unite 3


「ケータ遅っせぇしー。」


食堂のドアを開けた瞬間一番手前にいた
山瀬功治が啓太に言った。

「わっるい。
ちゃんと話し込んでたら時間忘れちゃってさ。」

ごめんごめんと功治の前で手を合わせる。
その奥でを手招きするのは遼一。

ちゃん、隣来ない?
一緒に飯食おうよ。」

「あー前田さんごめんなさい!!
あたしちょっと話聞きたい人が・・・」

折角の誘いを断りが向かったのは
4人ずつの席にしっかりと腰を下ろしている高校生組の所。
どのチームに入るのかも注目されているこのメンバーは
編集長にしっかり取材するように言われていたのだ。

「えーと、大久保裕樹君だよね?
初めまして、記者のです!!」

「あ、ども、宜しくッス。」

銜えていたスプーンを置いて丁寧にお辞儀する。
さすが高校生、何だか初々しい。

「一緒に食べて良いかな?」

「全然構わな…い、です…」

先輩達の羨ましそうな視線にビクつきつつも、
成岡 翔が椅子を引く。

「有難う!!成岡君も宜しくねv」

「あ、さん俺分かる?
桐蔭学園の阿部祐大朗って言うんだけど!!」

身を乗り出して自己主張する祐大朗。
はクスっと笑う。

「当ー然。
高校選手権順調に勝ち進んでるよね!!」

アジア選手権も見てたよーと言うに祐大朗は満足そう。
隣にいた菊地直哉と肩を組む。

「菊地君は海外での練習お疲れ様!!」

「・・・はい。」

「キクもっと大声で話せよ!!」

内気そうな直哉の背中をバシッと叩く祐大朗。
高校生4人は相当仲が良いようだ。
は目の前にある料理を早目に胃に入れると
カメラを持って立ち上がった。




「あ、坂田さんと小林さんこっち向いて貰えますか?」

狙うは食事時のプライベートショット。
普段のプレー写真は他の記者でも撮れる、
やはり密着取材の長所は普段見ることの出来ない素の
選手達に迫れるという所にあるだろう。

