オレンジ。 5



あふ・・・お早う御座います。」


翌朝8時5分前。
大きめのボストンバックとカメラケースを持って
が欠伸をしながら車庫前に現れた。
もう既に準備万端の様子でいるのは
案の定しっかり者の深澤と宮沢。

「おはよう。…よく眠れた?」

「はい!!バッチリですv」

「…二日酔いの心配も無さそうだな。」

苦笑する宮沢に続いて小林と高橋が歩いてくる。

「おはよーあれ、他の奴まだ?」

「遅ぇな。
俺ら一旦家帰って荷物取って来たっつーのに。」

「お二人も温泉行くんですか?」

「もち!!今日は宜しくな?」

「はい!!」

笑顔で頷く
その時玄関から末岡と野澤の姿が。

ちゃんオハヨ♪
俺も行くから仲良くやろうな!!」

「スエさん宜しくお願いしますv」

「あ、ノザ車出せる?」

「ミヤさん、無理〜。
ウジの車がかなり邪魔です。」

車庫の中を覗き込み困ったように笑う野澤。
やれやれと宮沢が呼びに行こうと思った瞬間。


「ウジ!!!!」


階段から三田の絶叫。
慌てて全員で声の方へ向かう。

「痛って・・・腰ぶつけたし・・・」

階段の一番下では苦痛の表情を浮かべる氏原が。
どうやら寝ぼけ眼のまま階段を降りた為
足を踏み外したらしい。
一番上の段では三田が溜息をついている。

「だから危ないって言ってんのに・・・」

心配そうには氏原に手を差し伸べた。

「ウジさん大丈夫ですか!?」

「あ、サンキュ。
でもちゃんの体力だと俺を起こすのは無理かも。」

「全く、ボサっとしてんなよ。」

「スエさん、どーも☆」

そして氏原はの手に掴まりながらも
末岡の力によってゆっくりと立ち上がった。

「なっ何スか今の音!!??」

その時慌てて三田の後ろから山形が顔を出す。

「あぁ、気にすんな。ウジが落ちただけ。」

「何だ、驚かさないで下さいよって…えええぇぇぇええ!???」

反応遅っ!!
全員がそう思ったのは言うまでもない。
しかし下で深澤が首を傾げる。

「ノリ、ところでヨンハは?」

「それが起きないんですよー。
準備は昨日したから良かったものの…」

「置いてっちゃえば?」

「いや、俺がヨンハさんに殺されますから!!」

笑って言う小林に山形の目は本気。
宮沢は何で行く前からこんなに問題ばかり
発生するのだろうといった目付き。

「ノザ、ウジに車どけさせて準備してて?」

「了解〜。」

「俺は…ヨンハ起こしてくるわ。」

そして階段を上って山形と英学の部屋へ。
は前部屋に入りたくないと言っていた宮沢の
言葉を思い出し楽しそうに後をついていった。


「これは何とも個性的な…」


部屋を見て最初のの一言。
精一杯の褒め言葉らしい。
記念に1枚シャッターをきる。
宮沢は布団に包まるヨンハを踏み出した。

「ヨンハ起ーきーれー!!」

「ん・・・ノリ、ムルジュセヨ〜(水頂戴)」

「はぁ!!??」

むくっと半身を起こし意味不明な朝鮮語を
言い出す英学に宮沢の顔は怪訝な表情。
かなり寝ぼけているようだ。

「俺は山形じゃないっての。」

「あれ…ミヤさん?」

目の前でしゃがんでいる宮沢を
英学は目を擦って見つめる。

「そ、正解。今日は皆で温泉だろ?
集合してないのヨンハだけだぞ。」

「マジっすか!?うわ、スンマセン!!
今着替えますから!!あ、ちゃんおはよ。」

急に慌しくなる英学には笑ってお辞儀。
そして二人でまた車庫の所へ戻る。
しかし下は下でまた新たな問題が。
どうした?と聞く宮沢に野澤は苦笑。

「さすがに俺の車でも11人は無理スよ。
もう1つ車用意して貰わないと。」

「あ、そうかもな。
次にでかい車は・・・・と・・・・」

車庫を見渡す宮沢に三田が挙手。

「俺のです。
別に運転苦じゃないしOKスよ?」

「ん。ミタ、悪いな。」

これで一件落着。
そうは行かないのが今回の温泉旅行。
氏原と末岡がの元に駆け寄る。

ちゃんどっちの車乗んの!?」

「へ?あたしはどっちでも…」

「じゃあ俺の隣ね!!
だからノザの車な?」

「スエさん駄目ッスよ!!
ちゃん俺と一緒だからミタの車です!!」

いつのまにそんな事が決まっているのだろう。
末岡と氏原の取り合戦に全員で溜息。
大人しくしていた高橋がキレる。

「あーもう五月蠅い!!二人共駄目!!
ノザの車にウジ・スエ・ノリ・ヨンハ・サトルさん!!」

そして仕切りだす。
の目は尊敬モードだ。
宮沢と深澤がうんうんと頷く。

「で、三田の車にちゃんに俺にマサに
ナオキだな。それに賛成。」

「勿論俺も意義なしで。
ゆっくりドライブが楽しめそうだし。」

不満勃発なのは運転手野澤と何故か
そっちに入れられてしまった小林。

「ナオキさん待って下さいよ〜!!
俺にこっち押し付けるんスかぁ!??」

「っつーか何で俺がこの五月蠅いチームに
入ってんだよ!!そっちが良い!!」

「仕方ないスよ。人数制限ありますし。」

問答無用。
静かチームは勝手に三田の車に乗り込む。
一番ホッとしているのはその三田だろう。


「助かった・・・」






「あーぁ、ちゃんと一緒が良かったのに…」

「ウジの所為だぜ?」

「は!?スエさんがでしゃばるからでしょ!?」

渋々野澤の車に乗り早速口喧嘩。
当然助手席の末岡とその後ろの氏原だ。
氏原の隣では小林が不貞寝。
一番後ろのヨンハと山形は既に疲れきっていた。

「何で俺らまで巻き込まれにゃ・・・」

「同感ス。後で絶対変わって貰いましょうね。」

案外一番可哀想なのはこの二人かもしれない。



そして総勢11人は温泉に向かって出発した。






 

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