-Step- 13


「あ、世話係の子なのか?」


こんな
若い子雇ってたのか。
そう考えつつも頷くの方を見る山本監督。

「私がこいつらの監督山本昌邦だ。
宜しく頼むよ。ところで…何かあったのかな?」

「あ、いえ大した事じゃないんです。
ただ達也さんがお弁当忘れちゃったので届けに…」

鞄から布で包まれた四角い箱を取り出す。

「そうか、わざわざすまなかったね。」

「いえ、じゃああたしこれで失礼します。」

「ちょっと待って、お昼まで練習でも
見ていったらどうだい?」

弁当を受け取った後をベンチに座らせようとする。
しかしはいえいえと慌てて首を横に振るう。

「そんなっ、邪魔しちゃ申し訳ないですし!!」

「遠慮しなくて良いから。
午前の練習が終わったら選手達と話したら?」

紳士的な笑顔でそう言う山本監督に促され
はベンチに座ってピッチの方を見やった。
普段子供のような選手達の真剣な表情に
はしばらく口をポカンと開けていた。


「皆格好良いー・・・」







「オイ阿部っちにカズ見ろよ。
凄っげぇ可愛い子が監督の隣に座ってる。」


そしてその1時間半後。
紅白戦に移りそれも終盤。
サッカーに集中していた選手達の中で
最初に気付き話しかけるのはMFの拓也。
試合中に何だよと振り向いた勇樹と和幸は目を見開く。


「「ちゃん!!??」」


その大声にDF陣・FW陣での事を
知っている選手達が次々便乗していく。
茫然としてやってしまった勇樹のパスミスを
思い切り遠くへクリアーした後驚くのは剛。

「え?何でちゃんがこんなとこに!??」

「なぁ、監督が持ってる奴弁当じゃないか?」

「弁当…あー!!!俺のかも!!!」

光の問いかけに敵方FW達也が敏感に反応する。
これでようやくがここにいる理由が分かった。
しかし殆どの選手の視線は冷たく達也の元へ。
2トップとして相方に蹴りを入れるのは悟志。

「痛っ!!何するんですかぁゴンさん!!」

「お前の所為なんだよ完璧に!!
昇平や友一見ろ!!」

そう言われた達也が振り向くと剛の横で
ボーっとを見続ける昇平とサイドで動きが
止まっている友一がしっかりと目に入って来た。

「もっもしかして…ちゃんに興味出ちゃったり?」

「もしかしてのレベルやないわあの反応は。」

大輔がトップ下でやれやれと溜息をつく。
ついに選手全員にバレバレ。
その時試合終了のホイッスルが。







!!!」


ダッシュで走ってくるのは隼磨。
はニコッとタオルを渡す。

「お疲れ様でしたv
皆さん凄い上手なんですね〜!!」

プロ相手に簡易に褒める。
しかし選手達にとっては嬉しさの極み。
啓太が隼磨の受け取ったタオルを即行で奪う。

ちゃんタオルありがと。
に、しても達也がごめんな〜馬鹿で。」

「本当だよな。
ちゃんに迷惑かけるし他の奴にはバレたし。」

「そんな強調しなくてもぉ…」

嘉人の睨みにビクつく達也。
しかし監督にほらと忘れた弁当を渡される。

「まだ弁当だから良いものの明日
ユニフォーム忘れたなんて言うなよ?」

「はいぃ…」

冗談交じりに言われ反省。
その横でが楽しそうに直宏と会話する。

「ナオさん、あのオカズ作り過ぎちゃったんで
良かったらタケさんと中山さんと食べて下さい。」

「え?いいの?ちゃん有難う!!
悟志ータケーちゃんがお弁当くれたよ?」

「マジで!???」

はしゃぐように歩いて来る悟志。
その横で同じ行動をする剛を遼一が拉致る。

「へ?マエ…さん?」

「あの子大輔達のお手伝いさんなんだよな。
何でタケやナオが知り合いなのかなぁ?」

「ぐっ偶然ですよ〜ははっはははは。」

目を逸らしわざとらしい笑い方全開。
この後剛は全ての理由を昇平や拓也も加わり聞き出されるのだった。








「じゃああたし帰ります。
皆さん明日の為に頑張って下さいね!!」


昼食終了。
笑顔で手を振るに全員が爽やかスマイル。
午後のメンバーチェンジしての紅白戦。
気合の漲る選手達の中で1人だけ表情の暗い
人物が1人。
先ほどよりもプレーがスムーズにいかない。
そのチームで司令塔をしていたのは


ちゃん…」


勇樹だった。




えーストーリー性を出す前に
1話経過してしまいました(爆
事の運びが遅いんだよなぁ…
最後ちょっとだけシリアスに繋がるんで!!


 

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