「あーちゃん敬語やめようつったじゃん。
やめないと写させないし。な、大悟?」

「え?俺は別に…」

「駄目!!はい、坂田と大悟!!
リピートアフターミー?」

片言の英語で言う大輔には爆笑。
何処かの雑誌で読んだ通り、大輔と大悟は常に一緒にいそうだ。

「じゃあ坂田と大悟、こっち向いて?」

「オッケ!!大悟、ほらピース。」

画面に向かってにこやかに笑う二人。
シャッターを切った瞬間レンズには違う二人のドアップが。

「作戦大成功ッスね川島さん。」

「作戦なのかは分からんけどな。」

撮影を邪魔したのは充と苦笑する川島永嗣。
は面白い写真が取れたかもと楽しそうだが
不満そうなのは大輔。

「あー充邪魔すんなよ!!
俺と大悟のベストショットを。」

「心の中でその構図は思い出にするって事でー。」

ほわーんと返す充になす術なし。
はその怒る大輔とやれやれといった表情の大悟の
2ショットを撮って他の席に向かった。

「あ、ちゃんもうご飯食べ終わったの?」

「はい!!皆の食事風景撮れたら良いな〜と。」

一眼レフのカメラを見せ直宏に言う。
同じテーブルには勇樹・和幸・浩司が。

「カズさん美味しいですか?」

「うん、やっぱ御飯の事考えるなら国内だよ。」

「海外ってそんなに駄目なんですか?」

「それはもう不味いのなんの。
珍味みたいなの平気で出てくるし。」

べっと舌を出す浩司に和幸は頷く。

ちゃん、あーん。」

「へ?」

勇樹にいきなり差し出された人参の煮物。
しかしその手を直宏にペシッと叩かれる。

「阿部ちゃん好き嫌いは駄目だって。」

「いや、ちゃん人参好きそうだから…」

「「嘘つかない。」」

双子の同時ツッコミ。
は4人全員を1枚に収め、
続いて行ったのは最も明るいテーブル。

「此処は賑やかですねー。」

「でも松井君が笑わせるから食事進まへんし。」

「角がツッコまなければええだけの話やろ?」

「関西人に無理言わんといて下さいよ!!」

やはりこの京都の2人がメインとなっているからのようだ。
一つだけ空いてる席に座らせて貰う。

「中山さん、遅くなったけど
アジア大会得点王おめでとう御座います!!」

「あー有難う!!
あの5点全部ちゃんに捧げるから。」

「うわ、悟志調子良すぎやで!?」

「誰にでも言ってるんちゃいますー?」

同じ席になってしまった為茶化される。
拗ねた悟志はひたすら夕食にがっついた。
その写真を撮ろうとするの肩を叩き、
振り向くと既に誠と大輔が取られる準備万端の様子で待機。
はかなりウケながら震える手でカメラを持った。

「行きますよー?」

「あ、写真現像したら記事のタイトルは
“これからの京都を担う男:松井大輔”で頼むわ。」

「松井君、ダサい。」

鋭い誠の一言。
の心の中のタイトルは既に京都の漫才師に決まりそうだった。
そして一通り回り終えラストのテーブル。
隼磨が待ってましたと言うように話しかける。

「どうちゃん、良い写真撮れた?」

「良いかは分からないけど面白い物は…」

「まぁ大人しく撮られるような奴等じゃないしな。
俺もだけど。」

笑ってスプーンを目にあてウルトラマンのような顔にする啓太。
その啓太にシャッターを切ると、
は後ろの二人に目を向けた。

「青木さん、さっきはすいませんでした!!」

「何が?」

「え?だからその夕食遅れてしまって…」

「あーそういう事か。
何言ってんのかと思ったよー。」

「タケ天然過ぎだし!!」

あははと笑って気にしないでと言う剛に隼磨のチョップ。
その姿もしっかり写真に1枚。

「達也さん初めまして、です!!」

「・・・・・・」

丁度啓太の後ろで隠れるように黙々と食事する
田中達也には話しかけた。
しかし反応なし。

「達也さん?」

「ターツーヤーいつまで人見知りしてんだよ!?」

「しっしてないですよぉ///」

肩を揺さぶる啓太に反論。
しかし思いっきりしてんじゃんとばかりに顔が赤くなる。

ちゃん、気にしないで?
達也は俺とハユとタケ以外皆にこうだから。」

「そうなんですかー。
あの、写真撮らせてもらっても良いですか…?」

控えめなに達也は一度だけコクッと頷く。
レンズを向けたまでは良いが。

「えーと…笑って貰えると嬉しいんですけど…」

そう言われ微笑もうとする達也。
全員の視線がいつの間にか集まっている。
その瞬間爆笑が。

「タツヤぎこちねー!!!」

指差して大声で叫ぶのは大久保嘉人。
どんどん全員が便乗していく。
腹を抱える遼一と功治。

「スマイルだぜ、スマイル!!」

「兄ちゃん何とかしてやればー?」

「は?俺ッスか??」

通称達也と二人で田中兄弟と呼ばれている隼磨が自分を指差す。
そんな弄られまくりで目の充血している達也を
は写真に収めるのでした。






アトガキ:はい、あたしも1人では初挑戦。
阿部っちが人参嫌いなんて嘘っぱちなんで宜しく(爆)
一応これがあたしと亜乃の考えてる出したい人全員です♪
あたしはギャグ路線担当で(笑)
この食事シーンを楽しんで頂ければ幸いですvvv
あ、U-22の情報・口調・癖・趣味など知ってる方募集!!
良かったら参考にしたいんで教えて下さいね★

では夕食後は亜乃宜しく(>▽<)


 


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