-Step- 12


「よく寝たぁって…ん?」


翌日7時。
起床しようとしたは腕に
力が入らない事に気付いた。

「え?何で!??」

そして自分のおかれた状況に目を見開く。
部屋の奥、右側のベットで寝ていた自分は
何故か現在真ん中に移されていて、
左右の達也と隼磨にしっかりと両手を握られている。

「どうしよう…これじゃ体が動かない…」

片手があいてるならともかく両手とも拘束。
今から作らないと朝食が間に合わない為
が途方にくれた時だった。

『寒いわ〜…』

ドアの向こうでそんな声が聞こえる。
どうやらトイレか何かで起きたらしい。
関西弁といえばあの人しかいない。
は急いで叫んだ。

「松井さんですよね!?」

『ん?ちゃんやん、どないした?』

「お願いがあるんですけど…
動けないんで助けて貰えませんか?」

『動けない!??』

何かあったのかと慌てて扉を開けた大輔は呆然。

「こいつらアホちゃうかホンマに…離せっちゅうねん!!」

そして乱暴に隼磨の腕を引っ張る。
達也にも同じ行為をし、はようやく解放。

「松井さんすみません。
有難う御座いました!!」

「いや、ちゃんが謝る理由は何処にも
あれへんて。この兄弟がふざけてるだけや。」

そして大輔はあと2時間でも大切にせなと
笑って寝床に戻っていった。
もようやくエプロンに着替えて台所へ。

「今日はオムライスにしようっと♪」








「「 いや、全然覚えてないですし。 」」


午後9時半。
選手全員が起床し朝食半ば。
が後片付けしている間に
大輔が朝の出来事を田中兄弟に
注意するも二人は完全に記憶がない。

「覚えてないで済むかボケ!!
俺が起きなかったらどないなっとると思ってんねん。」

「俺的にはそういう問題じゃないけどね。」

そこで口を挟むのは啓太。
首を傾げるのは和幸。

「じゃあどういう問題なの?」

「問題はちゃんを勝手に移動させた事と
手繋いでる事に決まってんじゃん。」

確かに。
が一旦寝てしまうと何しても起きない事は
勇樹の件で明確済みだが、動かして良い訳がない。
更に手を繋ぐなんて寝相で出来るはずもない。
啓太の言葉に同感と頷くのは嘉人。

「やっぱ部屋変えた方がよくねえ?」

「ちょっと待って下さいよ!!
喧嘩しないように動かしただけっス。」

「たかが誰が隣かってだけで喧嘩すんなよ。」

ごもっとも。
交代制にするとか方法ならいくらでもある。
光の発言に達也も隼磨も反論出来ず。
さらにトドメをさすのは勇樹。


「で、手は?」


お前口のくせに。
和幸・啓太・光がそう思うのは当然だが
勇樹はその視線に全く気付いていない。
必死に誤魔化そうとする達也。

「手はその…あ、そうそう!!
ちゃんが寒そうだったからぁ…」

「布団かけてやれば済む事だろ?」

全員の冷たい視線が突き刺さる。
ついに隼磨が逆ギレ。


「そうですよ!!と手繋ぎたかった
だけですー!!同じ部屋の特権ですー!!」


…達也を含めリンチに遭ったのは言うまでもない。








「ったく油断もスキもあったもんじゃないわ。」


午後10時。
練習が始まりランニングしながら
愚痴をこぼす大輔に直宏は苦笑する。

ちゃん惚れられてるなぁ。
あの性格だもん納得しざるを得ないけど。」

「せやかてそこまでするかとか思わへん??」

「…痛めつけるだけ痛めつけたくせに。」

ボソッと言ってダッシュする達也。
それを大輔が猛スピードで追いかける。
直宏はただただ笑うばかり。


「練習の前に体力消耗してどうするんだよ。」







「またあいつらは遊んで…」


場面は変わってピッチ脇のベンチ。
明日からついにグループリーグが始まるというのに。
大輔や達也を見ながら溜息をつく山本監督の
肩を誰かが軽く叩いた。

「あの、すみません。」

「ん?おい、部外者がこんなとこに入って
きちゃ駄目だぞ?」

「部外者というか…あたし三田さん達の
部屋の世話係やっていると言います。」


そう、ピッチに急に現れたのはだった。




快眠体質の主人公(爆
えーこれからはかなりストーリー性が
高くなる予定です!!←意味不明
ちょっとシリアスを考えてたりもするんですが、
良かったら読んでやって下さいvvv
ラストはちゃんと甘いですよ?(笑


 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送