-Step- 9 「ただいまー！！」 宣言通りの午後８時。 達也の大声と共に選手達が帰宅。 「お帰りなさい！！ 練習お疲れ様でした！！」 エプロンで手を拭きながら 中から出てくる。 しかしメンバーを見渡して首を傾げる。 「中山さんに石川さんに青木さん？」 「ばんわ、朝ぶり。 早速ご馳走になりに来ました！！」 「ちゃんいきなり押しかけてゴメンな？」 「お邪魔しまス・・・」 敬礼するように言う悟志に苦笑する直宏。 そして大輔や啓太の鋭い視線にビビり気味の剛。 はニコッと笑う。 「あたしの料理で良かったら食べて下さい。 やっぱり大人数の方が楽しいですもんねｖｖｖ」 そして全員をリビングに通す。 席が足りない為テーブルを移動しカーペットでの夕食。 がシチューを入れた皿を運んで来る。 「あ、ちゃん大丈夫？ 熱いし俺手伝うよ。」 当然とばかりに紳士的に振舞う直宏。 それを見て対抗心を燃やしたのは嘉人。 「はい、自分の分は自分で運ぶ！！」 パンパンと手を叩いて 無理やり選手を立ち上がらせる。 じゃあお願いしますと各々に料理を渡していく。 しかしある事に気付く。 「あれ、阿部さんどうかしたんですか？？」 勇樹が見当たらない。 不思議そうなに対し和幸や光はきょとんとした顔。 「３・４時間位前に調子悪いって先帰ったよ？」 「そうそう。ちゃん見てない？」 「あー…じゃああたしが寝ちゃってる時かも。 ご飯食べれるか聞いてきますね！！」 「阿部さん、具合どうですか？」 コンコンと軽くノックをして部屋に入る。 左側のベットに寝ていた勇樹の首がゆっくりとの方に向いた。 「あ…うん、余裕。」 「すいません、帰って来た時あたし眠っちゃってて。 夕食シチューなんですけど無理ですかね。」 普通に接してくる様子を見ると キスした事には全く気付いてないらしい。 勇樹は心の中でホッとしつつも鼓動が早くなるのを感じていた。 「いや、食えるよ。 折角…ちゃん作ってくれた奴だし。」 「無理しないで良いですからね？」 「無理してないよ。うし、行くか。」 立ち上がっての背中を押す。 その後ろで勇樹は聞こえないような声で呟いた。 「…あんな事してごめんな？」 「阿部っちサン復活ー！！」 部屋に入って来た勇樹に気付き隼磨がすぐに言う。 元気そうな姿にメンバーは一安心。 「なら早ぅ食おうや。 フツーに夕食時間越してんのやから。」 スプーン片手に力説する大輔が 頂きますと叫んで食事開始。 「すっげー感動！！ ちゃん美味いよマジ！！」 目を輝かせる悟志には大袈裟ですよと笑う。 「俺毎日来たい勢いなんだけど。」 「駄目〜却下。」 横の啓太が即答。 ムッと悟志は啓太の方に振り向く。 「良いじゃんかよ！！」 「ちゃんは俺らの世話係さんなのー。 悟志の家はあっち、分かる？」 悟志が関わると誰とでも喧嘩になってしまうらしい。 和幸と直宏はやむなく仲裁へ。 「啓太良いだろその位さ。」 「悟志は諦めろよ。 俺達のお手伝いさんに失礼だぞ？」 そんな事が対角線上で起こっているとも知らず は田中兄弟と楽しくお喋り中。 「ちゃんおかわりぃ！！」 「達也食うの早すぎ。そして五月蠅すぎ。」 笑顔で皿をに預ける達也に耳を塞ぐ隼磨。 「だって腹減ってんだもん。 どっかの誰かさんが俺の弁当食べちゃうからさぁ…。」 ちらっと悟志の方を見る。 しかし睨み返されるとすぐに自粛。 「はい、田中さん。 田中さんもおかわりどうですか？」 「ややこし！！ ちゃん、俺ハユで良いから！！」 「あ、俺も達也！！」 この少人数にも関わらず名字が被る。 隼磨と達也はここぞとばかりにアピール。 「そうですねーじゃあ名前で呼ばせて貰いますｖ」 「そんなん兄と弟でええやん。」 「くはっ、大輔それ最高！！ 絶対達也が弟だよな！！」 スプーンを口に銜え言う大輔に嘉人は爆笑。 達也は当然膨れっ面。 「何で俺が弟なんですかぁ！！」 「それは達也が弄られ役だから？」 啓太の投げかけにうんうんと全員が頷く。 「まぁ落ち着けって田中（弟）」 「そうだよ、兄ちゃんが笑ってるぞ？」 「三田さんとカズさんの裏切り者ー！！！」 「なぁ、俺思うんだけどさ。」 「うん？」 選手村バイキング会場。 黙々と食事を食べる駒野友一に 那須大亮が話し掛ける。 「日に日に此処に来る人数減ってってない？」 「あー俺もずっと思ってた。」 大亮の隣で述べるのは野沢拓也。 「やっぱそうだよな？ タケが消えナオが消え悟志が消え…」 「皆何処行ってんだろ？」 ・・・寂しさを感じる３人なのでした。 はい、３人が初登場〜★ これから話どうしようかな？ やはりギャグ調になってしまう…（笑