オレンジ。 3



「あれ、今頃誰だ?」


と宮沢が話しているときチャイムが。
時間は午後9時半。
深澤がはいはいと立ち上がってドアを開ける。

「うーすバンワ。どうせ皆此処だろ?」

「あれ、サトルさんにナオキさん。
珍しいスね、こんな早くに。」

そう、小林と高橋。
いつもなら来るのはもっと深夜なのにと
深澤は首を傾げながら中に二人を入れる。

「うわ、もう殆ど潰れてるな・・・」

「はれ、コンバンワッス〜。」

やれやれというような直樹に
洋輔が半寝の状態からゆっくりと起き上がる。
呂律が回らなくても笑顔でカバー。

ちゃん来てはしゃいで飲み過ぎると
思ってたから早目に遊びに来て正解だったな。」

「さすがサトルさんスね。
でもちゃんかなり酒豪なんで大丈夫ですよ。」

隣でコンバンワと礼をするを宮沢が指差す。

「マジ?なら良かった。
俺らも買ってきちゃったんだよなー。」

「「え。」」

声を揃える深澤と宮沢。
酒屋の銘柄の入った袋の中には
ビール・チューハイ更には日本酒まで。

「あ、大丈夫大丈夫。
大体は俺とナオキで飲むから。」

「・・・それでお願いします。」

深澤がギブと言う風に訴える。
は積極的に挙手。

「あの、あたし全然まだ飲めます!!」

「お、ちゃんイケる口?
俺らも強いよ、なぁナオキ。」

「え?あ、まぁほどほどには。」

まだ多少人見知りしてる様子の高橋。

「女の子には負けられないから俺もまだ飲む。」

宮沢も負けじとビールの缶を開ける。

「さて、んじゃ第二幕行こうか。」



「「「「 乾杯!!!! 」」」」








「あの、さっき他の人に聞いてたんですけど
小林さんと高橋さんは趣味とか何ですか?」


一番強い日本酒に手をつけ鉛筆片手に言う

「俺は何だろ・・・部屋の模様替えとかかな。」

「あ、サトルさんは毎回かなり部屋のセンス良いよ。
・・・どっかの誰か達と違って。」

ちらっと横目で爆睡中の英学と山形を見る宮沢。
はルーズリーフに記入しながらへぇと頷く。

「そういえば小林さん服のセンスも良いですもんねv」

「あ、マジで?嬉しいよ。
ってか小林さんより悟さんて呼んで欲しいな。」

「あ、なら俺もミヤで!!」

小林とのやりとりに宮沢も積極的。
はニコッと笑う。

「分かりました!!じゃあ高橋さんの趣味は?」

「・・・音楽鑑賞とか。」

「あ、良いですねv好きな歌手は誰ですか?
ちなみにあたしはDragon Ash好きなんですよvvv」

「マジで!?俺も好き!!
降谷建志尊敬してんし!!」

態度豹変。
どうやら好みが一致したらしい。

「え!?高橋さんも好きなんですか!?」

「堅苦しいな、ナオキで良いから。
もう大ファンだよ、車ん中だといっつも聞いてるし。

「ナオキさん、じゃあ新しいアルバム買いました?」

「当然!!」

人見知り解消、話がどんどん弾む。
その時寝ていた氏原がムクっと体を起こす。

「・・・風呂に入って来ます。」

「ウジ、やめとけって。
酒入ってる時の入浴は危険なんだぞ?」

宮沢が慌ててそれを止める。

「大丈夫ですよー寝て酔い醒めましたし・・・痛っ!!」

立ち上がって風呂の入り口で頭をぶつける。
180cm以上ある選手には出入り口が小さいらしい。

「でかいんだから気をつけろっていつも言ってんだろ?
特にお前とノザとヨンハと三田・・・は大丈夫か。」

「あ、差別ー俺だってたまにしかぶつけませんよ。」

拗ねながら結局は浴室に入っていく氏原。
深澤が仕方なく立ち上がる。

「心配だから俺も入ってくるわ。」

「ん、マサ頼む。」

缶を口につけながらも手を振る宮沢。
その光景には苦笑。

「何か毎日大変なんですねぇ。」

「ま、明るいメンバーだから楽しいのが優先なんだけど。」

「なるほど。」

宮沢の答えに納得する
小林はチューハイ一気飲み。

ちゃん他に聞きたい事は?」

「えーと、じゃあ好きな食べ物とか。」

「寿司、もんじゃ焼き!!」

即答。
はすかさずメモ。

「俺は鯛焼きv」

へっとが後ろを向くと氏原に続き起きていたのは野澤。
三田や末岡や英学も目を覚まし始める。
1人、酒に免疫がないようでまだ寝続けるのは山形。

「野澤さんは甘いもの好きなんですか?」

「好きだねぇ。じゃがいもも好きだけど。」

うんうんと満足そうに野澤は頷く。
末岡は思い出したように手を打った。

「そういえばさっき俺趣味言ってなかったよな?」

「あ、是非お願いします。」

「えーとね、小説読む事とロックミュージック聞く事かな。」

「それはまた対極な感じの趣味なんですね。」

そう言って笑う

「まぁね。あとは半身浴!!あれ最高!!
俺風呂入りたくなったなー。」

「無理。今ウジとマサが入ってる。」

高橋の言葉に末岡の目はキラキラ。

「マジスか?んじゃ邪魔してこよ♪」

上半身裸になり浴室へ直行。
氏原が上がりそうだったようで
『キャー!!エッチv』と冗談風の叫び声があがる。
やはり酔いが完全に醒めたとは言えない感じだ。

「・・・3人はさすがに無理だろ。」

光が苦笑しながら言う。
その横では英学の手をパシッと宮沢が叩いている。

「お前さっきまで寝てたくせに酒に手ぇ出すなっつの。」

「さっきのは酒が強いのが悪いんス。
今回は度数弱いのにしますから。」

「物の所為にしても無駄。」

そう言ってチューハイを取り上げられる。
苦笑して見ているのは小林。

「ヨンハどんまい。
ってかミヤは世話焼きだよな。」

「ココの奴等がガキ過ぎるんですよ。
何か老けてるみたいな言い方止めて下さいよー。」

「いや、案外思考的なもんは俺より年かもよ?
だってマイブーム味噌汁だろ?」

「ホントですか!?ミヤさん和食っ子ですねぇ。」

もかなり楽しそうだ。
その様子に高橋はかなり不思議そう。

「なぁ、マジでちゃん酔ってねえの?
ミヤ同様酒豪の域超えてる気すんだけど。」

「ナオキさん褒めてませんね?
これでもほろ酔いはしてるんです!!」

あれだけ飲んでほろ酔いかよ。
起きている面々は異常者を見る目つき。
そこに入浴を終えた氏原と深澤が。
タオルで頭をゴシゴシ拭きながら腰を下ろす氏原。

「んー完璧復活!!」

「あれ、末岡さんまだ上がらないんですか?」

「さっき言ったろ?半身浴大好きって。
入ってからが長いよ、スエは。」

小林の言葉に女だが入浴の長い方ではないは驚き。
深澤は牛乳をコップ一杯に注ぎゴクゴクと飲み干す。
そしてもう一杯をついで山形を起こす。

「ノリ、良い加減起きろ?
ってか頼むから此処で寝るなって。」

「マサさん・・・気持ち悪いです。」

「ホラ、牛乳。」

その発言を予想していたようにグラスを渡す深澤。
宮沢はボソッと言う。


「・・・マサのが俺より絶対ジジイ思考。」






 

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