-Step- 16


何でちゃんが辞めなきゃなんないんですか!??」


監督の衝撃的発言後。
部屋に真っ先に飛び込んできたのは
あのいつも穏やかなはずの和幸。
その後ろには監督を睨む選手達が続々と続いている。

「…やはり、聞いていると思ったよ。」

「そんな事どうでも良い!!
ちゃんが辞めなきゃいけない理由は!?」

隼磨に促され監督は一つ大きな息を吐く。

さんの存在がお前達にとって
どれくらい大きいかは今日だけで充分分かった。」

「じゃあ何で…」

さんの為に頑張ろうって思っている奴等ばかり
じゃない。それがマイナスに作用する奴もいるんだ。」


「なぁ…阿部?」


直宏の質問にそう答え監督は勇樹の方を見た。
そして続ける。

「阿部だけじゃない。見ただろ?あのカズが
これだけ感情的になっている。」

――っ…ちゃんは関係ない!!
俺が勝手に…」

「その勝手が困るんだ。今お前は日本の
代表として召集されているんだぞ?」

そう言われ返す言葉がない勇樹。
監督は改めて茫然としているの方を見た。

「分かるかな?さん、君がいると
選手達が冷静にプレー出来ないんだよ。だから…」


「君から此処を辞めるって言って貰えないか?」


言われたの目からは今にも涙が溢れそうな様子だった。
しかしそれを堪えて笑う。

「あたしが…邪魔してたんですね。
皆さん、すみませんでした。監督の言う通り辞め…」



ちゃんが辞める事なんかあれへん。」



辞めます。
そのの言葉を強く遮ったのは大輔。

「感情的にプレーして何が悪いねん。
冷静でいるよりよっぽどやる気になっとるわ。」

「そう…そうですよ!逆に俺達責任感が出てきました。」

拳を握って剛も便乗する。
しかし監督は大きく首を横に振った。

「駄目だ。お前らはまだ未熟なんだ。
余計なプレッシャーと戦う必要はない。」

「プレッシャーだなんて言ってませんよ!」

「達也さん、皆さんそんな無理しないで良いですから…」

監督と選手達の衝突をが必死に止めようとする。
そのの頭に光がポンと手をのせた。
そして監督の方をじっと見る。



「要は俺達が勝ち続ければ問題ないんスよね?」



結果。それが全て。
監督は光を含めた全員に聞き返した。

「出来るのか?今のお前達に。」

「出来るか?そんな事聞かないで下さいよ。」



「やってみせます。」



啓太が余裕の表情で言い選手皆が頷いた。
溜息を漏らして苦笑する監督。


「…分かった。明日からの予選
1試合でも負けたらそこで終わりだ。良いな?」








「皆さん…やっぱりあたし…」


監督が部屋を出て行った後。
選手達に申し訳ないと辞めようとする
を悟志がなだめる。

「辞めさせてたまるかって。
俺ようやくちゃんの飯食えるようになったんだぜ?」

「俺もちゃんいなくなったら逆に
元気出ないような気するし。」

「大久保さん…」

「何より」

直宏はの前でしゃがんでニコッと笑った。


「俺達にはちゃんが必要なんだよ。」


その瞬間堪えてきた涙を解放する
視界が涙でぼやけつつもしっかり選手を見る。



「あたしも…皆のそばにいたいです…」



の言葉によっしゃと全員が自分を奮い立たせる。
ティッシュを箱ごとに渡し立ち上がるのは隼磨。

「タケ、黒河さんや昇平さん達呼んで来い!!
明日の作戦会議最初からやり直すって!!」

「了解!!」

パシられているにも関わらず剛は
マッハで自分達の部屋に引き返す。
手をバシッと鳴らし合うのは大輔と悟志のFW陣。

「何が何でも監督ぎゃふんと言わしたるで、ええな!?」

「おうよ!!俺らが得点しなくて誰が決めんだよ!!」


「「絶対ぇ勝つ!!」」



どの選手も今までの何倍もやる気に溢れていた。




シリアス爆発です(自称
きっと監督はもっと優しいので話が終わったら忘れて下さい^^;
これからは試合内容とかも含まれてきます。
頑張ります!!


 

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