしもサッカー好きだったら良かったのに!!」

珠子が羨ましそうに言う。
の彼氏はガンバ大阪DFで日本代表にも選ばれている宮本恒靖。
中学時代からはずっとガンバ大阪のファンで、
練習などを観にいっているうちになんと恒靖に惚れられ告白されたのだ。
年の差は7歳。
しかし精神年齢が大人のに子供っぽい所のある恒靖。
付き合って1年仲良くやっている。

「恒靖って記念日みたいなの
滅茶苦茶大切にするんだよねぇ。」

「祝ってくれるなんて優し過ぎだよ〜。
ツネさん紳士って感じだし最高!!」

ハイテンションの珠子には苦笑。
そして時計を見る。


「あ、やばっ、電車間に合わないかも!!」








「10分遅刻かぁ・・・」


珠子と話しているうちに電車を1本乗り遅れた。
は次の電車に乗り慌てて停車駅を出る。
目の前には黒いタートルネックを着こなした恒靖。

「ごめん!!遅れた!!」

「気にせんでええって。
何か待ってるの新鮮やったし。」

「新鮮?」

上機嫌の恒靖には首を傾げる。

「せや、いっつも俺が車で迎えに行くやん?
なんか待ち合わせって響き自体がええねん。」

「ふーん…そういうもんかなぁ。」

には分からないか。」

「分からん。」

素直に言うに恒靖は笑う。
そしてを見た。

「取りあえず制服どうにかして貰わんと。」

「へ?」

「アホ。俺を犯罪者にする気かいな。」

ポンとの頭に手を置く。
そしての手を掴むと近くのブティックに入った。



「いらっしゃいませ、どういった物をお探しですか?」


綺麗な店員がすぐに話しかける。
店内を見回しながら返す恒靖。

「えーと、この子に合う奴選んで貰える?
あ、俺の服と似合うのな。」

「かしこまりました。」

が動揺している間に事は進む。

「え?何?あたしこんなの似合わないって・・・」

「大丈夫やって。ちょっと黙っとき。」

余裕の表情の恒靖。
笑顔で店員は言う。

「お綺麗な妹さんですね。」

「いや、恋人同士。」

恒靖即答。
スミマセンと謝る店員に対しは顔が真っ赤。
こんなとこで暴露しても仕方がないのに。
そして暫く経ってが服を着て出てくる。
恒靖はの方を見て目を上から下へ動かした。

「・・・ええやん。」

「そうかなー?着た事ないから何か動きづらい。」

普段は制服以外のスカートをはかない
久々の女の子らしい姿に恒靖は満足そう。

「じゃあコレ貰うわ。」

「有難う御座います、お会計32万円になります。」

あまりの値段には絶句。

「恒靖いいよ!!こんな高いのいらないって!!」

「何言うてんねん。誕生日やろ?
今日くらい俺に見栄くらい張らせてくれや。」

軽く頭を撫で支払いを済ませる恒靖。
そして店を出る。
は申し訳なさそうに後ろについてくる。

「あのなぁ、もうちょっと嬉しそうにせえや〜?」

「だって・・・」

「ええから大人しく受け取り?
・・・さて、んじゃ飯行こか。」






「予約してた宮本ですけど。」


5分程歩いて着いたのは明らかに高級そうな店。
もしあのまま制服だったらかなり場違いだったろう。
店員が予約席へと2人を案内する。
腰を下ろしても緊張しっぱなしの

「何でこんなに豪華な事ばっかやってんの?
あたし家でケーキとか食べれれば充分なのに。」

「んー・・・まぁ18歳って言えば多少は大人やし。」

「でも高3てまだまだ子供だと思うけど。」

「いーから乾杯しようや。
この格好なら酒飲んでもバレへんやろ。」

のグラスにシャンパンを注ぎ入れる。
そして軽くグラスをぶつけ合った。
次々に運ばれてくる料理。

「食べ方凄い適当なんだけど良いのかな・・・?」

ナイフとフォークに悪戦苦闘の
恒靖はじっとを見つめている。
勿論視線に気付かないはずはない。

「恒靖?どうかした?」

の言葉に恒靖は溜息。



「はぁ・・・何でこんな若いの好きになってもうたんやろ。」



カチンとくる
多少拗ねているようにも見える。

「どうせマナーとかなってないガキですよーだ。」

「は?そんな意味で言うてんのやないで?」

「じゃあ何さ?」

「我慢の限界近づいてきとるなぁと思ってな。」

「我慢?」

全く意味が分からない。
恒靖はポケットから何かを取り出した。



「取りあえず誕生日おめでとう。」



包みを開けびっくり。
中には普通のサラリーマンの給料3か月分では到底買えない程の指輪。
慌てて顔を上げる

「え?何なのコレは・・・?」


「20歳までは待とうと思ってんけど・・・お前可愛い過ぎんねん。」


恒靖は箱から指輪を取り出しの左の薬指にはめた。



「他の奴に奪られんようにココ、今のうちに予約させて貰うわ。」



ニッと恒靖は無邪気な笑顔で言った。
体の体温がどんどん上昇していく

「いっ今のプロポーズ・・・?」

「せやなぁ・・・さすがに今結婚しようとは言われへんし、
単に誕生日の祝いの言葉として受け取って貰て構わへんよ?」


いずれは嫁になって貰うけど。
そんな言葉が続けて聞こえてきそうだった。


HAPPY BIRTHDAY?



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