unite 1


2003年1月2日。
新阪県東桜競技場。
新人記者のは、大きな荷物を抱え東京からやってきた。
今日から此処で行われるアテネ五輪代表候補の合宿の取材の為だ。
話は昨晩にさかのぼる。突然の編集長からの電話。

『あ、か?お前今仕事抱えてないよな?』

「あーはい。一応は・・・」

『丁度良い、頼みたい事があるんだ。お前1人の初仕事だぞ?』

「マジですか?やります!!」

携帯を握り締めは嬉しそうに返事した。

『よし、よく言った!!明日から約2週間
新阪県の東桜競技場へ行って取材して来い!』

編集長の一言に一瞬の動きが止まる。

「え・・・?2週間・・・ですか?」

『ああ、明日からサッカーU-22日本代表がそこで合宿するんだ。』

密着取材ってやつだな、と編集長の声はどこか嬉しそうだった。
に舞い込んできたのは思わぬ大仕事。それは分かる。
分かるが2週間もの長い期間、見知らぬ土地で暮らせるのだろうか。
の頭の中にそんな考えがよぎった。

「あの、編集長・・・あたし1人でですよね?」

『もちろん1人に決まってるだろう。あ、それから
この仕事はオリンピック前に出す公式本になるから、しっかりな!』

そう言って半ば強引に押し付けられ、今は合宿場の前に立っている。

「きちゃったよ・・・東桜競技場・・・」

小さめの鞄を肩に掛け直しごくりと唾を飲む。
これから2週間ここで生活するのか、とあたりを見回す。

「あれ、何で女の子がこんなとこにおんの?」

声のする方を振り返る。
不思議そうにこちらを見ているのはの予め持っていた
メンバー表に載っている京都パープルサンガの角田 誠。

「えっと・・・角田選手ですよね?」

「そうやけど・・・誰?」

「私、って言います。これから2週間、
合宿を密着取材させてもらうんですけど・・・」

「密着取材!??」  

全く知らなかったというような誠の驚いた表情。

「はい、そうなんです。2週間宜しくお願いしますね。」

にこっと笑ってが言った。

「そうなん?こんな可愛い子なら大歓迎やし、宜しく!!」 

誠もつられて満面の笑みを見せる。

「おーい角ー!!何してんねん、行くで!」

2人でほのぼのしていると後ろから声がかかった。

「あ、松井君、ちょお来てや!!」 

誠が呼ぶのは同じチームの先輩松井大輔。

「ん??なんや角。」

呼ばれるままこちらにくる大輔。

「この子俺らの取材に来て2週間密着するんやって。名前はえーと・・・」

ちらっとの方を見る。

です。これからよろしくお願いします。」

ペコリと頭を下げては言った。

「あ、そうそう、ちゃん!!」

一回聞いたのに度忘れした誠を見ては笑う。

「へ〜記者さんなんや。俺、松井大輔。よろしくな!」

大輔が手を差し出した。
その手を握って宜しくと返す。
その時また後ろから誰かの声が。

「なーにやってんの?2人とも。」

「あ、ナオさん。この子ちゃん言うて記者のー・・・」

同じ話が繰り返される。

「あー知ってる知ってる!!とりあえず宿舎の中入ろ。みんな集まってるから。」

石川直宏がそう言って3人を宿舎内に案内した。







「えー大輔と誠には伝わってなかったようだが、記者のさんだ。」


部屋に案内されたは山本昌邦監督に紹介を受けた。

「よろしくお願いします」

はペコリと挨拶した。

「宜しく!!俺田中隼磨!!ハユって呼んで?」

最前列にいた隼磨が真っ先に手を上げて言った。

「あ、ハユマに先越されたし!!
俺は大久保嘉人、ちゃん仲良くしような!!」

「俺、鈴木啓太!ちゃんって何歳??」

「まだ記者なりたての19なんですけど・・・」

「え?俺とタメやったんや!!」

誠が驚いたような声をあげた。

