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-Step- 17
「で、多分奴等はマンマークで来るはずやから…」
午前１２時。
日付を超えてもなお、選手達はまだ
対パレスチナ戦について会議を続けていた。
しかしそこで話を断ち切るのは裕一。
「なぁ、作戦会議はここまでにしようって。」
「何で？」
「ネモに同感。寝不足で明日調子が出ない
なんていったら最悪だろ。それに…」
首を傾げる啓太に光は苦笑して隣を指差した。
啓太と共に振り向いた大輔も片眉を上げて溜息。
「…寝とるやん。」
そう、目に入って来たのは既に熟睡モード
の隼磨と剛。
「あー二人ともいっつも寝るの早いもんなぁ。」
「お前がずっと起きてるから逆に迷惑って
ハユは言ってたけど？」
やれやれといった表情の達也に
和幸が茶化すように言う。
「ほら、こんな夜に無駄な体力使わないの。
悟志、黒河、俺らも部屋戻ろうか。」
「だな。タケも連れてかねえとだし…」
「んじゃ明日な、オヤスミ。」
騒ぎ出そうとする達也を止め、直宏と
悟志と貴矢は剛を担いで部屋を出て行った。
「あれ？ちゃんじゃね？」
部屋の廊下。
直宏達から少し遅れて部屋を出た
遼一の言葉に一緒にいた昇平・裕一は足を止めた。
「まだ寝てなかったのか？」
「眠ろうとしたんですけど…全然寝れなくて。
皆さんも起きてたし夜食でも作ろうかなと。」
「あー駄目駄目。ようやくあいつら
やめようとしてんのに差し入れなんかしたら…」
「「「 徹夜するよな。 」」」
昇平が言って３人で声を揃えて即答。
クスクスと笑うに裕一が話しかける。
「あのさ、寝れないって言ったよな。」
暇ならちょっと話しないか？」
「話？」
「ネモがナンパしてる！！有りえねえ！！」
「マエ…一人で帰る？」
おどける遼一に裕一の冷たい視線。
嘘ですと自粛する遼一には頷いた。
「あたしで良ければ…」
「…そんな事があったのか。」
いきなり部屋に真剣な顔の剛が
現れ深夜に作戦会議。
理由を聞こうにも熱くなっている選手達には
何を言っても無駄。
ようやくから夕食後にあった出来事を聞いた
裕一は組んでいた足を組みなおした。
「そりゃあいつ等キレるだろうな。
凄っげぇちゃんの事お気に入りみたいだし。」
「そんなっ！！でも…山本監督から聞くまで
あたしの存在が迷惑だなんて気付かなくて…」
便乗する遼一に俯く。
しかし昇平がの肩に手をかけにこやかに笑う。
「それは指導官からの目線だって。
選手から見ればなくてはならない存在みたいよ？」
「池田さん…」
に見つめ返された昇平の顔は真っ赤。
照れを隠そうと頭を軽く掻いて話を変えようとする。
「あ、とっところで試合観に来てくれんだよな？」
「いえ…邪魔になりたくないんで家で勝利を祈ってます。」
「俺は行った方が良いと思うなー。
本人目の前にした方がやる気出ると思うし。」
「だってっ」
「だってもヘチマもない！！
俺らが来て欲しいの。分かる？」
反論するを遼一が押し切る。
頷く昇平。
「そうそう。俺らはちゃんの為に頑張る。
だからちゃんは会場で俺らの事応援してくれよ。」
「……」
ハイ、とすぐに答えられない。
理由が分かるだけに裕一は気を
遣って席を立った。
「まぁ無理に誘っても仕方ないだろ。
気が向いたらって事で。」
「ん、ネモ帰るの？」
「マエ、何時だと思ってんだ？」
していた腕時計を遼一の目の前に出す。
時刻は深夜１時。
少しのつもりが１時間も話し込んでいたらしい。
「ちゃんも早く寝ろよな。」
「じゃあ、バイバイ！！」
ヤバイと帰り支度をし、玄関を出る昇平と遼一。
最後に裕一が靴を履いての方を見る。
「ちゃん、暗い顔するなよ。」
「根本さん…」
顔を上げるに裕一は普段絶対選手達には
見せないような優しい表情をする。
「良い選手達の担当で良かったな。」
「っあー！！試合出てぇー！！」
部屋に戻るまでの短い道のり。
遼一はもも上げをして大声で叫んだ。
その遼一に後ろから乗っかる昇平。
「ドーンマイ。怪我したマエの分は俺らが頑張るって！！
でもさぁ…あれだよな。」
「何だよ？」
「ちゃんが好かれる理由が分かったかも。
ちょっと話しただけだけどさ。」
「へぇ…まぁ可愛いだけじゃないってのは確かだよな。」
「うん。何かこうさ…守ってやりたくなるっつーの？」
「分かる！！すげぇ分かる！！
俺らが慰めてやるよって感じだよな。」
仲良く騒ぐ二人を前に見ながら
裕一も同じような気持ちでいた。
「さっきちゃんに言う台詞間違えたな…」
「ちゃんみたいな子に担当されて
俺らが恵まれてるんだ。」
まーた試合前に１話終わったし（苦笑
今回はネモメイン？何故か。
でも冷静っぽいって言うと三田よりも
ｲﾒｰｼﾞはこの人なんだよなぁ…
 
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