オレンジ。 6



楽しみですね〜温泉vvv」


三田の車の中。
助手席に座ったが嬉しそうに後ろに話しかける。

「でも良かったよな。
いきなり11人もの予約を当日に引き受けてくれて。」

「残り3部屋しかなくてその3部屋が連続してる。
確かに運良かったですよね。」

予約を取ったのはやはりこの二人、宮沢と深澤。
三田は必死に携帯で神田とのやりとり。

「あ、ハイ国道ありました。そこを真っ直ぐ?
いや、左右に別れてますけど。え??」

野澤よりしっかりしているだろうという事で
先頭を任された三田は悪戦苦闘。
何とか話が出来たようで通話終了。

「三田ー迷子んなんなよ?」

「カンさんに聞いたんで大丈夫です。…多分。」

高橋の言葉にやや不安げに頷く三田。
宮沢が後ろからついてくる野澤の車の方を見た。

「あーあいつらまた車内で騒いでるし…」







「「「「ジャンケンポン!!」」」」


場面は変わって野澤の車。
此方では壮絶なジャンケン大会が繰り広げられていた。
ガッツポーズは山形。

「おっしゃぁ!!
俺次三田さんの車ぁ!!」

「ノリ、今の遅出し。な、ウジ?」

「ええ、俺らより0.15秒程遅かったですね。」

ふっふっふと笑う末岡と氏原。
こういう時だけグルになるらしい。
悟が大きく息を吸う。

「って事で・・・あいこでショ!!」

「勝ったぁー!!
俺今度こそ絶対勝ちましたからね!??」

「あ、認める。何故なら俺も勝ったから♪」

勝者は末岡とジャンケンの強い山形。
しかし氏原の屁理屈開始。

「いや、今度は0.03秒位ノリ遅出し。」

「はぁ!?そんなんじゃ決着付かないッスよ!!
ヨンハさん、何とか言って下さいよ〜。」

「俺ジャンケン知りません。
っていうか日本語ワカラナイ。」

肩を竦めて言う英学に悟がチョップ。

「こういう時ばっかり朝鮮人すんなっつの!!
っつーかさっきまで普通に参加してたくせに。」

「ちっ。」

バレバレの作戦案の定失敗。
結局勝負は付かないままだった。
溜息をついてアクセルを強くする運転手野澤。


「運転手交代枠はないわけ・・・?」







「あ、前に何か見える。」


2時間ほど走っただろうか。
が前に見える大きな建物を指差す。
食い処と書いてあるようだ。

「そういえば俺ら朝飯食べてないよな。」

「此処にします?朝昼兼用で。」

高橋と宮沢が顔を見合わて言い決定。
頷いて三田がウィンカーを出し右折して駐車場へ。
野澤達の車もきちんと付いてきてるようだ。
車を出たはぐっと背伸び。

「んー乗ってるだけでも肩が…」

「確かに凝るね。」

深澤が首を左右に曲げる。
その達の元へダッシュしてくる末岡と氏原。

ちゃん飯は一緒に食べようよ、な!?」

「いや、スエさんとじゃなくて俺とだよね!?」

「お前ら五月蠅い。
二つの席くっつけてくれたから全員座れるって。」

争いを止める宮沢の一言。
もホッと一安心し、11人で店内へ。
畳の置かれた座敷にテーブル。
地方の和食屋といった雰囲気だ。
野澤が早速メニューを開く。

「何にしようかな〜?
ちゃん何食べたい??」

「えーどうしましょう・・・」

「ノザ、こっちにもメニュー回せよ!!」

手でバンバンと机を叩いて待つ末岡。
2つしかないメニューを身を乗り出し全員で見る。

「俺これにしようかな、新潟御膳。」

「ウジも?俺もソレ。
何か独特の味とかありそうだよな。」

「じゃああたしもウジさんとミヤさんと同じのでv」

「俺はーあー…天ぷらうどんかな。
朝ってあんまり食欲出ないから。」

大きな海老天ののったソレを指差す深澤。
山形は天ぷら蕎麦。
野澤は結局悩んだ挙句野菜定食に。
そして1人だけデザートにあんみつ。

「俺は寿司セット。」

「俺もサトルさんと同じので良いわ。
ボタン押すぞ?」

高橋が店員を呼び出すボタンを押す。
はいはいとおふくろというようなお母さんが
メモ帳を持って歩いて来る。
深澤が全員の分を確認し注文。

「…で、寿司セットが二つと。あ、ヨンハと三田は?」

「「カツ丼で。」」

二人同時に即答。
有難う御座いますーと去っていく店員。
は冷やを一飲みして三田に尋ねる。

「ヨンハさんは知ってたんですけど…
三田さんもお肉好きなんですか?」

「うん、大好物。
東京いた時唯一の常連の店がカツ丼屋だった。」

「ホントですか!?」

「ってかじゃあ新潟来たなら
肉以外のもん頼もうぜ〜?」

隣の氏原が三田に絡む。

「まだ新潟で贔屓の店作ってないから。」

冷静に返す三田。
扱い方を心得ている。
しばらくしてほぼ同時に全員の頼んだ物が運ばれてきた。

「新潟御膳美味そうスね!!」

「あぁ、正解だったかもな。」

「んじゃいただきます!!」

パンと手を合わせいう山形を合図に食事開始。
も新潟に来て初めての外食を味わう。

「え?何、ごはん凄い美味しいvvv」

「だろ!?それは俺も新潟来て驚いたよ。
マジ全然味違うの。柔らかくて水っぽくてさ。」

感動するに野澤が便乗。
それを見ていた深澤が笑う。

「ノザ、どっかの米評論家みたい(笑)」

「いや、でもマジ美味いんですって!!
あーマサさんも御飯物頼めば良かったのに〜。」

「俺とマサは家できちんと米買って
作ってるから美味さは充分分かってんの。」

宮沢の言葉になるほどとは納得。
しかし前の英学を見て目を開く。

「よっよよヨンハさん!??」

「ん、何?」

「いや、お前それはやり過ぎだろ…」

サトルも苦笑。
英学はカツ丼にかなりの量の七味唐辛子をかけていた。
茶色の衣が赤く覆われる。

「やっぱ辛くないと食った気しないんで。」

「限度があると思うな俺も。
あーなんか胃が痛い・・・」

見ただけで駄目そうな高橋。
英学は気にせず一口。


「ん、足りないかも…」


「「「ヨンハさん!??」」」

更に香辛料を追加する英学に
末岡・山形・氏原のトリプルつっこみ。
は現実逃避で三田のカツ丼を見つめていた。


まぁ何はともあれ楽しい食事。






 

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