unite 14


後半戦終了後の給水タイム
が監督と談笑しているのを見て
隼磨と大輔が動いた。



「さっき俺らで考えてた事があるんやけど・・・」
ピッチサイドに集まっている
合宿メンバー全員に向かって大輔が言った。



「練習の最後にやってるゲームあるやん?  
それをもうすこ〜し楽しくしてみる気あらへん?」
ニヤっと笑って大輔が言った。
その横で、同じような笑みをもらす隼磨。
「どういうこと?」
そう尋ねたのは啓太。
他の皆も同じ疑問を持っていたので
全員が、隼磨・大輔の方に目をやる。



「題して【ゲームに勝って、ちゃんと喋ろう!】」
「なんですか、それ。」
隼磨の微妙な説明に、そう返したのは大悟。
隼磨が言ったコレだけで、内容を理解できるわけがない。
大輔が丁寧に説明し始めた。



「あんな、練習の最後にバー当てやったり  
PKやったりFKやったりしてるやん?  
最後まで残ってたら罰ゲームってやつ!  
罰ゲームは、あれはあれでおもろいんやけど  
最初に抜けたやつにも何か利益が欲しいとおもわへん?」



「まぁ確かに・・・。」
「罰ゲーム決めれるだけだもんね。」
大輔の問いかけに、頷いて返事をしたのは、光と達也。
それに全員が、うんうん、と頷く。



「だろ?だから、このゲームの上位勝利者4名が  
その日の夜御飯をちゃんと一緒に食べれる!  
とかいうのどう?」
「マジで!?」
真っ先に反応を示したのは坂田。
「面白い!それ、のった!」
挙手して言うのは啓太に和幸・浩司の3人。
「毎食ごとのあの、席争奪戦がなくなるんなら。」
と、賛成の意を表する直宏。



「なぁなぁ、これってチャンスってコト?」
隣にいた嘉人にそう言うのは遼一。
「わかんないけどそうなんじゃ・・・  
って、遼一もちゃんの事狙ってんの!?」
驚いたようすの嘉人。
「狙ってるっていうか・・・可愛いよね。」
まだ監督と喋ってる様子ののほうに
目をやって、遼一が言った。



「うっそ・・・遼一もちゃん狙い!?  
しんじらんねー・・・敵ばっかじゃん!!」
更に横から話に入ってきたのは功治。 
「うわー。競争率高ぇよ・・・。」
そう言ったのは悟志。
4人とも、負けるわけにはいかないと自分自身に誓った。



そんなこんなで全員の賛成意見のもと
夕食の席争奪戦開催が決定された。





「よ−し、集合!」
監督の声でピッチ中央に全員が集合する。
集まった選手21人はどこかしらやる気満々。
【自分以外は全て敵】
21人全員の頭の中は、それだけ。



「今日はバー当て。成功しなかったものはグランド5周!」
山本監督がそう言って、コーンをおく。



「俺いちばーん!」
ボールを手に、真っ先にやってきたのは
やはり、隼磨。
もちろん、上位4名は先着順。
最初から4人連続でクリアすれば
その日はそれで決定だ。



「うわっ先、越された!!」
「ヤベ!俺も!」
我先にと、列を作るのは、やはり年長組の面々。
隼磨の後ろに続くのは
大輔、勇樹、坂田、啓太に和幸、浩司、達也。
一気にずらっとここまで並ぶ。
坂田だけはなぜか中に紛れ込んでいる。
その後ろに、遅れをとってしまった
剛、遼一、嘉人、功治に悟志。



「ハユさんやる気満々じゃん」
後ろの方で、その様子を見ていた直哉が
隣にいる翔に言った。
「っていうか、上の人たち皆そうじゃねぇ?」
「祐太朗がいたら、あの中に混ざってたかも。」
笑いながら直哉がそう言い
「ありえる。」と、翔が返した。



