【日本アジア大会初の銀メダル獲得――――――！！！！！】 １０月１３日全国のお茶の間にこんな実況が響いた。 三十数年ぶりのベスト４進出から決勝にまでいくという快挙。 日本国民は谷間の世代と言われたU-２１を賞賛しただろう。 しかし誰も知らない。 その勝利の裏には１人の女性がいた事に・・・ -Step- 0 「８人で３LDK！！？？？」 韓国の日本人選手村へと向かうバス。 U-21のFW田中達也が叫んだ。 頷くのは男のトレーナーのうちの１人。 「ああ。一緒に暮らすメンバー言っとくな。 W田中に鈴木、松井と阿部、三田、森崎に大久保。」 「ちょっ、いきなり・・・俺ら聞いてないですよ？」 「言うの忘れてた。 でも男同士だし問題ないだろ。」 若き司令塔阿部勇樹の言葉にさらりと返すトレーナー。 DF三田　光とMF森崎和幸が顔を見合わせる。 「俺は別に良いけど・・・家事とかどうするんだ？」 「同感。料理・洗濯・掃除そんなもん出来ないよな。」 トレーナーは表情を崩さない。 「それは問題ない。 住み込みでお手伝いさんが１人いるはずだから。」 「此処が俺らの部屋かぁー。」 そんな話があってから３０分後。 選手全員は無事選手村に辿り着いた。 ドアを目の前に少しお疲れの様子で鈴木啓太が呟く。 「啓太ー早ぅ入ろうや。」 関西弁でそう言うのは京都出身松井大輔。 はいはいと啓太はドアノブに手をかける。 「結構・・・思ったよかマトモ？」 「案外広いもんスね。」 啓太と大輔の後ろから中を覗くのは J2得点王大久保嘉人にまだ２０歳の田中隼磨。 そして全員で中に入る。 「っはー長旅長旅。」 勇樹が鞄を下ろし背伸びする。 ソファに腰を下ろすのは達也と隼磨。 「ハユ、何か腹減らね？」 「減った、だって今ちょうど昼ぐらいじゃん。」 「お手伝いさん言う人ホンマに来るんやろか？」 大輔が時計を見る。 会話はそのお手伝いさんの話題に。 膨らませ役は和幸。 「住み込みって事は俺らと一緒に過ごすって事だよな。 どんな人だろ？」 「おじさんかおばさん。」 即答する啓太。 同意見という風に光と嘉人も返す。 「啓太当たり。」 「どんな人って聞いたら５０歳位のおばさんつってた。」 「マジで！？…食われたりとかせえへん？（笑）」 大輔の冗談に全員爆笑。 「にしても遅いよな。 ま、今日は練習ないし良いけど。」 勇樹がそう言った瞬間だった。 「御免なさい！！道に迷ってて・・・」 ドアが大きく音を立てて開き１人の女が入って来た。 目を見開く選手達。 和幸が口を開く。 「え・・・？例の５０歳のお手伝いさん？」 「な、訳ないやろ！！どう考えたって１０代後半そこそこやん。」 指差す和幸にスパンと大輔のつっこみ。 光が玄関の方に歩く。 「家間違ってないか？」 「え！？嘘？？」 その女子は書いて来た地図のような物をもう１度確認する。 そして首を傾げた。 「此処で良いはずなんですけど・・・」 「でも俺達全然知らないし。」 「そうそう、こんな若くて可愛い子来る予定ないよー。」 「来るのは５０歳くらいのおばさんだけですもんねぇ。」 啓太と達也が笑い合う。 しかし 「じゃあ此処で良いんです！！」 「「「「「「「　は！？？？　」」」」」」」 選手全員頭に疑問符。 は鞄から紹介状のような物を光に渡した。 「・・・１８歳・・・」 「はい！！ 母親が体調崩してしまって代わりに来ました！！」 「マジで！？？？」 隼磨が驚きのあまりソファから立ち上がる。 頷く。 「これから数日間皆さんのお世話させて頂きます。 至らない点も有ると思いますが宜しくお願いします！！！」 そう言って頭を下げる。 その直後時計を見て慌てだした。 「待たせて御免なさい！！ 今すぐ昼食作りますから！！！！」 「・・・ってかなり可愛いスね。」 台所に姿を消したの方を見て隼磨が言う。 ツッコミはお決まりの大輔。 「お前いきなり呼び捨てかい。」 「でもラッキー。あの子と暮らすんだろ？」 啓太がのほほんと言う。 コクコクと頷く達也と和幸。 「ですよね！！ 練習帰って来るのが楽しみになりそうッス！！」 「俺、早く仲良くなろっと。」 「それは良いけどお前ら襲うなよ？」 「これだけの人数いてそりゃ無理ってもんだろ（笑）」 嘉人の言葉に苦笑する勇樹。 溜息をつくのは一番冷静で真面目な光。 「・・・・この先が思いやられるな。」 はい、アジア大会に感激して作ってしまいました！！ U-21は喋り方とかそういうの全部無知なので、 １００％靖樹のイメージです（爆） それでも良いと言う方は読んで頂けると嬉しいデスｖｖｖ