「俺もだ。年下かと思ったー。」

永田 充がのほほんと便乗する。

「はい!そこまでー!!とりあえず部屋に移動。此処にたまってたら邪魔だからね。」

直宏がそう言っての周りに集まっている選手たちを蹴散らす。

「ホントだよ。ちゃんだって困ってるだろ?」

三田 光が頷いて同じ行動を取る。
にたかっていた選手たちがしぶしぶ離れる

「監督ーちゃんは部屋何処なんスか?」

興味有り気に尋ねるのは中山悟志。

さんはー・・・コレに書いてるからそれみろ」

監督が部屋割り表の書いてある紙を悟志に渡した。

「あ、俺隣の部屋だ。ちゃん宜しくな。」 

悟志の受け取った紙を横から見た森崎ツインズ兄和幸がにこっとに言う。

「こちらこそよろしくお願いします。」

も笑顔で返す。

「カズ隣?じゃあ俺もだ。弟の浩司、宜しく!!」

「森崎さんは双子なんですよね。宜しくお願いします!」

「知っててくれてるんだ?嬉しいな。分かり難いからカズと浩司で。」

ニッコリ笑って浩司が言う。

「二人とも隣なら自己紹介後でいいだろ?」

拗ね気味なのはの部屋から一番離れてしまった前田遼一。

「えーっと・・・・・前田選手!!そうですよね??」

先輩記者に付いて磐田の試合を観た事を思い出し言うに遼一は嬉しそう。

「俺のこと知ってくれてるんだーよろしくね。」

笑顔で遼一が言う。

「お前ら部屋に戻る話聞いてたのかよ・・・」

またもや自己紹介タイムとなりそうな状況に光はやれやれといった表情。

「とりあえず荷物とか邪魔だからさ。各自部屋に荷物置いてから再度集合ってことで!」           

啓太のその提案に全員が頷く。

ちゃん俺もカズ達と同部屋なんだ。近いから荷物手伝うよ。」

阿部勇樹がのトランクを軽々持ち上げる。

「すいません。ありがとうございます。阿部さん」

取材で面識のあった勇樹に笑顔で御礼を言う。
そして勇樹は部屋までを案内し、電気をつけた。

「此処がちゃんの部屋な。」

「わー結構広いv」

窓を開けて外の景色を眺める。
普通なら3人で使うこの部屋を独り占め出来たは満足気。
冷たいが気持ちいい風が流れ込んでくる。

「お、こっから競技場の中みれんじゃん」

後ろから勇樹が窓の外をのぞき言った。

「ここでずっと練習するんですねー。」

も明日からの仕事の場をしっかりと見る。

「2週間しっかりがんばんねぇとな」

勇樹が気合を込めていった。

「そうですね、お互いに!!」

が笑顔で言った時

ちゃーん!遊びに来たでー」

ガチャリと扉が開いて入ってきたのは大輔と誠。
どうやら相当の事を気に入ったようだ。
合宿1日目。これから2週間此処で寝食を共にする。
どんな事が待ち受けてるのだろう、そう思うとワクワクしてきた。



しかし、これから沢山の出来事が起こるとは誰も予想していなかった。                 






アトガキ:はい、これはトMake a goalの姉妹サイト
deer×deer?の管理人北塚亜乃と企画した合同のリレー小説ですvvv
場所も設定も全て架空(笑)
そして二人の思い切り自己満足で作る予定です♪
1話目は合同で作成し、偶数が北塚、奇数が靖樹の担当となります。
最初以外は打ち合わせしてないので、相手がどんな作品を作るか全く分からない。
そんな状況で楽しくやっていきたいと思います!!
出る人物なんかも此処の作者の趣味が思いっきり出ます(笑)
それが皆さんに受け入れて貰えば嬉しいです★

追記:UPには少しばかり時差が出ますが気にしないで下さい。
あー亜乃の文才に劣らないように頑張らねばっ(><)


 


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