-Step- 20


「「うっしゃぁ!!」」


後半22分日本先制。
嘉人と達也が手をバチッと叩いて抱き合う。

そして満面の笑みを浮かべるに向かって
ガッツポーズをした。
その二人の下に駆け寄る直宏と裕一。

「達也良くやったね!!」

「嘉人、ナイスアシスト。」

さっき自分がフォローした言葉をそのまま
実行してしまう嘉人の憎さに軽い蹴り一発。

「ネモさん、俺やばっ…凄ぇ嬉しい!!」

「分かった分かった。それよりも
まだ一点だ。分かってるよな?」

「…っす!!」

緩んだ顔を再び戻して頷く嘉人。
そう、まだ一点。
すぐに同点にされる可能性がある。
全員はまた新たな気合を自分に込めた。







「うわー本気でやったよアイツ。」

「へ!??」

また試合が再開された直後。
の後ろでそんな声がした。
驚いて振り向くと隣に座ろうとしていたのは遼一。

「前田さん!?」

「よっ、俺試合出られないから観戦なの。
にしても嘉人凄ぇな、良い判断だよ。」

「凄いですよね!!格好良いですvvv」

心の底から嬉しそうなに遼一もつられて笑う。
自分のプレーでをこんな風に喜ばせられたら。
そう思うと今の時点で無理な遼一は複雑な心境。
嘉人を見ながら少しばかりの妬みを含んで呟く。


「やっぱ愛のなせる業なのかねー…」







「まったくアイツは…」


達也のゴールから10分。
右サイドの裕一は改めて嘉人を見て苦笑した。
同じC大阪というチームに属して仲が良い所為か
嘉人は大会中も何かと裕一に色々な話をしていた。
昨日ランニング中にした会話を思い出す。

『明日はとうとう試合スね!!』

『そうだな…嘉人、何震えてんだよ?』

『え?あ、武者震いって奴かな?
とにかく明日は絶対活躍するんです俺!!』

『まぁして貰わないと困るけどな。
でも何でそんなに初戦にこだわるんだ?』

『初戦だけじゃないスよ、全試合です。
ちょっと…//』

『ちょっと?』



『俺の良いプレー見て欲しい人がいるんで!!』



少し照れながら嘉人の言った言葉。
あの時は家族の事だろうと思っていたが、
今考えれば明らかにの事を思っての事だったのだろう。

「実行するから信じられないな…」

ぼそっと裕一が呟いた瞬間、物凄い観衆の声。
達也のゴールに刺激を受けた直宏が左サイド
から敵陣を攻めていたのだ。
そしてゴール前で中央に切り込み強烈なシュート。
しかし


「あークソッ!!」


パスを出した隼磨の声が聞こえる。
直宏のシュートはキーパーのファインセーブにより阻まれたのだ。
運がない。
顔を上に向け天を仰ぐ直宏。
また攻撃の組立てからやり直し。
全員がそう思った時だった。
嘉人の目が見開く


「ネモさん!!!!!」


そうキーパーの弾いたボールに
詰めていたのは何と裕一。
興奮する嘉人とは対極に裕一の表情は冷静そのもの。
自分を呼ぶ嘉人の声に少しだけ耳が反応する。
あの時の呼び方と一緒だ。



「やれやれ…分かってるよ。」



そう言ってボールをしっかりゴールネットに押し込む。
一瞬場が静まり返ったがやがて



―――――――――――――ル!!!!!!!!



実況が響き渡る。
裕一が思うあの時とはの事件のあった昨夜


『っ監督の奴何考えてんだよ!』

『まぁ良いじゃん。…どうせ負ける気ないんだろ?』

『当然スよ!!』

『なら頑張れよ。』

『ネモさん!!!!!』

『ん?』



『一緒に勝ちましょうね!!!』



自分の力だけじゃ勝てない。
みんなのチームワークがあってこそ。
俺にも手助けしろってか。

後半35分。
裕一はゴールを決めた瞬間フッと笑みを溢した。



「我が侭な後輩持つと苦労するよ…」





ネモさん素敵ー!!!(惚
更新遅れてしまってスミマセン。
少し文の構成に手間取りまして…
どうやらあたしの中ではネモさんは
ゴールする瞬間ですら何か考えてて
冷静というイメージのようです♪
…それにしても過去を織り交ぜながら文を書くと
分かりずらいな境界線(汗


 

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