「カクさんはいかないんですか?」
ちょっと離れた所で、リフティングをしている誠に
翔が尋ねた。
「あ〜並んで待つの嫌いやねん。  
どっちみち回ってくる回数は同じなんやし  
それまで足慣らし。」
そう言ってポーンポーンと軽くボ−ルを蹴っている。



「あーーーーーーーーーーー!!外したっっ!!」 
「よっしゃ!!呪いがきいた!!」
と、その時。
ゴール前から隼磨のものと思われる絶叫が聞こえた。
と、共に大輔・勇樹たちの歓喜の声も聞こえた。



「お、外したみたいやな。」
ボールを蹴るのを止めて誠が言った。
「難しいですもん、バー当て。」
「だよなー・・・俺何回やっても無理っぽい。」
直哉が言って、翔が頷く。



その後に蹴った大輔・勇樹・坂田・啓太も連続で失敗。
落胆と歓喜の声が入り混じるピッチ上。
その後も、バーにあたる様子はない。
蹴る選手は、真剣な目で目標物を見据える。
その後ろでは、動揺させようと野次を飛ばす面々。



「うわっ惜しい!」
キッカーの達也が蹴ったボールは、バーの少し上を飛んでいった。
ホッと胸を撫で下ろすのは、既に一球目を終えた面々。



「ガンッ!」
惜しすぎるキックをし凹む達也を、
啓太たちが どんまい、と励ましている時、そんな音がした。



剛の放ったボールがバーにあたり綺麗に跳ね返ってきた。
「え?俺いち抜け!?」
蹴った本人も動揺している様子。



そしてまた同じ音。
「やったっ!俺2位通過!」
遼一が蹴ったボールは、ジャストミートでバーへ。
肩を組んで踊る遼一と剛。
歓喜の舞。



「無心でやったらいけるやろ。  
下心あるからあかんねんて。」
「なんや、カク。俺らに下心があるとでもいうんかぁ?」
そう言ったカクに後ろから軽くケリを入れたのは大輔。
「嘘はあきませんよ、嘘は。なぁ?」
「え、あぁ、はい。」
急に話を降られ、苦笑いで戸惑う直哉。
「だから、下心なんかないて!ホンマ!」
「絶対嘘や!!」
必死に否定する大輔に、更に突っ込む誠。
「あーもうえぇからはよ蹴って来い!  
残ってんのお前らとナオだけやから!」



残るメンバーは翔・誠・直哉・直宏
それ以外のメンバーは、全員1球目は終わった。



翔が蹴ったボールは無情にも枠外。
「だから無理だって、俺・・・」
そう言って倒れこむ翔をどかし、直哉がボールをセット。
ポンと軽く蹴ったボールは綺麗な弧を描いてバーにヒット。
目が点になる合宿メンバーをよそに
剛・遼一・直哉が三人で肩を組んで踊る。



「だからゆうたやん。下心なかったらいけるーって。」
隣にいる大輔に、笑って誠が言う。
「もうあかんわ・・・残りカクとナオやろ?  
カクは論外やけどナオはあかん。  
ナオが蹴ったら絶対あてる!!!」
真剣な目で大輔が言う。
「論外て・・・松井君ヒドいわ!!」



結局、誠が蹴ったボールは思いっきり枠外。
選手達の笑いを誘うことになった。
最終キッカーの直宏は
大輔の予言どおり、周りの野次にも冷静に対処し
蹴ったボールはバーめがけて飛んでいった。



第1回夕食席争奪戦は
剛・遼一・直哉・直宏の勝利に終わった。




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【アトガキ】
ごめんなさい。主人公登場させなくて・・・。
この場面書くにはコレがいっぱいいっぱいやったの。
これでも、いくつか消したりして・・・
書きたいトコたくさんはつらいねぇ〜
とりあえず全員だそう!ってことでやったんですけど
何人か出てません。ごめんなさい。
こういうゲームはこれからもでてくる予定なので!
そいでは次、夕食風景?
罰ゲーム?
成、よろしく!!!

P.S 情報提供者:凛へ
ありがとう!ちゃんと遼一登場さしたで!(笑)



 


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