「此処が初仕事の場所かぁ・・・」
右手にはカメラの入った鞄を下げ、
左手には沢山の書類。
記者1年目はごくっと唾を飲み込むと
ビッグスワンの中に入って行った。
オレンジ。 0
「失礼します!!
先日お電話したという者です!!」
緊張しながら事務室のドアをノックして開ける。
中にいた男性が椅子を回転させて此方を向いた。
「そっ反町監督!?」
いきなりの大物の登場に目を見開く。
そう、いたのはこれからが2週間密着取材する
サッカーチームアルビレックス新潟の若き監督反町康治。
「初めまして。話は聞いているよ。
アルビの良さを是非全国に広めて下さい。」
紳士的な笑顔でそう言われる。
ハイ!!と頷くを反町は自ら控え室に案内した。
「おーい、この子が朝言ってた記・・・」
「ちゃんだよね!?」
反町に最後まで紹介させず
元気に言う男性にはビックリ。
「俺氏原良二!!年は21歳、
ウジって呼んで?宜しく!!」
手を掴まれぶんぶんと大きな握手。
その氏原の頭をペシッと叩くのは
新潟の守護神GK野澤洋輔。
「ウジ、ちゃん怯えてるだろー?
あ、俺はノザね、仲良くしような♪」
人懐っこい笑顔を浮かべる。
しかし野澤にも更なる鉄拳が。
首を絞めるのはキャプテン寺川能人。
「テラさんっ苦・・・」
「お前かて何いきなり名前で読んどんねん。」
どうやら関西出身の人らしい。
解放された野澤は拗ね気味。
「別に良いじゃないスかー。」
「だったら俺も名前で呼ぼ。
小林 悟です、ちなみに独身です。」
2人の間に入って自己紹介。
はペコリと挨拶しながら
律儀に一人一人に名刺を配っている。
「へぇ19歳って同い年だ。
新人同士宜しく、山形辰徳です!!」
「そうなんですか?お互い頑張りましょうねv」
笑顔で対応する。
そこで後ろから肩を叩かれる。
「カムサハムニダ。」
「え!?」
一瞬にして固まる。
英語は多少話せても朝鮮語系はサッパリ。
しかしその男はプッと笑った。
「嘘だよ、冗談。本当は日本語ベラベラ。
岡山生まれの東京育ち国籍朝鮮の安 英学です!!」
「アン・ヨン・ハさんですか?」
「そ。ヨンハって呼んでくれると嬉しい。」
焦っていただが英学の言葉に一安心。
「ヨンハ、あんまりからかうなよ。」
「しかもカムサハムニダって・・・
゛有難う"は此処じゃ全く関係ないな。」
苦笑するのはのデータでは
女子一番人気の宮沢克行。
そして冷静にツッコむのは深澤仁博。
ベテランの神田勝夫が同感という風に頷く。
「ヨンハもはしゃいでるな。
あ、俺地元出身者だから何でも聞いてな?」
「有難う御座います!!」
どうやら選手達は皆明るく良い人達らしい。
続いて肩を組んだ二人が歩いて来る。
「ちゃんお初!!俺は末岡龍二。
スエな。んでもってこっちが三田 光。」
「U-21の人ですよね?宜しくお願いしますv」
「・・・ども。」
短く返す。
「三田何照れてんだよ。
ちゃんの可愛さに惚れた?」
同い年で仲の良い氏原が肘で突付く。
「ウジー恥ずかしがってる奴ならここにもおるで?」
寺川がニヤっと笑って指差す。
「直樹さんがいましたね!!
人見知りホント激しいんだから。」
「んなっんな事ねえよ。
高橋直樹、26歳宜しく。」
早口でそう言う。
見た感じからしても相当あがっているようだ。
ラストをしめるのは落ち着いた27歳秋葉忠宏。
「五月蠅くて御免な?
でも悪い奴らじゃないから。」
「あ、ハイ、あたしも楽しく過ごせそうで嬉しいです!!」
ますますやる気を出す。
そこでふと聞くのは野澤。
「ちゃん、そういえば2週間の間何処で泊まんの?」
「近くのホテル借りてるんですけど・・・?」
「「「「「「 勿体なっ!!!!! 」」」」」
声を揃えて返される。
「かなり金の無駄だな。
あ、アルビの独身寮使って貰えば?」
深澤が提案する。
「賛成。
この前1つ部屋空いたとこだし。」
「そんなっ、悪いですよ!!」
宮沢の言葉には首を横に振る。
「遠慮しなくて良いって☆」
「ウジの言う通り!!
プレーだけじゃなく俺らのプライベートも取材出来るよ?」
ニコッと笑う末岡。
記者としてはこの上ない申し出だ。
しばらく考えてはペコっとお辞儀した。
「・・・じゃあお世話になります!!」
選手達は一斉にガッツポーズ。
しかし部屋の端で秋葉と神田のこんな会話があったのは知らない。
「カンさん、独身寮って・・・」
「今いるのはウジ・ノザ・スエ・ヨンハ
三田・山形・マサ・ミヤの8人だな。」
「・・・危険スねぇ。」
「あぁ。」
2人で溜息をつく。
「ちゃん無事に過ごせると良いけど・・・」
はい、マニアック(爆)
もうアルビを全国に広める勢いで書きます!!
独身寮にいる設定の選手達はマジ皆格好良いのでvvv
良かったらこの機会に好きになって下さい(>▽<)
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