unite　17 「うわー…大降りになって来たなぁ。」 朝食を終えた自分の部屋。 は窓から見える外の景色を見てボソッと呟いた。 「練習は午後からだから…」 時計を見るとまだ９時を回ったばかり。 午後１時からの練習なのでまだ充分な時間がある。 は昨日中々進まなかったレポートの続きを 書こうとノートパソコンを開いた。 その時 「ちゃん、いる〜？」 ドアが軽くノックされ呼びかけられる。 そのマイペースな話し方から はそれがすぐに充であると分かった。 「永田君、どうしたの？」 「見た通り雨で室内練習なんだけど、 監督がちゃんが忘れてると悪いからって。」 「あ、教えに来てくれたんだ？ 有難う！！でも楽しみだなー。」 この合宿始まって初の室内練習。 外で元気良く動く選手達もいいが、 地道に体力づくりをする選手も見てみたい。 その願いが叶いはかなり嬉しそうだった。 しかし充の視界にはの部屋の中の沢山の書類。 仕事の邪魔かと考えた充はに視線を戻した。 「まぁレポート作り頑張って！ んじゃ俺用件伝えたからー。」 「あー永田君！！今暇？ もし大丈夫なら取材したいんだけど…」 部屋を出て行こうとする充の手をが掴んだ。 「取材？俺に聞いても言う事ないよ？」 「良いの！全員にする予定だからその第１弾で。」 駄目？ そう聞いてくるに断る理由もあるはずがなく。 充はニコッと笑う。 「んや、いーよ。」 「ごめん！凄い部屋散らかってて。」 承諾した充を部屋の中に招き入れ、 は慌てて椅子の上の雑誌をベットにどける。 そしてティーバックのお茶を持ってきた。 「あ、サンキュ。 別に仕事の資料なんだし仕方ないんじゃん？」 「そう言ってくれると助かるよ。 えっと、じゃあ準備するからちょっと待ってて？」 鞄の奥に入っている選手達に質問したい 事項をまとめたノートを探しに入る。 そして其れと一緒に後で編集する時の ためのテープレコーダーを取り出した。 「永田君、じゃあ初めて良いかな？」 「うい、宜しく。」 「じゃあまず、合宿も数日経とうとしてるけど 普段のチームの練習と比べてどんな感じ？」 「んー…やっぱ同世代の奴との練習って 凄ぇ刺激にもなるし、それに面白いね、色々。」 「闘志もあり楽しさもあり…ね、なるほど。」 ふむふむとノートにも軽く書きとめながら 充の話に耳を傾ける。 そして思い出したようにテープのスイッチを押した。 「あ、これ録音もさせて貰うね。 じゃあ次、DFになったきっかけは？」 しかし何故か充からは反応が返って来ない。 は充の顔を覗きこむ。 「永田君？？」 「へ？あーごめん。 聞いてなかった、何だっけ？」 「DFになったきっかけ聞いても良い？」 「あぁ、何か幼稚園の時サッカーやってー 後ろの方でボーっとしてたらそのまま？」 と目が合いようやくまた話し出す充。 その答えには爆笑。 「それ凄い納得出来るし！ 今だって意識飛んでたもん。」 「それはちゃん見てたからだって。」 「へ？」 さらりと言う充にも不思議そうに聞き返す。 「だから」 「ちゃん見るのに集中してたの。 好きな子と二人きりなんだから当然じゃん？」 平然とする充に言葉を失う。 充は席を立つと続けて言った。 「普段はボーっとしてるかもしんないけど、 ちゃんに関してはボサッとしてるつもりないから。」 そして部屋を出て行く充。 の頭は真っ白だった。 「嘘…」 「あのさ、思ったんだけど。」 「ん？」 談話室。 部屋に設置されているTVでは 現在高校サッカーが放送されている。 その試合を見ながら翔に話しかけるのは直哉。 「この合宿２週間じゃん？ もし祐大朗と裕樹が決勝行ったとしたらさ…」 「あ、合宿終わんじゃん。」 「だろ？二人共気付いてなさそうだよな。」 「後で電話かけてみようぜ。 それより俺ウーロン買ってくるわ。」 二人にとっては大した問題ではないらしい。 翔が直哉と話しながらドアの所で前を向いた時 「きゃっ！！」 「あ、さん！！すいません！！」 丁度歩いてきたと正面衝突。 地面に沢山の白い紙が散らばる。 「ううん、こっちこそボーっとしてて、 成岡君ごめんね！！あ、じゃああたし行くから。」 慌てて紙を拾い集め去っていく。 何やってんだよと歩いてくる直哉に首をかしげる。 「何かさ、さんが変。」 「は？お前が変なんじゃないの？ それより、何か落ちてる。」 毒舌直哉の指差す先には一本のカセットテープ。 どうやらの忘れ物らしい。 拾い上げた翔はラベルを見た。 「『永田　充インタビュー』だって。」 ギャグが続いてたと思ったらいきなり甘いです（笑 告白１発目はなんと意外（!?）にも 靖樹大好き永田君ですぃた（＞▽＜）/ 亜乃、こんな感じでオーケイ？ って、事で続き宜しく頼みます★