unite 10


隼磨に誘われ、何人かの選手と
なぜか“オセロ”をして楽しんだ。
小さい頃、妹と一緒によくやっていたので
オセロには自信があった。



ちゃんどっち??白?」
終盤に差し掛かる盤面を
横から覗き込んで言うのは直宏。
対決してるのは、隼磨。
その隼磨は、盤面をじっとにらんで
思考を繰り返しているようだ。



「ううん。黒。」
「え?マジ?圧勝じゃんコレ。」
のその答えに、直宏は驚いた声を上げた。
「オセロにはちょっと自信ありますからv」
が、軽く微笑んで言う。
「へ〜意外〜。」
「っていうかハユが弱すぎ。」
直宏のそれに、間髪いれずに言うのは勇樹。
うんうん、と頷くのは啓太と剛。
「だって、タケにも負けてたし。」
啓太がそう付け加える。



「五月蝿い!!今考えてんだからジャマすんなって!」
周りでギャーギャー騒ぐ4人に 隼磨が一喝する。
「や、ハユ、それもう無理だから。」
諦めろ、と啓太が肩を叩く。
確かに盤面のこっているますは残り数個。
そして、遠目に見ても結果は明らかなほど
盤上は、黒に占められていた。



「どうにかなるって!絶対!!」
隼磨はまだ諦めていないようで
必死にどうにかして勝てないかを考えている。
「はいはいはいはいー!終わり!ハユの負け!  
よし、次は俺〜!ちゃん、やろ?」
そう言ってオセロをぐちゃぐちゃにしたのは勇樹。
ギロ、と隼磨が勇樹をにらむ。
「そんな目でにらんでもムーダ。  
ほら、代われって!」
そう言って無理やり隼磨を押しのける。
膨れっ面の隼磨が追いやられ
そのままじっとにらんでいる。



「隼磨さん怒らせちゃいました・・・?」
心配になったのかが隣に座った直宏に問うた。
「ん?あ〜あれは不貞腐れてるだけだから。  
気にしなくていーよ。」
軽く笑って直宏がそう言った。



その後、勇樹、啓太らとオセロを打ってから
部屋に戻った。
愛用のノートパソコンを起動し
今日1日のことを簡単にレポートする。



レポートの最後に
『こぼれ話』として、今日談話室で喋った事などを書いた。
愛用のメモノートを見ながら
聞いたことを思い出して書き留める。
本人には止められたけど
ナオさんの好物:雪見大福とバッチリ書いた。
達也の趣味が鉛筆画で
これが中々上手い事も。



簡単にまとめおえて、保存してから
PCの電源を切った。
部屋に備え付けてある時計を見ると
時刻は10時を指した頃だった。
そう言えば、ここの大浴場は
11時までだった。
それを思い出した
用意を手に持って、女湯へ向かう。



10時過ぎと言う事もあってか
お風呂はの貸しきり状態だった。
近くに沸いてる温泉をひいてきているそうで
効能は肩こり・腰痛などらしい。
湯船に浸かって、ぐーっと伸びをする。



「あ〜疲れた〜・・・」
ちゃぷん、と水の音だけが響く。
肩まで浸かって、目を閉じた。



今日の収穫はなんといっても
達也さんの心を開いたことだな、と
自分で考えて、笑みがでた。
最初はどうなる事かと思ったけれど
案外早い段階で喋ってくれるようになって
良かったと思った。



年も1つしか違わないんだし
色々話とかもしたいし。
それは他の選手も同じなんだけど
やっぱ避けられてるって言うか
そういうのは、嫌だったから。



温泉があまりにも気持ちよくて
つい寝てしまうところだった。
のぼせる一歩手前のところで
お風呂から上がった。



浴場から部屋まで帰る途中
関係者の人に呼び止められた。



さん!探してたんですよ。」
「あ、すいません。お風呂いってたんで。   
なんですか?」
は振り返り、尋ねる。
「明日の予定変更の事なんですけどー・・・  
午前中の練習が中止になったんで  
明日の午前はフリーになってます。  
さんも自由に過ごしてください。  
午後の練習は当初の予定通り  
15:00からになってるので。  
おやすみなさい。」
急いでいたようで、早口にそう告げると
足早にどこかへいってしまった。



午前練習中止かー。
ヒマになっちゃうなー・・・
は、何して過ごそうか、と
考えて部屋に戻った。



明日起きて考えればいっか、と
マイペースにそう思って
は床についた。








朝、目が覚めると
外は清々しいほどに晴れ渡っていた。
着替えて朝食をとって
午前中なにしようか考える。
午前がフリーということもあり
食堂に集まる選手もまばらだった。



何かしたいこともなかったし
競技場周辺を散策してみよう、と
思い立ち、は外へ出た。



「あれ?さんどっかいくんですか??」
後ろからそんな声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、高校生2人
阿部祐太朗と大久保裕樹。
「ヒマだからそのへん散策しようかなーって。」
「あー午前練習なくなりましたもんね。」
裕樹が言う。



「それより、どうしたの?その荷物・・・」
が尋ねた。
2人は来た時のような大荷物を手にしていたからだ。
「え?あ、これから戻るんです。」
祐太朗が笑顔で言う。
「戻るってどこへ・・・?」
わかってないがもう一度尋ねる。
「俺ら高校サッカー勝ち進んでるんで  
試合あるんですよ。」
裕樹の説明ではようやく納得したようだ。



「あぁそっか!明日4回戦だっけ?  
市船と桐蔭が当るのは決勝だよね?  
2人とも頑張って!」
が笑顔でそう言って2人の肩を ポンと叩いた。
「優勝して帰ってきますから!」
ピースサインを作って
自信満満にいうのは祐太朗。
「残念だったな〜祐太朗。  
優勝するのは俺らだから!」
裕樹も言い返す。



そんな2人を見送って、
は競技場にそって歩き始めた。



結構のんびりとした田舎町の雰囲気があり
周辺には川がながれており
背後には山が迫ってきている。
全国的にはそんなに有名ではないが
温泉街が栄えてるらしい。



練習場の周辺をぐるっと歩いていたら
どこからか、ボールの蹴る音が聞こえてきた。
時刻はまだ午前中で
練習が始まっている時間じゃない。
誰かが自主トレしてるのかな、と
は音のする方に向かった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【アトガキ】
はいはーい。10話完成!
2桁突入イェイ!
そして次に押し付けようイェイ!
(コラ 目の前でボール蹴ってたのは果たして誰でしょう?
成にお任せさね。 っていうかね、うちはいくら考えても
カクちゃんにしかならないの!!(爆
だから、お願い成・・・

練習熱心さで大悟とか・・・?

あ、関係ないけどタナタツ入籍。
奥さん家事手伝い=無職!
3年半交際って事は
高校からか・・・青春だねぇ〜。(関係無!

阿部君と大久保君はしばし選手権へ旅立ちます(笑)
ちょっとやってみたかってん。(オイ では11話よろしく!



 


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