-Step- 6



「ん・・・あれ、朝・・・・・・朝!??」


翌日。

目を覚ましたは窓から漏れる光に飛び起きた。
慌てて時計を見る。

「良かったぁ、まだ7時だ。」

ホッと一安心する
選手達を起こすのは8時半。
その間に朝食の準備をしておかなくてはならない。

「それにしても・・・あたしあのまま寝ちゃったんだ。」

しかし話し相手だった嘉人どころか、
残りの二つのベットには誰もいない。
不思議に思いつつもパジャマを着替えに自室へ。


「あ。」


そしてドアを開け一言。
一番左のベットにはスヤスヤ眠る少し狭そうな勇樹と大輔。
真ん中には嘉人。
そしてその床には嘉人に落とされた様子の達也。
最後に右を一人独占する隼磨。
何とこの部屋に総勢5人が寝ている。

「女子だから気遣ってくれたのかな・・・?」

選手達の優しさに自然に笑顔になる。
実際は誰があそこ(特に真ん中のベット)で寝るか口論になり、
結局部屋主の勇樹も大輔も隼磨と達也の所に連れて行かれたのだ。
そんな事知らないは音を立てずに私服に着替えエプロン装着。
顔を洗って意識を醒ますと台所に向かった。

「今日は何にしようかなぁ。」

冷蔵庫拝見。
しかし昨日チャーハンを作ってしまった為、
朝食に使おうと思った卵は皆無。
支給された財布を握り締め外に出る。

「良い天気ー練習日和になるなぁ。」

「「へ!?」」

背伸びをした瞬間横で裏返ったような声がする。
はゆっくりと顔を声の方に向けた。
そこには少し長めの髪の男子が二人。

「あの・・・此処サッカー日本代表の部屋だよな?」

「え?あ、そうですよ。
もしかして別の部屋の選手の方ですか?」

「そう。俺が石川直宏でこっちが中山悟志。
どうしてこんな若い子が阿部ちゃん達の方にいるの?」

「あたし体調崩した母の変わりに
こっちの部屋のお手伝いする事になったと言います!!」

笑顔で挨拶する
かなり驚いた様子の直宏と悟志。
小声でひそひそ話を始める。

「タケの奴気付いてたのに言わなかったな・・・」

「悟志落ち着こうって。
この可愛さなら言いたくない気持ち分からなくないだろ。」

「ナオは優し過ぎるんだよ。
あとで問い詰めてやろう。うん。」

「仲裁に入らなきゃ・・・」

苦笑して頭を軽く掻く直宏。
何事かと首を傾げるの方を向く。

「取り敢えずちゃん宜しくね。
ところでこんな朝早くに何か用?」

「ちょっと朝食の材料の買出しに。
道に出ればリヤカーで野菜売ってる人がいると思うので。」

ちゃんがやっぱ飯も作ってるんだ。
俺も食ってみたいなぁ・・・。」

羨ましそうな悟志には頷く。

「はい。もし良ければいつでも食べに来て下さい。
あ、でもそっちのお手伝いさんに失礼ですね。」

「行く。」

即答する悟志に直宏は笑う。
はようやく二人のジャージ姿に気付いた様子。

「石川さんと中山さんもお早いんですね。
何かあるんですか?」

「俺ら?俺らは自主トレってとこかな。
軽くランニングしようと思って。」

「へぇ・・・お二人共熱心なんですね!!」

尊敬のような眼差しで直宏を見る
悟志はその直宏の頭をコツンとつつく。

「ってか楽しみでよく寝られなかったんだよなナオは。」

「だってこれから未知の戦いが待ってるんだよ?」

「まぁそりゃあな。
ちなみに俺はナオに巻き込まれただけ。」

「そうなんですかぁ。あ、邪魔しちゃ悪いですね。
今日の練習も大変だと思いますけど頑張って下さい!!」

そして選手村を出ていく
手を振って悟志と直宏は後ろ姿を見送る。

「めっちゃ良い子・・・。」

「同感、癒された感じだね。
さて、俺らも選手村一周いってみようか。」








ちゃんお早う。」


それから1時間後。
買い物を終え朝食作りに励む
他より一足早く起きてきた光が話しかけた。

「三田さんお早う御座います!!」

「・・・やっぱまだ誰も起きてないな。」

周りを見渡し言う光には笑う。

「出来たら起こしに行って来ますね。
あ、眠気覚ましにコーヒーとか淹れましょうか?」

「うん、貰おうかな。」

大人しくテーブルにつく光にはカップを渡す。

「お、有難う。ちなみに今日の朝食は?」

「ホットドッグとか作ってみたんです。
中身は自分で選べるように・・・食べれますか?」

「バッチリ。バランスと好み考えてくれてるんだな。」

満足そうな光。
そこに欠伸をしながら勇樹が入って来た。

「阿部っちオハヨウ。」

「お早う御座います!!阿部さん。」

「参った・・・あの部屋キツいって。
大輔に掴まれて起きてたのに身動き出来なくてさ。」

俺は抱き枕かっつの。
不満を言いながら椅子に座る勇樹にもコーヒーを渡す。

「あの、昨日はあたし寝てしまって。
ご迷惑かけてスミマセンでした!!」

「あ、全然気にしなくて大丈夫だから。
それよりちゃんのこれからが心配になってきた。」

一口飲んでから溜息をついて言う勇樹。
は頭に疑問符。

「これから?」

「あぁ・・・あいつらちゃんの力じゃ起きないかも。
俺なんか今大輔蹴り飛ばしてきたし。」

「それでも起きないとか?」

光の問いに静かに頷く。
は多少不安になってきたようで、
朝食を並べ終えると早目に選手達の部屋に向かって行った。



「キャ
―――――――!!!!!」



その瞬間絶叫。
急いで光と勇樹は和幸達の部屋に入る。

「・・・啓太、タチ悪すぎ。」

光がやれやれと言う。
どうやら肩を揺すって声をかけるを啓太は
五月蠅いなーと抱きしめて布団の中ににもぐそうとしたらしい。
は多少涙目。
勇樹が啓太の頭をペシッと叩く。

「はい、そこのセクハラ大魔王起きる。」

「ん〜?あ、阿部っちだ。おはよう。」

「・・・覚えてねぇなコイツ。」

目を擦りながら平然としている啓太。
隣の和幸はの高い声にバッと目を覚ましている。

「何!?何が起こったの今!??」

「あーカズは気にしなくてOK。」

「そう?なら良いんだけど・・・」



―――――――――!!!!!??」



今度はの声にもならない声が。
3人は目をパチクリ。

「阿部っちとカズ。・・・こっち手伝って。」

光がドアの所から和幸と勇樹に手招き。
二人は光景を見て同時に隼磨にエルボー。

「ハユ、お前絶対ぇワザとだろ。」

「それは反則かな。」

真っ赤になりずるると崩れ落ちている
隼磨は起こしに来た瞬間

ちゃんオハヨvvv』

そして頬にキス。
いきなりの事にが叫んだのは言うまでも無い。
和幸同様その声に目を覚ましたのは大輔。

「なっ何やねん今の声は!!??」

「・・・大輔お早う。」

朝から疲れ気味に言う光。
それでも起きない達也は啓太が全体力をかけて踏み、
嘉人は無駄だという事で寝たままテーブルに連行。
勇樹と光は声を合わせてに言う。


「「 起こし係変わるから。 」」





朝から凄い事になってんなオイ(笑)

 

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